飛ぶように売れていたバーバリーを失った三陽商会、深刻な事態突入...大量リストラ&閉店

飛ぶように売れていたバーバリーを失った三陽商会、深刻な事態突入...大量リストラ&閉店

  • Business Journal
  • 更新日:2016/12/01
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アパレル大手、三陽商会は10月末に予定していた中期経営計画の発表を延期した。2017年2月にあらためて発表するという。

この数年の業績不振を受け、7月に当初の中期経営計画を撤回した。10月に新しい計画を発表するとしていたが、営業赤字が拡大し経営の方向性が定まらないため、さらに延期することになった。先行きが見通せなくなったことの表れで、深刻な事態に直面したことになる。

三陽商会の16年1~9月期の連結決算の売上高は、前年同期比35%減の478億円、営業利益は83億円の赤字(前年同期は68億円の黒字)、最終損益も81億円の赤字(同30億円の黒字)だった。

16年12月(通期)は売上高が前期比28%減の700億円、営業利益は68億円の赤字、最終損益は95億円の赤字となる見通しだ。

●バーバリーブランドが売上の4分の1を占める

三陽商会といえばバーバリーである。1965年の輸入開始以来、50年以上にわたって英バーバリー社と蜜月関係を築いてきたが、2015年6月にその関係に終止符が打たれた。ライセンス契約を打ち切られたのである。世界統一商品としてブランド管理のグリップを強めたい英バーバリー社と、バーバリーの派生商品をつくる三陽商会との関係がぎくしゃくして、今回の事態に立ち至ったと見られている。

バーバリーといえば、コートの裏地のチェック柄がトレードマークだ。重厚なデザインや仕様のため、年齢層の高い富裕層に支持されてきた。

1996年、日本で若者の間に、バーバリーが爆発的にヒットしたことがある。三陽商会が10代から20代の女性にターゲットを絞ったバーバリー・ブルーレーベルを発売したのがきっかけだった。

97年10月。当時人気絶頂の歌手、安室奈美恵さんが婚約会見で着ていたのが、バーバリー・ブルーレーベルのチェックのミニスカートで、約2万円の商品が翌日から飛ぶように売れた。三陽商会の売上高の25%がバーバリーブランドだった。

●後継ブランドの販売が大苦戦

基幹ブランドを失った痛手は大きかった。それでも、バーバリーなき後も強気の中期5カ年計画を策定した。

2013年12月期の売上高は1063億円、営業利益は70億円だった。バーバリーを失った後の16年同期は、売上高が850億円、営業利益は20億円の赤字になると想定した。16年12月期を底に18年同期には売上高は1000億円、営業利益は50億円に回復するという計画を立てた。

ところが、実際の16年12月期通期の業績は、売上高が700億円、営業利益は68億円の赤字となる見込みだ。中計経営計画と比較すると、売上高は150億円下回り、営業赤字は48億円下振れした。

不振の最大の原因は、バーバリーの後継として三陽商会が百貨店向けに売りだしたマッキントッシュロンドンとブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジの新ブランドが、バーバリーの代役としては力不足だったことだ。中期経営計画の発表を延期して、計画を抜本的に見直さざるを得なくなった。

●百貨店が主戦場のアパレルは出口が見えない

三陽商会はリストラも実施した。6月に全従業員の2割に当る250人の早期希望退職を募集、10月までに249人が応募した。希望退職の実施に伴う退職金などの費用がかさみ、16年12月期に特別損失として26億円を計上する。13年6月にも希望退職を実施しており、276人が退職した。

だが、人員削減だけでは業績は上向かない。30以上あるブランドのうち、17年8月までにポール・スチュアートスポーツなど合計10ブランドを廃止する。昨年末に1478カ所あった売り場のうち、今年80カ所、来年170カ所の計250カ所を閉鎖する。保有している株式や資産の売却も進める方針だ。

しかし、起死回生の成長戦略は打ち出せない状況にある。主力としてきた百貨店という販売チャネルの衰退が背景にあるからだ。リーマン・ショック後、消費者は手軽なファストファッションを好む傾向が強くなった。スマホが普及し、ネットでファッション衣料を購入する機会が増えてきた。消費者の百貨店離れが進み、百貨店を主戦場とするアパレルメーカーの経営を圧迫している。

来年2月に発表する新中期計画で、効果的な業績浮上策を打ち出すことができるだろうか。
(文=編集部)

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