工藤会トップの「指揮命令」どう主張 検察、14日に論告求刑

工藤会トップの「指揮命令」どう主張 検察、14日に論告求刑

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/01/13
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市民襲撃4事件に関与したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会トップで総裁の野村悟被告(74)とナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)の論告求刑公判が14日、福岡地裁である。組織的な凶悪事件で、指定暴力団トップが罪を問われた異例の裁判。野村被告らを「指揮命令役」と位置付ける検察側が厳しく指弾するのは必至だが、直接的な関与を示す証拠がない中、どのような主張を展開するのか注目される。

審理対象は、元漁協組合長射殺(1998年)▽元福岡県警警部銃撃(2012年)▽看護師刺傷(13年)▽歯科医師刺傷(14年)-の4事件。両被告は初公判から一貫して無罪を主張しており、実行犯らへの指揮や命令があったかどうかが最大の争点になっている。

公判は19年10月23日に始まり、20年9月3日まで計59回の審理を重ねた。検察側、弁護側で合わせて延べ91人の証人尋問を実施。被告人質問は4事件に関して両被告に1回ずつ、計8回行われた。

野村被告らと事件を直接的に結び付ける証拠はなく、証人の組員らからは指揮や命令を示す決定的な証言は出ていない。被告人質問でも、野村被告らは4事件全てで「一切関与していない」と強く無罪を訴えた。そうした中で検察側は、工藤会の強固な組織性と各事件に特有の事情を立証することに力点を置いた。

「野村被告宅では毎朝のように、組幹部らが正座であいさつした」「会の行事では、両被告が上座にいた」-。組関係者の証言などから、検察側は工藤会が厳格な上意下達の組織で「絶対的な存在である野村被告の指示や了承なしに、組員が重大事件を起こすことはあり得ない」と論を張る。

その上で、元組合長事件と歯科医師事件では、工藤会が漁協利権への介入を狙ったと主張。元警部事件では長年の工藤会捜査に対する恨み、看護師事件では下腹部手術を巡る不満と、野村被告らに「動機があった」という構図を描く。

元組合長事件を除く3事件で実行役や実行犯の送迎役だった元組幹部=懲役30年が確定=らの判決では、各事件で野村被告の指揮命令を認定した。検察側は元組幹部に無期懲役を求刑しており、「普通に考えるなら指揮命令役とみている野村被告らに対し、元組幹部より低い求刑はあり得ない」(関係者)。

論告求刑について「長期間にわたる捜査での証拠の積み重ねと、公判での必要な立証をしてきた成果になる」と地検幹部。論告求刑公判は14日午後1時半から。弁護側の最終弁論は3月11日に予定される。

西日本新聞

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