『新感染半島』カン・ドンウォンが暴露 鬼才ヨン・サンホ監督は「『あっ』って顔を撮ったら、すぐ『カット!』の声がかかる」

『新感染半島』カン・ドンウォンが暴露 鬼才ヨン・サンホ監督は「『あっ』って顔を撮ったら、すぐ『カット!』の声がかかる」

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/10/17

空前の韓流ドラマブームとなっているが、韓国本国では“恋人にしたい男”といえばこの人。コロナ禍の中、公開された主演映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』は、苦境の韓国映画界を救う大ヒットとなっている。ソウルとのオンライン取材で見せた素顔は思いがけないことに親しみやすいもので——。

【画像】カン・ドンウォンさんの写真をすべて見る

No image

©YG ENTERTAINMENT

◆ ◆ ◆

カン・ドンウォンは、完璧過ぎる映画スターだ。

2003年の俳優デビューこそテレビドラマだが、04年に初主演した映画『オオカミの誘惑』の秘密を抱えた少年役でブレイクして以降は、銀幕を中心に活躍。一度見たら忘れられない憂いのある目元と九頭身とも言われるスタイルの良さで、韓国では国宝級のイケメンとして長くトップの座に君臨している。

演技力も抜群で『MASTER/マスター』(16)で正義感の強い捜査官を演じたかと思えば、『ゴールデンスランバー』(18)では底抜けのお人好しぶりを全身で表現する。SNSなどを一切しないため、何処かミステリアスで、これもまた往年のスターを感じさせる。さらにスキャンダルとも無縁で、頭脳も明晰。これまで取材した際には、ちょっと近寄り難い気がしていた。

ところが、8月の酷暑の最中、ソウルの所属事務所からリモート取材に応じた彼は、まるで散歩の途中にふらっと立ち寄ったような黒のTシャツにジャケットのカジュアルな服装。黒のマイボトルに持参したコーヒーを口にしながら、くつろいだ笑顔でPCの前に座っていた。

最新作は『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編

最新作『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2021年1月1日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー)は、世界的にヒットした『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)の続編で、前作から4年後の世界を描く。演じるのはゾンビ・ウイルスにより壊滅状態になった韓国から辛うじて脱出できたものの、トラウマを抱える元兵士のジョンソク。前作に続いてヨン・サンホが監督し、コロナ禍の中、韓国では約400万人動員の大ヒットを記録した。

「映画が公開された7月には、韓国では映画館の稼働は半分程度でした。今では8割まで回復していますが、映画館に来るお客さんはまだ全体的に少ない状況です。韓国の日常生活はほぼ元に戻っていて、僕もマスク以外には支障を感じていません。感染者がまた増えてきたので今後はわかりませんが」

シンガポールなどアジア各国でもヒットし、米ハリウッドレポーター誌は「コロナ禍の世界で最も成功した作品」として取り上げた。こうした状況を自身はどう思っているのだろうか。

このタイミングでの公開は不安もあった

「万感が交錯するというか、複雑な気持ちです。この映画が、落ち込んでいた映画界に光を当て、扉が再び開いた。アメリカ、カナダやヨーロッパでも公開が決まったり、アジアでもヒットしたりと、映画業界を活気づけられたことは嬉しいし、韓国映画興行界の苦境の中で、反響も成績も良かったことを誇りに思います。公開前は果たしてこのタイミングの公開で良いのか、とみんな不安でした」

スクリーンの中でも、外でもパンデミックが起きているという、製作時には考えられない事態になってしまったのだから当然だろう。

「現在コロナが深刻化しているアメリカのメディアにはまさにそう言われているようです。韓国はパンデミックまでいかなかったので、そういう指摘はあまりなかったんです」

しかし、カン・ドンウォンのような大スターが、ヒット作の続編に出演するというのは異例のことだ。

「オファーを受けたときは、既存作品の続編に出るというのはどうかなと正直思いもしました。僕は安定よりも、冒険を求めるタイプですから。でも脚本を読んでみたら、これは前作とは違う独立した映画だと思えたんです。お客さんはむしろ『新感染』を観ていなくても構わない。ポスト・アポカリプス(終末もの)映画をやってみたかったんですが、まさにそういう脚本でした。

現場は和やかだし、ヨン・サンホ監督ととても仲良くなりました

実はヨン・サンホ監督には脚本を読む前にお会いしたんですが、監督のことがとても好きになったんですよ。監督の価値観やビジョンにはとても共感しました。例えばヨン監督は撮影を早く終えることで有名なんですが、どうしてなのか不思議だったんです。監督だったらもっと欲を出して当然なのに。

それで早く終わった日に理由を聞いたら、『映画は共同作業なので、私にとって一番大切なのは、みんなが幸せであることです。仕事が早く終わった方が、みんな幸せですよね』と言われました(笑)」

実際、アニメーション出身のヨン監督は、頭の中に完璧に映像ができ上がっているので、現場はとてもやりやすかったそうだ。

「頭の中にビジョンが明確にあるので、1秒でも、2秒でも必要じゃないものは絶対に撮らないんです。100%、自分で描いた絵コンテ通りに撮る。たとえば『あっ』って顔を撮ったら、すぐ『カット!』の声がかかる。ここからここまでという感じで、細かく撮るのが独特でした。

また、役者に演技指導することに慣れていない方なので、とても遠慮がち。でもアニメでは自分が演技をしたものを描き起こしていたので、監督は今でも自分で演じてみせちゃうんですよ(笑)。僕はとてもやりやすかった。現場は和やかだし、監督ととても仲良くなりました」

「メソッド演技は出来ないんですよ(笑)」

感情が途切れてしまうので細かく撮るのを嫌がる俳優もいるが、彼は逆に役柄を全く引きずらないという。毎日、撮影前に必ず行うルーティンも無い。「寝られるだけ寝て現場に行っちゃうんです。すぐ演技に入れちゃいます」とコミカルな仕草で笑う。ロバート・デ・ニーロやダニエル・デイ・ルイスのように、役になり切って生活したり、激しい減量をしたりというアプローチはしないようだ。

「僕は食べたいものがたくさんあるから、メソッド演技は出来ないんですよ(笑)。それに、本当にメソッド演技をしている方がいるのか、僕は懐疑的なんです。この前も、いかにもメソッドにこだわりそうなアメリカの俳優さんが、インタビューで『もしそうしたかったとしても、子供を学校に送り迎えしなきゃいけないから出来るわけがない』と答えていて、そうでしょう?と(笑)」

◆ ◆ ◆

インタビュー後編では、40代に向けての意気込みや、海外進出に挑戦する理由が語られる。そして、インタビュー中にちょっとしたハプニングも……。続きは発売中の『週刊文春WOMAN 2020秋号』でご覧ください。

text:Ayako Ishizu

Gang Dong-won(カン・ドンウォン)
1981年釜山生まれ。大学在学中からモデルとして活動し、パリコレにも出演。2003年ドラマ「威風堂々な彼女」で俳優デビューすると瞬く間に人気を集める。翌04年の『オオカミの誘惑』『彼女を信じないでください』以来、主演映画が毎年のように公開される。代表作に映画『義兄弟 SECRET REUNION』(10)、『群盗』(14)、『MASTER/マスター』(16)など。

『新感染半島 ファイナル・ステージ』
人間を凶暴化させる謎のウイルスの感染爆発で、韓国の国家機能が停止して4年後。荒廃したソウルに、元兵士ジョンソク(カン・ドンウォン)がある任務を果たすために戻ってくる。生き残りの母子とともに朝鮮半島からの決死の脱出を図る。2021年1月1日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー。

(「週刊文春WOMAN」編集部/週刊文春WOMAN 2020 秋号)

「週刊文春WOMAN」編集部

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加