アクティブ? インデックス? あなたの資産形成を託せる投資信託を選ぶヒント

アクティブ? インデックス? あなたの資産形成を託せる投資信託を選ぶヒント

  • Finasee
  • 更新日:2023/01/25

2022年は、確定拠出年金がより使いやすくなった年でした。拠出(積み立てる)できる期間は長くなりましたし、これまでiDeCoが利用できなかった方も、利用しやすくなりました。

さらに2022年の12月には、非課税期間が5年や20年と期間限定だったNISAの非課税枠が2024年分より恒久化(期間の制限なし)される、という大きな決定がありました。

多くの方にとって、長期にわたって資産形成ができる仕組みが整ってきたと言えます。そこで今回はせっかくのいい制度をより活用させるツール、投資信託(特にアクティブファンド)を見てみたいと思います。

なぜかと言いますと、日本株式・世界株式ともに2019~2021年と3年連続好調な相場が続きましたが、2022年は、相場があまり良くない状況でした。日経平均株価は ▲9.37%、TOPIXは ▲5.05%。外国株式は円安が進んだため、円ベースでは大きなマイナスに感じませんでしたが、先進国株式は ▲19.8%、新興国株式は ▲22.4% (いずれもドルベース)と、大きなマイナスでした。

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出所:先進国株式=MSCI-KOKUSAI インデックス、新興国株式=MSCI エマージング・マーケット・インデックス

相場が良くないと、購入している商品(投資信託)が間違っていないか、配分に問題がないかと不安になりがちなようです。昨年はそのような相談も多かった印象を受けています。最近は、インデックスファンドを選ばれる方が多いので、アクティブファンドについて聞かれることが少なくなっていますが、より長く投資しやすくなった時だからこそアクティブファンドの現状を見ておきたいと思います。

アクティブファンドとは?

アクティブファンドとはどのような商品かと言いますと、「ファンドマネジャーが投資判断に基づいて、ベンチマーク(指数)以上の収益を目指すファンド」と、紹介されていることが多いようです。

ベンチマーク(指数)とは簡単にまとめますと、日経平均株価など、一定のルールに基づいた複数の銘柄の平均値みたいなものです。運用の専門家がその指数の平均を上回ることを目指しているファンドが、アクティブファンドになります。ですから、良さそうなファンドがあると思い、思わず選びたくなる所ですが、実態は違うようです。

日本株ファンドでは約7割、世界株ファンドでは約9割のアクティブファンドが平均以下

投資信託の評価サイト、モーニングスター(https://www.morningstar.co.jp/)のサイトでアクティブファンドの状況を見てみました。日本株ファンドでは約7割、世界株ファンドではなんと約9割が平均以下の成績でした。

私自身、商品数は多くはありませんが、アクティブファンドに多く投資をしているので、この結果は非常に残念に思っておりますが、事実は事実なのでしっかりと向き合ってみたいと思います。

この集計ですが、短期的(過去1年など)で見ても、たまたま良かったという事などを避けるため、10年間の成績で見ています。

日本株メインで10年以上運用されているアクティブファンドは333本ありました。そこで日経平均株価と比較してみることにしました。ただ指数というのは、投資信託のコストなどは考慮されておらずあくまで計算上のものになりますので、日経平均株価に連動する実在するファンド、eMAXIS 日経225インデックスと比較してみます。

eMAXIS 日経225インデックス の10年間のリターンは、13.05%と申し分ない成績となっております。10年以上運用されているアクティブファンド333本に当てはめると、どの順位にいるかと言いますと110位に位置します。真ん中の166位より上位のようです。言い換えると、残りの224本、67.2%のアクティブファンドは、指数より悪い運用結果となっています。

ちなみに1位のファンドは30.47%、最下位のファンドは▲2.20% とまさに天と地ほどの差がついています。

続いて、外国株ファンド、これは先進国に投資しているファンドになります。若干、新興国を含んでいるものや、日本を含んでいるものもございます。ここでも、指数との比較ではなく実在するファンドとして、eMAXIS 先進国株式インデックスと比較します。

eMAXIS 先進国株式インデックスの直近10年間のリターンは、15.02%とこちらも良い成績となっております。10年以上運用されている外国株式アクティブファンドは130本。その中でeMAXIS 先進国株式インデックスの成績を当てはめると、なんと11位。本当にこれが平均に投資しているファンド?というぐらいに、良い順位となっています。悲しいことになんと91.5%のファンドが、指数に負けてしまっています。外国株なので、銘柄だけではなく、どの地域に投資しているかによっても差が出てくるのですが、なかなかの結果となっています。

こちらも、1位と最下位を見ておきましょう。1位のファンドは、10年間のリターンは22.89%、最下位は、▲1.92% と大きな差がついています。

偶然かもしれませんが、日本株、外国株ともに、最下位はテーマ型と言って、『〇〇に関連した企業に投資する』というタイプのアクティブファンドとなっています。テーマ型は時期によって当たり外れが大きく、長期保有に向きにくいとも言えるので、ご注意ください。

シャープレシオで比較するとやや改善

あまりにも悪い成績なので、少し違った比較をしてフォローをしてみます。先ほどアクティブファンドは、「ベンチマーク(指数)以上の収益を目指すファンド」と紹介いたしましたが、実は「決められた運用方針、コンセプトにそって運用するファンド」が、より正しい実態を表していると言えるのではないでしょうか。

例えばローリスク・ローリターンのコンセプトを掲げているアクティブファンドを、日本株に投資しているととはいえ、単純にリターンだけで日経平均などの指数と比べるのは、あまりよろしくないですよね。

ですが、やはりファンドが良いのかを比較するのは大事かと思っております。そこでモノサシにされているのがシャープレシオになります。計算方法は下記の図になるのですが、リターン(収益率)をリスク(標準偏差)で割っています。

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リスクが小さい、もしくはリターンが大きいほど、シャープレシオの数字は大きく・良くなっていきます。この評価でどれだけ効率よくリターンを得られたかを見ることができるので、違う性質のファンドの比較で使われています。

先ほどと同じく、モーニングスターのサイトでシャープレシオを比較してみました。こちらも10年で比較したかったのですが、3年基準で比較してみました。
eMAXIS 先進国株式インデックスはシャープレシオが0.80 。130本のうち27位になりました。外国株のアクティブファンドは、シャープレシオで見た場合、少し良くなりましたが、それでも8割のアクティブファンドが指数に負けています。

日本株では、eMAXIS 日経225インデックスはシャープレシオが0.44 。333本のうち170位です。一方で日本株のアクティブファンドは、ほぼ真ん中と、こちらも少し良くなっています。

とはいえ、TOPIX(東証プライム市場の全銘柄が対象の指数)では135位になり、約6割のアクティブファンドが負けているという、厳しい現実となっています。

しかも、投資信託には償還と言って、運用が終了されることがあります。予定通り満期になって終了となるものもありますし、運用成績が芳しくない・お金が集まらず運用が難しいなどの理由で、途中で終了しているものもあります。特にアクティブファンドの場合、実際は10年未満で終了してしまうものも多いので、長期保有しやすいアクティブファンドというのは非常に少ないと言えます。

ご覧いただいたように玉石混交となっているアクティブファンドですが、良いファンドがあるのも事実ですのでファンドを選ぶ際は、リターンに期待するのか、運用効率を重視するのか、運用スタイルやコンセプトに重点を置くのかなど、しっかりと基準を持つことが大事になってきます。

基準が持てないのでしたらアクティブファンドを選ぶべきではなく、多くのファンドより良い成績なインデックスファンドを選んで頂く方が正解です。インデックスファンド・アクティブファンドに限らず、相場は大きな変動をしていきますので、言葉が表すように、信じて託せるファンドと、資産形成の道を歩んで頂ければと思います。

FPかえる(尾上堅視)

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