国産豚のルーツはアメリカ原産だって知ってた!?

国産豚のルーツはアメリカ原産だって知ってた!?

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/13
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アメリカの食肉加工場の様子。画一サイズの豚が均一に吊るされる。(撮影/青沼陽一郎)

炭水化物抜きダイエットなどで注目される、赤身肉。肉を食べていれば太りにくくなるということで、牛肉に引き続き、今度は豚肉が注目されている。

米国国勢調査局が発表したデータによると、牛肉の消費量の第1位はアメリカ、2位はEU、3位はブラジルと続き、日本は小国にも関わらず世界10位だ。豚肉については、1位は中国、2位にEU、3位にアメリカ、日本は6位と健闘している。

徳川幕府が滅び、明治期に入る150年前まで、日本では一般的には肉を食べる習慣がなかった。ところが今日、ここまで肉の消費が増えた背景には、実は、アメリカの存在が大きい。

日本は、戦後の食うや食わずの時代から、あっという間に高度経済成長を遂げ、やがて食肉文化が浸透して、日本人の体格向上にも寄与したとされている。特に豚肉は手に入りやすい肉として、トンカツ、生姜焼き、肉じゃが、カツカレーなどのメニューになって、昭和の食卓を彩ってきた。

日本の豚の歴史をひもといていくと、古くは江戸時代の薩摩藩に行きつく。2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』で注目の薩摩は、琉球を統治していたこともあり、古くから豚肉が食べられていたのだ。薩摩藩出身の武士たちに偉丈夫が多いのは、豚肉の影響もあったかもしれない。

しかし、当時、日本人が豚肉を食べていたのは、あくまで一部の話で、現在のように大量の豚肉が食べられるようになったのは、1960年代からだ。

このきっかけは、1960年にアメリカのアイオワ州から、35頭の種豚が空輸されて山梨県に贈られたことだ。同時期に伝えられたアメリカ流の畜産技術もあって、これらが結果的に約50万頭に増え、全国に広がっていった。現在、日本の豚のほとんどが、このアイオワ州からやってきた35頭の豚の、なんらかの遺伝子を持つとされている。

アイオワ州から豚が贈られた理由は、1959年に日本に上陸して、犠牲者5098人を出し、風景や生活を破壊し尽くした伊勢湾台風の被害から、山梨県を救済するためだった。このプロジェクトを指揮したリチャード・S・トーマス曹長は、終戦後の日本に駐留していた経験があり、大型台風が襲う前年には山梨にいた。そこで見た、日本の風景や生活に感銘を受け、台風によって苦境に陥る山梨に対して、救いの手を差し伸べようとしたというのだ。しかしこれは、あくまでも表向きの理由だったのだが……。

当時の輸送手段と言えば船だ。しかしそれでは、洋上の暑さに耐えきれず、輸送途中で豚が死んでしまう。そうなると、当時の輸送手段としては、プロペラ機しかない。そこで、トーマス曹長の計画を全面的にバックアップしたのが、米国空軍だ。この、前代未聞の生きた豚の空輸計画は、こうして国家的なプロジェクトまで昇華していった。

ではなぜ、莫大な費用がかかる豚の空輸計画を、アメリカが国を挙げてまで実行に移したのか?台風によって苦境に陥る山梨に対して、救いの手をさしのべる……。先に紹介したこの表向きの理由のウラに隠された、知られざる真の理由とは何か?その驚愕の真実に追ったのが、青沼陽一郎の新刊『侵略する豚』だ。

ジャーナリストとして、これまで日本のみならず、世界の「食の真実」を追いかけてきた筆者が、アメリカ、中国へと食の真実を探る旅を重ね、日本と世界の食について、また、食をコントロールすることで、世界支配をも企む国々の思惑について、取材を敢行。本書を読むと、食肉にまつわる世界的なコントロールの実態と、これにおびやかされる日本の食の実情について、理解が深まるはずだ。

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侵略する豚
青沼陽一郎著 小学館 1400円

文/前川亜紀

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