小島よしおが「逃げ癖」に悩む高2女子に伝えたい、逃げることの本当の意味とは?

小島よしおが「逃げ癖」に悩む高2女子に伝えたい、逃げることの本当の意味とは?

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  • 更新日:2022/09/23
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小島よしおさん(撮影/写真映像部・松永卓也)

「逃げ癖がついてしまった」と将来に不安を抱えるのは高校2年生の女の子。数多くの子ども向けライブを開催し、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」も人気の小島よしおさんが子どもの悩みや疑問に答えるAERA dot.の本連載。逃げることは「選ぶこと」とも言い換えられるという小島さんの真意とは?

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【相談24】私の悩みは、逃げ癖があることです。昔から、少し嫌なことがあったらすぐ「もう嫌だ!」と思い、逃げてしまいます。中学の部活や習い事、高校から始めたバイトなど、早ければ1週間くらいで嫌になり、行かなくなってしまいます。そのときは「本当に嫌だから逃げてしまったんだ! このまま続けていたら病んでいたに違いない」と思っていましたが、最近になって「私には、ただ逃げ癖がついていただけじゃないか?」と思うようになりました……。これから受験や、進学したら就活・就職があるなかで、こんな逃げ癖がついている自分がうまくやっていけるかどうか不安です。(まかろに・高校2年生・女子)

【よしおの答え】

まかろにピーヤ、その気持ち、よしおもすっごくわかる! なぜなら、よしおも習い事をいくつもすぐに辞めたことがあるから。小学生のころだと柔道、水泳、書道、通信教育……。大人になってから始めた太鼓やカポエイラ、ポールダンス、ピラティスなんかも、すぐに辞めてしまったよ。

絶対にまねをしてほしくないんだけど、高校時代は授業が嫌で、学校に行くふりをしてサボることもたくさんあった。大学生になってからもそれは続いて、結局卒業するのに6年かかっちゃったんだ。だからまず、「すぐに逃げちゃう」っていうのは、決してまかろにちゃんだけじゃないってことを知ってほしいな。

だけど、「これから何も続けられないんじゃないか……」っていう不安を持つのもよくわかる。よしおと一緒に、これからどうすればいいのか考えていこう!

■辞める理由と続ける理由のてんびん

よしおもまかろにちゃんと同じように、いや、もしかしたらもっと、始めてからすぐに辞めた経験がいろいろある。だけど、そんなよしおでも長く続いたものもあるんだ。「辞める」の反対は「続ける」だけど、その差はいったいなんだろう、って考えてみた。

まず、辞める理由には「楽しくないな」とか「嫌だな」とか「こわいな」とか「めんどくさいな」っていう気持ちがあると思うんだ。ただ、続けられたことでも、「つらいな」とか「嫌だな」って思ったことはある。

たとえば、芸人になりたての売れていない時代は、仕事がないことがすごくストレスだった。将来も見えないし、お金も稼げないし、「これから俺はどうなるんだろう」っていう漠然とした不安を抱えていたんだ。先輩芸人からの無茶ぶりにも、苦手意識があった。うまく返せないことが多くて、たくさんへこんだよ。それが原因で、体じゅうにじんましんが出たこともある。仕事なんか全然ないのに、病院に行ったら「疲れとストレスですよ」ってお医者さんに言われて腰を抜かしたよ(苦笑)。

だけど、芸人になることはよしおの夢だった。そして芸人になって、「面白くなりたい」「売れたい」「人気者になりたい」って強く思っていた。

辞める理由と続ける理由をてんびんにかけたときに、続ける理由のほうがよしおにとっては重かったんだ。よしおは「無茶ぶりが嫌だ」って気持ちよりも、「面白くなりたい」「人気者になりたい」って気持ちのほうが強くて重かった。だから、仕事がない時期もなんとか耐えて続けることができたし、先輩からの無茶ぶりも「何を言われても必ず返す」って決めていたんだ。

野球もそう。練習はきついし、監督は厳しい。だけど、よしおはプロ野球選手になりたかったし、野球を一緒にやっている仲間が大切だった。「野球がうまくなりたい」「こいつらと一緒に試合に出たい」っていう気持ちのほうが強かった、ってこと。

筋トレも、筋肉に負荷をかけるからどうしたってつらい。サボりたくなることもたくさんある。でも、人から「いい筋肉だね!」って褒められるのがうれしいし、海パン一丁で人前に出るからいい体つきでいたいな、って思う気持ちのほうが勝ったんだ。

そう考えると、「すぐに辞めてしまう、逃げてしまう」っていうのは「自分のしたいことを選んでいる最中」とも捉えられると思うんだ。まかろにちゃんが今まですぐに辞めてしまったという部活や習い事やバイトに、何か続ける理由はあったかな? もし思い当たらないようだったら、辞めて正解だった。しかもそのスピードが速いってことは、自分がしたいことや自分に合っていることに、より近づけているということだとも言えるんじゃないかな。

もし、続ける理由のほうが重かったら、きっと辞めていなかったと思う。そこまで考えられていなかったとしたら、また今から始めてみるのでもいいんだ。これからは、何か始めて辞めたくなったら、辞める理由と続ける理由をてんびんにかけてみるのはどうだろう。

■自分のデータを蓄積してみよう!

てんびんにかけるとき、頭のなかだけで考えると混乱しちゃうかもしれないから、日記みたいに、記録をつけることをおすすめするよ。たとえばコンビニのバイトを始めるとして、日々バイトをするなかでどんな嫌なことがあったのか、もしくはどんなうれしいことがあったのか。いざ辞めたくなったら、どうして辞めたいのか、辞めたときに起こるであろういいことと悪いことなんかを書き出してみるんだ。

それから、何か物事を始めるときも、どうして始めたいのかっていうことも考えみてほしいな。コンビニでバイトするにしても、「家から近くて効率的だから」なのか「ただお金が稼ぎたいから」なのか「そのコンビニの制服がかわいいから」なのか。始める理由も、てんびんの重さを左右するものになるはず。

記録していくことで、自分に向いていないことや得意なことがデータとして蓄積されていくよね。すると、少しつらくても「ここは耐えよう」と思えたり、逆にすぐに辞めてしまっても、「ここはこういう理由で自分に合っていなかったな」ってわかったりするはず。だから、たとえ辞めてしまったとしても「私は逃げ癖があるからだ……」って自分を責めることもなくなるんじゃないかな。

「逃げるは恥だが役に立つ」って言葉を知っているかな? これってハンガリーのことわざで、「自分の戦う場所を選べ」って意味なんだ。つまり、逃げるってことは選んでいるとも捉えられるとよしおは思う。

よしおは大勢の芸人さんが出るひな壇のある番組がすごく苦手だった。このままでは自分の良さが発揮できないと思って、自分が得意とする子ども向けのライブを増やしていったんだ。はたから見れば「ひな壇から逃げた」って言われるかもしれないけど、よしおは「子ども向けライブを選んだ」って思っている。

言葉ってすごく自分自身に影響があるから、まかろにちゃんも「逃げた」じゃなくて「自分に合うものを選んでいるんだ」って胸を張ってほしい。そうすれば、自分のやりたいことや得意なことが見つかって、すぐに辞めない自分にも出会えるかもしれない。いつか、続けられることが見つかったらよしおに教えてね。自分の気持ちが大事だから周りと比べて焦る、ってこともしなくても大丈夫だよ。焦らず、自分の気持ちと向き合ってみてほしいな!

……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?

(構成/濱田ももこ)

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