名曲「ラブホじゃいや」から8年、MARIN始動!友人の物語+メンヘラ要素の新作

名曲「ラブホじゃいや」から8年、MARIN始動!友人の物語+メンヘラ要素の新作

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2022/01/19
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2000年代の東京ストリートシーンで頭角を現したR&BシンガーのMARIN。2013年に1stアルバム『UNCHAINED』をリリースし、日本のヒップホップ・リスナーたちのフェイバリット・シンガーとして活動してきた。が、アルバム発表以降は主だったリリース作品もなく、アーティストとしては長き沈黙期間が続いていた。そんなMARINが8年ぶりに新曲「Check on me」をリリース。

新作の話はもちろん、ラッパーとして活動し、彼女の私生活におけるパートナーでもあるVIKNとともに営むジュース・バー『Juice Bar Rocket』のこと、また〈MARIN SAKURAI〉名義で映像作品も手がけるクリエイティブな活動についてなど、余すことなく聞いた。

——まず、8年ぶりの新曲リリースおめでとうございます。このタイミングのリリースは、前から計画していた?

MARIN リリース時期に特に深い意味はないんですけど、最近、自分でも映像を撮る仕事を始めて、いろんな人の映像を撮りながら、「なんかシャクだな」と感じていたんです(笑)。自分のMVも撮りたいと思っていたときに、「リリースしたい」と思う曲ができたタイミングが重なったんです。

MARIN – Check on meOfficial (Music Video)

——低音域で訴えかけるように歌う、アトモスフェリックな曲で、「今のMARINさんってこういうテイストなんだ!」と新鮮に感じました。歌詞の内容も、ちょっと複雑な恋愛の様子を歌っていて。

MARIN 「Check on me」は自分の友達のことを歌った曲なんですね。彼女のストーリーにさらにメンヘラ要素を加えて書いたもの。今の時代、恋愛や結婚だけに限らず、好き嫌いだけじゃない、もっと深い感情を持つことが増えていると思うんです。なので、今だから書けた曲かなって感覚はあります。ほかにもいくつか制作した曲はあるんですけど、撮りたいイメージも含めて、発表したいなと思ったのがこの曲でした。

——自分が撮りたい画もセットにして、曲を書き上げていくイメージですか?

MARIN そうですね。今回は曲ができたのが先で、その後にMVのイメージも考えて。やらなきゃいけない仕事を終えて、やっと自分の番が来たって感じです。

——MVはローラースケート場で踊るシーンも印象的。全体的にグレイッシュなトーンも感じて、オトナ感が出てるなと思ったんです。

MARIN 今、一緒に自分がいる環境の中にいる人たちに協力してもらって作り上げていったんです。それこそローラースケート場で働いているKZ CREWっていうローラーダンサーチームのメンバーと知り合って、「何か一緒にやれたらいいね」と話していて、実際にそこで撮影することができました。海辺でパーティをしているシーンもあるんですけど、それも知り合いのDJ DADDY ROCKさんのお友達がやっている海の家を使わせてもらって。

MARIN – Check on me(Dance Video)

——8年ぶりのリリースということで、不安や焦りはありましたか?

MARIN もっと前は、そういう感情もありましたね。2013年にアルバム『UNCHAINED』をリリースして、そこからの数年は焦りがあった。でも、結局8年も経つと逆に不安とかはなくなっちゃって(笑)。そういったものも全部払拭して「やりたいときに、やりたいようにやれたらいいな」と思ってリリースしたんです。でも逆に、みなさんのリアクションがすごくポジティブでびっくりしました。「誰からも反応されないんじゃないかな……」とも思っていたんですけど、「待ってたよ!」という優しい声もたくさんもらえて。

——アルバム『UNCHAINED』リリース後には、Juice Bar Rocket(以下、Rocket)もオープンしています。ジュース・バーをやろうと思ったきっかけは?

MARIN ノリだったんですよね、最初は。何かやってみたいと思っていたときに、「こんな物件が空いてるよ」って教えてもらったことがきっかけで。ジュースというアイデアを持ってきたのはVIKNくんなんです。その頃、彼がBUDDHA BRANDの撮影でNYに行っていて、帰国するなり「ジュース屋やる!」と。ちょうどお店の工事中で、漠然と「カフェを開こう」と言っていた時期だったんですけど、勢いに任せてジュース・バーとして開業することになりました。当時、ニューヨークでもジュース・バーが流行っていたんですよね。

Juice Bar Rocket 北千住

——確かに、ラッパーのジェイダキスとスタイルズ・Pも、地元のブロンクスでジュース店を経営していますもんね。

MARIN でも、実際にやってみたら、そんなに甘くない。最初の3カ月くらいはお友達がご祝儀的にたくさん来てくれたんですけど、それからは全然人も来なくなって。飲食店あるあるなんですけど、初めて来てくれたお客さんをキャッチできないと、2回目の来店につながらないんですよね。開店したメンバーはみんな素人だし、お客さんをつかまえられないままの状態が続いてしまって。それで、お店でイベントを始めるようにしたんです。

Juices for Life With Styles P & Jadakiss

——イベントをスタートしてからは何か変化はありました?

MARIN 変わりましたね。Rocketを目的に来てくれる人が増えた。オープン当時は学芸大学に店舗があったんですけど、歩いているお客さんがポッと来てくれるような店構えじゃなかったんです。螺旋階段で2階に上がらなきゃいけなくて、勇者しか来ないってくらい入りにくい場所だったので(笑)。だから、こちらから目的を提示して、お客さんに来るきっかけや知るきっかけを作っていきました。

——18年に店舗は学芸大学から北千住に移転しますが、北千住はMARINさんの地元でもあるそうですが、なぜ移転の運びに?

MARIN まず、学芸大学の物件は家賃が高かった。プラス維持費もあるし、ひたすらお金を捨てているような気分になっちゃって。しかも物件にはオーナーのような方がいて、経営は私たちでやっていたけど、どんなに実績を積んでも、(お店は)自分たちのものにならない、っていう実情もすごく悔しくて。移転した北千住のお店は、もともと私のお父さんが家具屋をやっていた場所なんですが、大手企業のやり方に個人経営店はついていけず、空いている状態だったんです。そこで私のお母さんが学大のお店に来ては「ウチ(北千住)でやんなさいよ」って言ってくれていたんです。

——身近なところから打診があったんですね。

MARIN 「ママがなんとかするから」と(笑)。そういうやりとりが何回かあり、自分たちの事業にしようと思って移転を決めました。

——その時のモチベーションは?

MARIN 実はお店自体を辞めようかとも考えていたんです。北千住に戻ってくるタイミングで別のことをやろうと思っていて。

——それも飲食関係の仕事ですか?

MARIN ジュース・バーの店舗の隣が母親の美容室なんですね。私のお姉ちゃんも美容師で、おばあちゃんも美容師。だから、いつかは私も美容系の仕事をここでやりたいなと思っていた。実際に、まつげエクステのお店をやろうと思って、3年間、通信で学校に通い国家試験を受けて、2021年の初めに美容師免許を取得しました。

——すごい行動力! 実際にはパートナーのVIKNさんと一緒に店舗経営を継続しています。Rocketでは、今もイベントを精力的に開催していて、DJ MUROやSCARS、漢a.k.a. GAMIといった豪華なアーティストも出演していますよね。一方、昼間はさわやかなジュース・バーそのもの。お店として工夫している点は?

MARIN “夜のイメージ”のお店にしたくなかったんですよね。なので「昼のお店」にする、というのは最初からのテーマだったんです。お店の2階には子どもたちが遊べるようなスペースやリラックスできるソファを置いたり、インテリアも工夫しています。

——最初にも話していた通り、今では映像の仕事もスタートしていらっしゃいますが、そのきっかけについて具体的にお聞きしてもいいですか?

MARIN Rocketがだいぶ落ち着いてきたタイミングで、VIKNくんや私、あと、周りの仲間たちが「音楽をやりたい」という方向に目が向き始めたんです。「今の時代、MVがないと話にならないけど、それを毎回外注してお金を使うのは大変。でも、いっぱい作りたい。どうしたらバランスが取れるんだろう?」って話し合ったんです。もともと楽天FMでラジオをやっていた時期があるんですけど、その時も音声編集はすべて自分でやっていたんですね。なので、「MVを1本取るお金で機材を買ってみない? 私、できそうなんだけど」って提案して(笑)。そこから機材を買ってやり始めたんです。ちょうどその時期は美容師学校も行っていたタイミングだったんですけどね。

SHAKKAZOMBIE – 空を取り戻した日DJ WATARAI REMIX) feat. IGNITION MAN, JON-E

——一度に多くのことを学ぶのはかなり大変だったのでは?

MARIN 全部、自己流なんですよね。お店の経営もそうなんですけど、正解はないんだな、って考えに行きつきました。学校でもいろんな先生が教えてくれるけど、先生もそれぞれのスタイルがあって、みんな言うことが違う。だから、「自分が納得すれば何でもアリじゃん?」って思うようになりました。

——周囲にクリエイティブな人たちがたくさんいるのも、MARINさんらしいなと感じます。先ほども、まつげエクステのサロンの話もありましたし、意欲的に動き続けているところが本当にすごい。

MARIN 映像の仕事も「動画を作ってみたい」という理由じゃなくて、「自分たちでこういう作品を作りたい」という動機が大切なんだと思います。そういう順序で始めているからこそ、続けられるのかなって。

——将来的な展望はありますか?

MARIN お店に関しては、人材育成というのはおこがましいかもしれないけれど、自分たちの経験を引き継いでもらえるような段階に入っているので、今は若いスタッフに働いてもらっているんです。私としては店舗を増やすことも考えていないし、このままずっと飲食店をやりたいわけでもないんですよね。

——あくまで、コミュニティ・スペースを作りたい、ということ?

MARIN はい。来年からもうひとつの事業もスタートする予定で、それは飲食とは無関係。映像の仕事もあるし、美容室もこれから改装する予定です。VIKNくんも別のビジネスを始める予定なんですけど、それらがすべてつながっていて、これからもどんどん輪を広げていけたらと思っています。もちろん、音楽のお仕事もやりたいときにしっかり形にしたいと思っています。

[プロフィール]
MARIN(まりん)
東京都生まれのシンガー・ソングライター。幼少からモダンバレエを始め、高校からはヒップホップダンスに傾倒。2010年よりソロとして活動をスタートし、数多くのヒップホップ作品にフィーチャリングとして参加。13年にはオリジナルアルバム『UNCHAINED』をリリース。現在は北千住にあるジュースバー「Juice Bar Rocket」の経営、映像クリエイトチーム「Coldpressed」の発足、そしてアーティスト活動を再始動させるなど、さまざまな分野で活躍。
Twitter〈@MARIN_singer〉https://twitter.com/MARIN_singer
Instagram〈i_am_marin__〉https://www.instagram.com/i_am_marin__/

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