レジェンドが帰ってきた!! 巨人・桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)が14日、川崎市のジャイアンツ球場で初日を迎えた新人合同自主トレを視察し“初仕事”に臨んだ。巨人の一員としては15年ぶりに訪れた原点の地で、早速“桑田イズム”を全開にした。
◆新人合同自主トレ視察
投手チーフコーチ補佐就任が決まってから2日。桑田氏は、口調こそ穏やかながら心を高鳴らせていた。
「自分が新人として初めて、よみうりランドに足を踏み入れたときのことを回想しました。久しぶりに中に入ってくると勝負の世界の緊張感を少し感じました」
入団から35年がたっても、野球への情熱にかげりはない。「覚えていないくらい久しぶり」という思い出の地、ジャイアンツ球場に巨人の一員として15年ぶりに足を踏み入れ、指導者としての活動をスタートさせた。
◆「うまくないと楽しめない」
原監督ら首脳陣とあいさつを済ませると、新人のキャッチボールなどに熱視線。自主トレ期間中のため指導はできなかったが、東大大学院の特任研究員として科学的に研究するなどしてきた“野球の求道者”は、視察後のオンライン取材で早速桑田節を披露した。
まず、口にしたのが科学的見解に基づく練習哲学。「たくさん走って、たくさん投げる時代ではない」と言い切った。
さらに「早くうまくなってほしい。うまくないと楽しめない。2、3年で土台をつくって、それからでもいい」と野球を楽しむための思考法も伝授した。
◆豊富な経験が言葉に説得力を持たせる
昨年3月に自身も経験した肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、リハビリ過程にあるドラフト2位・山崎(東海大)にも言及。「復帰までの時間が長い。技術的、体力的よりも精神的な苦痛がすごく大きい。そのサポートを僕ができたら」と精神面の重要性を説いた。
自身は、1995年に右肘の手術を受けた際に「投げられなくても下半身は鍛えられる」と発想を転換。ジャイアンツ球場の外野を走り込み、芝が剥げ上がった部分は「桑田ロード」と呼ばれるようになった。豊富な経験が言葉に説得力を持たせる。
◆日本一の力になりたい
2月1日からのキャンプは初日から帯同し、1軍だけでなく2、3軍の選手も指導する予定だ。「目標は日本一。どんな形でもいいので力になりたい」。9年ぶりの日本一奪回へ、“桑田イズム”が注入される。(谷川直之)
◆菅野「早くお会いして話をしてみたい」
菅野が、桑田投手チーフコーチ補佐の就任に心を躍らせた。「尊敬できる大投手。早くお会いしていろいろ話をしてみたいなと、すごくわくわくしています」。現役時代に20年間、自身と同じエース番号「18」をつけていた大先輩。「そういう方にしか分からない苦しみ、悩みがあると思う。そういうところを聞いてみたい」とうなずいた。
◆阿部2軍監督「指導者になっても学ぶことはたくさんある」
阿部2軍監督も新人合同自主トレを視察し、かつてバッテリーも組んだ桑田投手チーフコーチ補佐の加入を歓迎した。「指導者になっても学ぶことはたくさんあるのではないかなと思う。いろいろな方面で指導経験も豊富なので聞いてみたい」。自身は2軍監督就任2年目。ルーキー全員に「努力できる天才になってくれ」と訓示した。

リモートで会見する巨人・桑田真澄コーチ=東京都