
涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
13日、甘粛省武威市の涼州大雲寺。(武威=新華社配信)
【新華社蘭州11月21日】中国甘粛省武威市の涼州大雲寺は20日、2年間の修復保護を終え、一般公開を再開した。
同寺は古代シルクロード上の著名な仏教寺院で、東晋十六国時代に前涼の張天錫(ちょう・てんしゃく)が建立。1600年余りの歴史を持つ。日本の浄土宗の僧、沙門志満は明の洪武16(1383)年に海を渡り同寺に参詣したが、寺の朽ち果てた様子を見て各地で布施を募り、同寺を修復した。この歴史は境内の明代石碑にも記されており、中日友好史の美談となっている。

涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
涼州大雲寺の正門。(資料写真、武威=新華社配信)
武威西夏博物館の任贇(にん・いん)副館長によると、同寺の建築物は地盤の損傷や壁のアルカリ侵食、瓦のひび割れなどの問題を抱えていたことから、同省の文化財部門が2021年11月に修復工事を開始した。一般公開の再開に際しては寺の歴史変遷に関する展示や木製屏風、木製箱馬車などの実物資料の展示を追加した。

涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
涼州大雲寺の古鐘楼。(資料写真、武威=新華社配信)
任氏は、同寺について「古代シルクロードにおける仏教の東伝、中国と西方との交流を見つめてきた重要な文化財だ」と指摘。境内には唐代の銅鐘や歴代の石碑23基、文人雅士が揮毫(きごう)した扁額10幅余りが残されていると説明した。(記者/何問)

涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
涼州大雲寺の扁額。(資料写真、武威=新華社配信)

涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
涼州大雲寺の扁額。(資料写真、武威=新華社配信)

涼州大雲寺、修復終え一般公開 日本とのゆかりも 中国甘粛省
涼州大雲寺境内に立つ明の天啓2(1622)年の「増修大雲寺碑記」。(資料写真、武威=新華社配信)