流水型ダム容認「理解できる」 元相良村長・矢上氏インタビュー

流水型ダム容認「理解できる」 元相良村長・矢上氏インタビュー

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/01/13
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昨年7月の豪雨で氾濫した球磨川流域の治水策について、元相良村長の矢上雅義衆院議員(比例九州)が西日本新聞のインタビューに応じ、蒲島郁夫知事が川辺川への流水型ダムの建設を容認した判断を「理解できる」と評価。環境への負荷をできる限り抑えると同時に、流域住民への丁寧な説明を求めた。 (聞き手=村田直隆)

-蒲島氏のダム建設容認をどう受け止めたか

「私は、川辺川ダムの建設予定地である相良村の村長時代にダムによらない治水を表明し、蒲島氏も同じ立場だった。そもそも特定多目的ダム法に基づく計画は、利水訴訟の国敗訴の確定(2003年)や電源開発の発電事業撤退(07年)によって法的に破綻していた。08年の『白紙撤回』表明は、その後始末をしただけだ」

「未曽有の豪雨災害を受け、行政として何らかの施策を打たざるを得ない。流水型ダムの建設を容認した蒲島氏の苦渋の決断は理解できる。一方、大きく方針転換したことに不信感を抱く流域住民もいる。ダムの具体的な治水効果や環境に及ぼす影響などを丁寧に説明してほしい。住民・団体の意見聴取会で出された意見を県のホームページに掲載するなど、情報公開も必要だ」

-国や県、流域市町村は10年近く「ダムによらない治水」を検討してきたが、効果的な治水策を実施できなかった

「蒲島氏だけの責任ではない。本気で取り組む意思があれば、市町村長が協力して遊水地や引堤の整備を進められたはず。ダムがなくても治水が実現できると示せば、ダムを基本政策とする国に弓を引くことになり、自己規制が働いた」

-国内最大規模の流水型ダムになる方向で、治水効果や環境に与える影響など未知数な部分もある

「環境に優しいとされる流水型ダムでも大なり小なり水質に影響はある。構造を工夫することでダム上流の堆積物を減らし、水質保全ができるかが重要だ」

-環境影響評価(アセスメント)実施も注目される

「すでに実施された特定多目的ダム法に基づく調査結果を生かして、一部手順を省略することも想定される。その場合も、専門家を交えた上で環境アセス法に照らし、必要な調査は丁寧に実施するべきだ」

-川辺川ダム計画の中止は民主党政権時代だった。立憲民主党の立場は

「民主党がダム反対運動に介入して中止に至ったわけではない。立憲民主党としては、地元行政の意向を尊重する」

-災害復旧では鉄道、特にJR肥薩線の先行きが不透明だ

「肥薩線は地域のシンボルで早期復旧が望まれる。自治体が線路などを保有して鉄道会社が運行する『上下分離方式』を導入するにも、沿線市町村の負担が大きすぎる。過疎地の幹線鉄道の災害復旧について、国も一定の責任を持った上下分離方式を考えるべきだ」

西日本新聞

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