奇抜さで町おこし? 「ラッピング公用車」が増加中 「痛公用車」も

奇抜さで町おこし? 「ラッピング公用車」が増加中 「痛公用車」も

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2017/11/12

「かばんのまち」、かばんを公用車にラッピング

カーラッピングといえば、企業のイメージを装飾した商用車などが思い浮かぶかもしれませんが、こうしたラッピング装飾を、自治体自らが公用車に施すケースが増えています。

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かばんの写真をラッピングした豊岡市の公用車。奥の車両はすでに廃車されているが、手前の柳編みのかばんをラッピングしたものは、いまも現役(画像:豊岡市)。

兵庫県豊岡市では、かばんの写真を車体にラッピングした公用車が走っています。同市に話を聞きました。

――かばんの写真をいつから、なぜ公用車にラッピングしたのでしょうか?

市の地場産業であるかばんをPRする目的で、2009(平成21)年に2台導入しました。そのうちトヨタ「ハイエース」のラッピング車両はすでに廃車されていますが、ホンダ「インサイト」のものは現役です。

――それまでの公用車はどのようなものだったのでしょうか?

ドアのところだけに「豊岡市」のロゴを掲示したり、特産品のステッカーを貼っていたりするものは現在もありますが、車両全体をラッピングしたものの導入実績は、お話しした2台のみです。

――公用車はどのように使われていて、どのような評判があるのでしょうか?

イベントや出張の際に使用しています。神戸や大阪などへの出張時に、公用車を追いかける方もいらっしゃるようです。停車中に「これは何でしょう」とお声がけをいただくこともあり、由来を説明することで市への理解を深めていただくことにもつながっています。

二兎を追う? 「ふっかちゃん」公用車で広告収入

埼玉県深谷市では、市のキャラクター「ふっかちゃん」をラッピングし「小ねぎジェット号」と名付けた公用車を2016年に導入。このクルマではさらに、車体の一部に広告スペースを設け、一般企業の広告を掲出しているといいます。深谷市に話を聞きました。

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「ふっかちゃん」がラッピングされた深谷市の公用車。広告が掲出されていない状態(画像:深谷市)。

――「ふっかちゃん」のラッピング公用車はどのような経緯で導入したのでしょうか?

深谷市のPRのためです。「ふっかちゃん」を有名にし、それを入口に深谷市を知っていただく目的があります。イベントなどで「ふっかちゃん」を乗せて移動するほか、職員の出張などで使っています。

――広告スペースを設けたのはなぜでしょうか?

広告収入により、自主財源を確保するためです。公用車に一般の広告を掲出するのはほかの自治体でも行われていますが、なかなかスポンサーが決まらないという悩みがあります。そこで、「ふっかちゃん」といっしょに広告を掲出できるようにしました。

※ ※ ※

この「ふっかちゃん」公用車の広告スペースは車体側面と後面に6枠ありますが、スポンサーは入札によって決まるそうです。「多くの企業に応札いただきました」といい、増収に寄与しているようです。

なんじゃこりゃ! 「痛公用車」、海外でも話題に

長野県飯田市では、市内で毎年11月に開催されるサブカルチャーとグルメの祭典「丘のまちフェスティバル」の公式キャラクターとして、アニメ調に描かれたマスコットキャラクター「ナミキちゃん」をラッピングした公用車を導入しています。ナミキちゃんをはじめ、さまざまなキャラクターが所狭しと描かれたデザインで、市自らが「痛公用車」と称しているものです。飯田市に話を聞きました。

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市職員もここまで派手な公用車はほかにないと自負する、飯田市の「ナミキちゃん号」。(画像:飯田市)。

――どのような経緯で導入したのでしょうか?

2016年の第10回目「丘のまちフェスティバル」に合わせ、市内のタクシー会社6社から1台ずつ提供いただき、「ナミキちゃん」をラッピングした「痛タク」に取り組んでいただきました。それをきっかけとして、市民の方にフェスティバルの会場で公用車への公開ラッピングを行っていただき、そのまま寄付いただきました。

――評判はいかがでしょうか?

注目度は抜群です。「なんじゃこりゃ!」と驚かれ、中国でも話題になりました。「痛車」のイベントに呼ばれることもあり、2017年11月に開催される名古屋モーターショーにも招待されています。そうしたイベント会場に向かう高速道路でサービスエリアに停めているあいだに、見る人が「飯田市だって!」と口にしてくれるので、市のPRにも貢献しています。

――ふだんはどのように使われているのでしょうか?

市内の各施設間で庁内文書を移送する「逓送(ていそう)車」として、ほぼ毎日走っています。保育園の近くを通れば子どもたちが集まってくるなど、親しまれているようです。

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このような「痛車」まで登場するラッピング公用車、いつごろから増えたのでしょうか。

カーラッピングを手掛けるアキハマ・ブレーンズ・コミュニティー(千葉県松戸市)によると、「公用車に自治体のロゴなどをカッティングシートで貼り付ける程度の依頼は以前からありましたが、フルラッピングはここ4、5年のあいだで増えた」そうです。特に多いのは、深谷市や飯田市のように自治体のキャラクターをラッピングするものだといいます。

「ラッピング公用車が増加した背景には、自治体のキャラクターが増えたことが関係していると思います。というのも、それらキャラクターが一堂に集まるようなイベントが開催されていますが、各自治体はそこに公用車で乗り付けるので、クルマそのものも品評会のようになるわけです。『あそこの自治体はあんなクルマで来ている』と、ほかの例を参考に広がっているのではないでしょうか」(アキハマ・ブレーンズ・コミュニティー)

今後、さらに奇抜なデザインのラッピング公用車が現れるかもしれません。

【画像】「ふっかちゃん」公用車の広告スペースとは?

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車体側面の前後輪付近、後面の下部が広告スペースとなっている(画像:深谷市)。

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