タイで給料18万円の食事情 、和食のランチや居酒屋にはどれだけ行ける?

タイで給料18万円の食事情 、和食のランチや居酒屋にはどれだけ行ける?

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2020/01/18

生活の大きな基本のひとつ「食」。海外で暮らすとなると、食事が心配になるものです。日本食はあるのか、現地の食事はおいしいのか、値段は、衛生面は……。

しかしタイでは、日本と同様かそれ以上に、満ち足りた食生活を送ることができます。というのも、タイはいまや世界でも有数の「日本食が充実した国」なのです。

「日本食大国」タイ

経済成長を遂げたタイでは、外食などのレジャーを楽しむ中間層がこの数年で一気に増大しました。彼らが飛びついたのが日本食です。日本人が外食としてイタリアンや中華に親しんでいるように、タイ人は日本食を好んで食べています。

ひと昔前はあやしげな日本食モドキも多かったのですが、いまではだいぶ洗練されてきており、味つけもしっかりしてきました。加えてこの状況をチャンスと捉えた日本の飲食チェーンが怒涛のようになだれ込んできたのです。

例えばバンコク中心部スクンビット通りのアソークに立つ人気モール・ターミナル21の中には、モスバーガー、吉野家、ココ壱番屋、ペッパーランチ、大戸屋、てんや、やよい軒、かつや……といったチェーン店がずらりと並び、もはや壮観ですらあります。こうした店でタイ人が食事を楽しむ時代になっており、在住日本人もその恩恵に預かれるというわけです。

もちろんチェーン店ではちょっと、というタイ人だってたくさんいます。2013年からタイ人はビザなしで日本に観光旅行できるようになりましたが、そこで本場の味を覚えた人々が、本格的な和食を求めるようになってきました。そんな層に向けた、ややグレードの高いレストランもたくさんあるのです。

もともとタイには7万人を超える日本人が住んでおり、日本食というマーケットはそこそこ大きな規模でしたが、タイ人の流行と相まっていまや食べられないものはない、とさえいえる状況です。

ラーメンなら北海道から九州までさまざまなご当地ものがあるし、居酒屋に行けば内装もメニューも日本そのまま、蕎麦でもうどんでも焼き肉や日本風の洋食でも、懐石でも寿司でも、そのほかおよそ考えつく日本食はたいていバンコクにあるのです。

バンコクの日本人街の中心地ともいえる、スクンビット通りソイ33/1のフジスーパーを見てみましょう。品ぞろえはもう日本のスーパーと変わりません。特売のチラシが踊り、季節ごとの食材も売られ、年末年始にはおせちや鏡餅だって並びます。納豆や醤油、みりんや味噌など基本的なものは何種類もあり、選ぶのが楽しいほど。

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フジスーパーのチラシも完全に日本

こうしたスーパーがバンコクの各所にあり、またマックスバリュなどのコンビニではワサビとおにぎりと醤油くらいは手に入ります。バンコクとはもはや、そういう街なのです。在住日本人とタイ人、両方の需要を満たすため、和の食材が充実しています。

給料5万バーツで300バーツのランチは是か非か

しかし問題は、値段です。

バンコクの和食店は、店によっては日本より高いのです。ちょっとしたラーメン屋でも、餃子とセットのメニューでも頼むと税・サを合わせて300バーツを超えたりします。約1,080円。

居酒屋では税金の分だけ日本酒も焼酎も高いので、ふたりで飲んでボトルでも入れたら、ワリカンでひとり2,000バーツ(約7,200円)くらいかかることもあります。スーパーでもやはり輸送費が上乗せされているので日本より1~2割は高い。

ここに現地採用の現実が重くのしかかってくるのです。仮に給料が、日本人の最低ランクである5万バーツ(約18万円)だとしたら、どうでしょうか。ランチに気軽に300バーツを出せるでしょうか。夜は同僚と居酒屋に行くのも、少し考えてしまうかもしれません。

5万バーツで家賃から光熱費、通信費、食費を捻出し、生活を組み立てていく上で、日本食はちょっとした「贅沢」とも考えられるのです。

そんな現地採用者の一方で、あまりお金に頓着しないタイ人中間層や富裕層のOLたちが、300バーツを超えるランチを平然と食べていたりする。新しくオープンする店には行列ができたりもする。同じ日本人でも駐在員の家庭はスクンビットの値の張る和食レストランで食事を楽しんでいたりする。

それらをやりすごし、タイの庶民とともに食堂や市場に向かうのです。これがタイのローカルな生活にどっぷりと浸かる現地採用の面白さでもあるし、また富裕層や日本人駐在員と自分を比べてコンプレックスを感じてしまう場面でもあります。

ローカルに潜り込めば食費も格安だが……

庶民たちの暮らしに紛れ込めば食事は格安です。

屋台や安食堂で、麺料理だとか日本でも人気のカオマンガイやガパオご飯を食べれば50バーツ(約180円)前後。タイ人でわいわい賑わうオープンエアの大衆的な店でトムヤムクンやイサーン(タイ東北部)料理をずらりと並べ、みんなでシンハビールを飲んでも、一人せいぜい500バーツ(約1,800円)くらいでしょうか。

タイの場合スーパーマーケットではない生鮮市場に一般人が入ることができて、まさに庶民の台所となっていますが、こうしたところで食材を買い込んで自炊すればさらに安上がり。調味料だけ日系スーパーで買ってくれば和食も手軽につくれます(ただし、安いアパートはキッチンそのものがない場合がある。その場合カセットコンロなどを用意する必要があります)。

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こうした店でお好みの料理を持ち帰って部屋で食べるタイ人が多い

こんな市場や、雑多な屋台が並ぶ商店街は、なんだか懐かしい風情に満ちています。売り子たちの呼び声、走り回る子供たち、夕食の買い物をするおばちゃんたち。所狭しと行きかうトゥクトゥクやバイクタクシー……騒々しいけれど、どこか温かさもある、「三丁目の夕日」的な賑わいなのです。

この風景に溶け込んで生活できる人であれば、5万バーツはむしろ非常に豊か、使いでのある額と言えるでしょう。現地採用としてタイで生きるには、当然ですが土地に馴染み、適応していく、ある程度のタフさが求められるのです。

こうしてタイ料理と日本食とを、懐事情によって組み合わせて暮らしていくことになるでしょう。

加えて、バンコクは国際都市です。ヨーロッパやアメリカ、中東、インド、中国や韓国など世界の料理が(日本食と同じくらいの値段ですが)食べられます。「食」に関しては不自由しない街です。

ただ、持って生まれた日本人のDNAか、やはり毎日毎食ずっと食べ続けても飽きないのは日本食、という人が大半であるのも確かです。タイ料理も確かにおいしいのですが、スパイスとハーブの効いた料理を主食とするのはちょっときついと感じる人も多いでしょう。

だから現地採用としてタイで生きるなら。「いつでもとんかつを食べられるくらいの」余裕は持ちたいもの。そのためにはより良い待遇の職場を求め、ステップアップすることも必要となってきます。

(室橋裕和)

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