キューバからメキシコに亡命、“新たな祖国”のために奮闘するお祭り男アロザレーナに要注意!【WBC】<SLUGGER>

キューバからメキシコに亡命、“新たな祖国”のために奮闘するお祭り男アロザレーナに要注意!【WBC】<SLUGGER>

  • THE DIGEST
  • 更新日:2023/03/19
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3月17日(現地)に行なわれたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝でプエルトリコを5対4で下し、初のベスト4進出を決めたメキシコ。快進撃の原動力となっているのが、外野手のランディ・アロザレーナ(レイズ)だ。ここまでの全5試合で1番・レフトを務め、18打数7安打、打率.471の猛打。プールCのMVPに輝くなど、リードオフマンとして打線の火付け役となっている。塁上でドヤ顔で腕組みするポーズもすっかりおなじみだ。

プエルトリコ戦でも、3出塁(1安打2四球)して7回に同点のホームを踏み、8回には左中間への大飛球をジャンプ一番好捕。4点差をひっくり返す逆転勝ちに大きく貢献した。

過去2年連続で20本塁打&20盗塁をクリアしていることからも分かるように、アロザレーナはパワー&スピードが持ち味のダイナミックな選手だ。そして、大舞台で無類の強さを誇る選手としても知られている。

彼の名が一躍広まったのは、2020年のポストシーズンだった。それまでメジャー出場わずか通算42試合にすぎなかったアロザレーナは、ヤンキースとの地区シリーズ第1戦で、球界屈指の本格派右腕ゲリット・コールからバックスクリーン右側へ本塁打を放った。

この特大弾が、伝説の幕開けとなる。そこから3試合連続本塁打、アストロズとのリーグ優勝決定シリーズでは4本塁打を放って、新人野手では史上初のシリーズMVPに選ばれた。
そして、ドジャースとのワールドシリーズでもアロザレーナの勢いは止まらなかった。第3戦でプレーオフ8号を放って単年の歴代最多タイ記録に並び、翌日にあっさり新記録を樹立。シリーズには敗れたものの、最終的には10本塁打まで記録を伸ばし、レジー・ジャクソンやデレク・ジーター、デビッド・オティーズらと同じ「10月の神」となったのだ。

この短期決戦での圧倒的な勝負強さをWBCでも遺憾なく発揮し、メキシコ代表の「顔」になったアロザレーナだが、実は出身はキューバ。U-16やU-18の代表に選ばれるほどの逸材だったが、19歳だった14年に父が急死した。家族の食い扶持を稼がなければならなくなったアロザレーナは亡命を決意し、翌年決行。真っ暗な夜に、まるでカヤックのような粗末なボートでメキシコ湾へと漕ぎ出すと、サメも泳ぐ危険な海を8時間かけてわたり、ようやくメキシコに上陸。命がけの亡命を成功させた。

その後、メキシカン・リーグでのプレーを経て、16年7月にカーディナルスと契約を交わした。また、愛娘がこの世に生を受けた土地ということもあり、アロザレーナはメキシコに並々ならぬ愛着を持っているようだ。現在、母と妻、子供や兄弟はみなメキシコ在住で、アロザレーナも毎年オフになると決まって「帰省」する。

ワールドシリーズでの大活躍から数ヵ月の21年2月、アロザレーナはインスタグラムを通じて「メキシコの市民権をください。そうすれば、メキシコ代表としてWBCに出場できるのです。私が望むものはそれだけです」と大統領に訴えた。そして、昨年10月になってやっとメキシコの市民権を獲得し、晴れて今回のWBC出場につながったのだ。

プエルトリコ戦での超美技についてアロザレーナは試合後、「オレがこれまでにメジャーで打ったどのホームランよりもいいプレーだった。ワールドシリーズで打ったホームランよりも」と語っている。彼の、今回のWBCへの強い思い入れが伝わってくるコメントだ。

“新たな祖国”を代表して戦う喜びをフィールド上で遺憾なく表現する男は、侍ジャパンにとっても手強い敵となるに違いない。

構成●SLUGGER編集部

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