こんなはずじゃなかった!? レジェンド配達員が語るウーバーの光と影

こんなはずじゃなかった!? レジェンド配達員が語るウーバーの光と影

  • WANI BOOKS NewsCrunch
  • 更新日:2021/05/02
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フリーライターの渡辺雅史氏が、配達員として実際に体験した悲哀と憂鬱の実録ドキュメント『アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』。発売を記念して元祖ウーバーイーツ芸人のお笑いコンビ・いぬの太田隆司氏と、笑いあり涙ありの特別対談をお届けします。

配達員はどうしていつも怒られるのか?

渡辺 自分はここ3年数カ月でいろいろと嫌な目にも遭ってきて、それをこの本でも書いているんですけど、太田さんもそういった経験はありますか?

太田 今でこそ、配達パートナーという理解が高まったけど、昔は店に入ってきた野良犬みたいな目で見られましたよね。

渡辺 わかるわ~!

太田 その昔、あるチェーン店で「おはようございます! 商品を取りに来ました」と入っていったら、奥から店長が出てきて「挨拶はどうした!」ってドヤされました(苦笑)。レジの人にはちゃんと挨拶したのに「お前態度が悪いな、二度と来るな!」って。あの店だけは忘れませんね。

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▲怒りたいことは山ほど!

渡辺 あんたの店じゃないだろっ! と言いたいですよね。残念だけど、今でもそういう人は一定数いる。個人店もチェーン店も関係なくて、その人次第。相手が下だと見ると、すぐに偉そうな態度でね。

太田 その逆に、お茶を出してくれるだけでも嬉しくなりますよね。

渡辺 インド料理屋に行くと、ラッシー出してくれません?

太田 そうなんですよ~! 夏なんか、涼しいところで飲んで待てるなんてラッキーだなって。

渡辺 日本人なんか何も(出してくれ)ない。何がおもてなしだ、馬鹿野郎っ!

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▲いきなりのぶち切れにも笑顔

太田 まぁまぁ、落ち着いてください(笑)。僕らの偏見もあるんでしょうから。面倒臭いマンションとかもありますよね。

渡辺 警備員で偉そうな人いる。入館手続きがわからなくてウロウロしていると「何度言えばわかるんだ!」ってね。

太田 配達員は同じに見えちゃうんでしょうね。「僕、初めて来たんですけど……」と言っても通用しない。向こうは向こうで、毎回教えるストレスがあるのかなぁ。

渡辺 おいしい経験なんてほとんどない。

太田 あ、僕は一度だけですけど、女の人が裸にエプロンで出てきたことありますよ。商品が多くて「ひとまず置いてくるから待っててくださ~い♡」なんて言って振り返ったらTバッグが丸見え。マジでビビっちゃいましたよ。帰りの自転車で「誘ってたのかな。行けば良かったかな」とか考えてモンモンとしちゃって。

渡辺 イヤイヤ。やめておきなさい(笑)。奥に怖い人が待っているパターンですよ。

風俗店に牛丼をお届け

渡辺 商品を運んだのに10分間、受取り人が見つからないとキャンセルになるんですが、それも数少ない楽しみの一つですね。「廃棄」という扱いになるので、どう処分してもいいので。

太田 僕はいつも運んでいるラーメン屋さんの「サンラータン」を食べたことがなくて、どんな料理なんだろうって気になっていたんですね。だからキャンセルが出たときは嬉しかったな。仕事が終わるまで大事に持ち歩いて、家で食べたけど、おいしかったです。

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▲おいしい体験を思いだすと笑顔になる太田氏

渡辺 僕は松坂牛のハンバーガーですね。でも、その配達直前にマックを食べちゃったから、同じように家に持ち帰ったんですよ。けど、肉汁がたっぷりすぎてバンズがぐっちゃぐちゃ。1個3500円のバーガーはうまかったけど、できればアツアツを食べたかった。

太田 変わった配達先とかありました? 僕は公園の入り口で待ち合わせをしたことがあります。

渡辺 僕は風俗店のプレイルームですね。受付を通って部屋に入って、女性に膝枕をされている男性に牛丼を手渡したことがあります。

太田 それは最強のカードじゃないですか。いちいち経験が強いなぁ。どんな人だったんですか。

渡辺 いや、そんなに顔まではあまり覚えてないんです。お客さんの顔はあんまり見ないようにしている。

太田 たしかにノーメイクの女性が多いので、失礼にならないようにした方がいいですもんね。あまり目を合わせない配達員がいたとしたら、気を遣っているんだと思って、その気遣いに対するチップをいただけると嬉しいです(笑)。

渡辺 自分は、本を出せたので配達員はちょっと一休みですけど、これからどうしようかなと。

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▲急に冷静になる46歳の渡辺氏

太田 たしかにライバルも増えたし、稼ぎも少なくなりましたよね。

渡辺 緊急事態宣言で酒の提供が禁止になったりしたことで、注文が増える可能性はありますね。コンビニで酒とつまみという注文を受けることも多くなりました。

太田 空いた時間にできるのはたしかに魅力で、劇場の出番の合間に仕事をすることもあるけど、芸人としての本音を言うと早く辞めたいですね。

渡辺 みんなそうなんじゃないですか。一生続く仕事とは思えないし。自分は人生を逆算して、無理なく暮らせる金額を稼げたら辞めるつもりです。この本が売れてくれるといいんですけど、いつになるやら。

太田 いつでもできるからこそ「辞める」と思わない限りずるずると続けてしまう。

渡辺 楽なんですよね。だから、流されてきたとも言える。ここでしか働けない人も多いと思います。

太田 たしかに。居心地がいいのかも。

渡辺 誰からも干渉されないし。もしかすると、みんなにとって自分の居場所なのかもしれない。

太田 危険ですね。よし、決めました。僕は『キングオブコント』の決勝にいったら辞めます!

渡辺 おおっ! 大胆宣言! 楽しみにしてますね!

太田 頑張ります!

渡辺 配達中に顔を合わせることがないよう、お互い頑張りましょうね! 今日は貴重な時間をありがとうございました。

太田 ありがとうございました!

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▲しばらくは配達員として頑張ることを誓うふたり

※編集部より:対談中は出演者・スタッフともにマスクを着用しています。

プロフィール

太田 隆司(おおた りゅうじ)

1987年8月8日生まれ。宮崎県出身。2010年に相方の有馬徹とお笑いコンビ・いぬを結成。ウーバーイーツが日本上陸して間もない時期から配達を続ける、元祖ウーバーイーツ芸人。特技は体を使った大道芸、フリースタイルラップなど。

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▲好評発売中!

【書籍情報】
タイトル:アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記
著:渡辺雅史
発売:2021年4月26日
定価:1,100円
ウーバーイーツ配達員として働く四十路ライターがつむぐ、悲哀と憂鬱の実録ドキュメント。

〈キンマサタカ〉

NewsCrunch広報班

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