新型コロナのワクチン開発はどこまで進んでいる? 続々と研究結果が発表

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2020/10/17

新型コロナウイルスに関しては、様々な研究結果が出ているが、特に海外の研究結果については、ほとんど報道されることはない。そこで、感染予防と免疫力強化にも役立ちそうな研究結果を取り上げてみよう。

新型コロナについて報道されない日はない。しかし、そのほとんどは感染者数の状況で、稀にPCR検査やワクチン開発の状況などだ。一方では、未知のウイルスだった新型コロナウイルスについては、国内外で様々な研究が行われており、少しずつ実体が解明されてきている。

例えば、ボストン大学医学部の研究者らは9月5日、学術誌「プロス・ワン(PLOS ONE)」に血中のビタミンD濃度が十分な人は、新型コロナウイルスに感染した時に重症化したり、死亡したりする確率が低いとの研究結果を発表している。

研究は新型コロナウイルス専門病院に搬送された20歳から90歳までの235人の患者の血中のビタミンD濃度を測定し、症状の重さと死亡リスクを評価した。

この結果、ビタミンD値が十分である40歳以上の患者の死亡リスクは、ビタミンD不足の患者に較べて51.5%低かった。マイケル・ホリック医師は、「ビタミンDの値が十分であれば、サイトカインストーム(免疫システムの暴走)を始めとする重症化を防ぎ、結果的にコロナウイルスによる死亡を防ぐことができる」としている。

また10月5日にはCDC(米疾病対策センター)が、新型コロナウイルスが空気感染することを正式に認めた。CDCの新たな見解は、「小さな飛沫によって発生するウイルスの粒子は空中にとどまって、6フィート(約1.8メートル)以上離れた相手も感染させる可能性がある」としている。

新型コロナウイルスの保持者が換気の悪い空間で、大きな呼吸を伴う活動をした場合、近くにいなかった人にもウイルスを感染させることがあり、例えウイルス保持者がその空間を去った後であっても、他人が感染する可能性があるとしている。

同じ10月5日には、京都府立医科大学が科学雑誌「Clinical Infectious Diseases」に新型コロナウイルスが、インフルエンザウイルスに比くらべてヒトの皮膚上で長期間生存することを明らかにした。

「ヒトの皮膚表面はウイルス生存には不向きだが、皮膚表面上の新型コロナウイルスは 9時間程度生存し、1.8 時間程度で不活化されるインフルエンザウイルスに比べ、大幅に生存時間は長い」としている。

つまり、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスに比べ、接触感染による感染拡大のリスクが高いことが証明された。

また、皮膚上の新型コロナウイルスに対する溶液中濃度80%エタノールの消毒効果評価を行った結果、両者とも15 秒間で完全に不活化され、エタノール消毒薬を使用した手指衛生が新型コロナウイルスの接触伝播のリスクを速やかに低下させる事ができ、感染制御上きわめて効果的であることが示された。

さらに10月12日には豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームから日常生活に極めて関連が深い研究結果が発表された。「新型コロナウイルスが携帯電話用ディスプレーで最長28日間感染力を持続できる」との研究結果が、学術誌「ウイルス学」に掲載された。

研究は室温を20、30、40度に設定して、湿度を50%に保った実験室でステンレス鋼、ガラス、ビニール、紙とポリマー紙幣、綿布の表面に感染患者で観察されたレベルと同様の濃度で新型コロナウイルスの粘液乗せて行われた。

この結果、室温20度ではステンレス、ガラス、ビニール、紙、ポリマー紙幣でウイルスが生き残ったが、綿布では14日でウイルスを検出できなかった。室温30度ではステンレス鋼、ポリマー紙幣、ガラスで7日、ビニールと綿布では3日で検出できなかった。室温40度では綿布は16時間、ガラス、紙、ポリマーノート、ステンレススチール上では最大24時間、ビニールは48時間で検出できなかった。

インフルエンザウイルスは室温20度で17日間生き延びるという研究結果に対して、新型コロナウイルスは28日間という感染力を保てること、また、新型コロナウイルスは温度の上昇に伴い感染力が短くなることが明らかになった。

実験に使われたステンレス鋼、ガラス、ビニール、紙とポリマー紙幣、綿布は銀行のATM、手すり、ドアハンドル、エレベーターボタン、お金など毎日大勢の人々が触れている表面と同じであり、感染防止のための消毒の重要さが再認識された。

さて、9月15日に奈良県立医科大学が発表した研究結果は、新たな商品開発を予想されるものだ。それは、「柿渋に新型コロナウイルスを不活化させる効果がある」ことが確認されたというもの。

発表によると、試験管内で新型コロナウイルスと唾液を混ぜて人の口腔内と似た環境を作り、そこに高純度で抽出した柿渋の主成分であるカキタンニンを加え、10分後に感染力のある新型コロナウイルスの量を測定した。その結果、1万分の1以下までウイルスの量が減少した。

ただし、「不活化させるにはカキタンニンの濃度とウイルスとの接触時間が重要で、カキタンニンを含むサプリメントなどが市販されているが、既製品を食べるだけでは、新型コロナウイルスを減らすことは期待できないため、今後、感染予防に効果のあるアメやラムネなどの食品化を進める」としている。

新型コロナウイルスがどのような性質を持っているのかは、感染予防を行う上では重要な情報だ。だが、一方ではこうした研究結果に過度に依存することなく、冷静に感染予防に役立てていくことも必要だろう。

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