新型コロナウイルスワクチンはどのように作られているのか?

新型コロナウイルスワクチンはどのように作られているのか?

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/05/03
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アメリカの大手製薬会社ファイザーBioNTechが開発した新型コロナウイルスワクチン(Covid-19ワクチン)「BNT162b2」の接種が急速に進んでいます。そんなファイザー・BioNTech製のCovid-19ワクチンがどのように作られているのかを、ニューヨーク・タイムズが解説しています。

How Pfizer Makes Its Covid-19 Vaccine - The New York Times

https://www.nytimes.com/interactive/2021/health/pfizer-coronavirus-vaccine.html

◆DNAの増幅

ファイザー・BioNTechが生産するCovid-19ワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれるワクチンで、人工的に増幅した「新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を生成するDNA」から転写したmRNAを用いて免疫反応を引き起こしています。

ミズーリ州・チェスターフィールドにあるファイザーの施設には、スパイクタンパク質DNAが含まれたプラスミドと呼ばれる環状のDNAが保管されています。このプラスミドを導入した大腸菌を4日間培養することで、何兆個ものプラスミドのコピーが作成されます。

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4日間の培養完了後、大腸菌を破壊する処理を加えてプラスミドだけを取り出します。その後、取り出されたプラスミドに含まれているスパイクタンパク質DNA塩基配列が、大腸菌によるコピーの前と変化していないかの確認が行われます。

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次に、制限酵素でプラスミドを切断し、環状のプラスミドから線形のスパイクタンパク質DNAを取り出してろ過した後、1リットルのボトルに詰めます。ボトルに詰められたDNAの塩基配列を再び確認したら、マイナス20度を保った状態でマサチューセッツ州・アンドーバーに位置するファイザーの施設とドイツ・マインツに位置するBioNTechの施設へ送付されます。

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なお、1リットルのボトル1本当たり、150万回分のCOVID-19ワクチンが作れるとのことです。

◆mRNAへの転写

アンドーバーの施設では、DNAが入ったボトルを5本ずつ1日かけて解凍し、mRNAへの転写に必要な酵素やmRNAの構成要素と混合して、数時間にわたって転写処理を行っています。

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転写が完了したmRNAは、不要なDNA・酵素・不純物などを除去した後、ワクチンとして加工するために、マイナス20度を保った状態でミシガン州・カラマズーの施設へと送られます。また、塩基配列の確認のためにチェスターフィールドの施設へもサンプルが送られます。

◆ワクチンへの加工

カラマズーの施設では、mRNAを解凍して水と混合した後、人間の細胞に入りやすくするために脂質と混合して、脂質ナノ粒子を生成しています。この脂質ナノ粒子の生成にはマイクロ流体力学を用いた特殊な機器が必要とのこと。

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脂質ナノ粒子の完成後、不純物を除去して滅菌した後、ワクチンをバイアルへ封入する作業が行われます。カラマズーの施設では毎分最大575個のバイアルにワクチンが封入されているとのこと。

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バイアルへの封入完了後、ワクチンをマイナス70度にまで冷却し、チェスターフィールドとアンドーバーの施設で4週間にわたって品質テストが行われます。ファイザーではDNAの生成からワクチンの完成まで60日間のプロセスを実行しており、このうち半分以上の期間が品質テストに費やされているとのことです。

◆変異株への対応

新型コロナウイルスの感染拡大と共に、既存のワクチンが効きにくい変異株の存在が報告されています。ニューヨーク・タイムズによると、ファイザーとBioNTechは変異株に対応する新たなバージョンのワクチンを開発中で、特定の変異株に対して有効なワクチンをまもなく大量生産する可能性があるとのことです。

感染力の強い新型コロナウイルスの英国型変異株がワクチンの有効性を低下させる変異を獲得しつつある - GIGAZINE

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