J1広島、森島司 抜群精度のFKは反復練習の“貯金”

J1広島、森島司 抜群精度のFKは反復練習の“貯金”

  • デイリースポーツ online
  • 更新日:2020/10/16
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10日の清水戦。雨の中、直接FKを決め、笑顔を見せるMF森島(撮影・中野香代)

不遇な時、何をしているか。どんな振る舞いをしているか。人間の価値はそこで決まる。

ビジネスセミナーなどでよく聞く言葉。あまりに正論すぎて、素直にうなずくことがなかなかできない。でもJ1広島のMF森島司のサッカー人生は、この正論を地で行く道程を見せている。

10月10日の清水戦(日本平)。森島はゴールまで約30メートルの距離から直接FKを決めた。圧巻のスピードでグンとホップし、そしてストンと落ちる。解説者が「神コース」とうなった破壊力と精度が伴ったこのゴールは、DAZN週間スーパーゴールにおいて第21節のベストゴールに選出された。

四日市中央工時代から才能に注目されていた森島だが、決してFKの名手だったわけでも、パワフルなキックが持ち味だったわけでもない。彼のストロングに「キック」が加わったのは昨年の春。能力が評価されずベンチメンバーにも入れなかった時期のことだ。

調子はいいと自負していた。しかし、自覚と評価が一致せず、この頃の森島はベンチにも入れなかった。

悔しさの中で迎えた3月31日に行われた大分との練習試合。左サイドからカットインしてゴールを決めた時、彼の意識が変わった。

「俺、シュートを持っているのかな。練習すれば、もっと上手くなれるのかな」

試合に絡まないから時間はある。彼はずっと居残りでシュート練習を続けた。毎日毎日、何本も何十本も。ボールの質を工夫し、様々なシチュエーションも考えて。

反復練習は地味だ。しかし成長は地味なトレーニングから生まれる。先発が遠い目標だった時期に徹底してシュートを打ち続けたことがFKの上達につながり、武器となった。今年の自粛期間中には時に足首が痛くなるまでキックを打ち続けた。

「特に練習してなかったので」

清水戦後の森島は言う。連戦中はそうだったかもしれない。しかし彼には十分、練習の貯金があった。美しいFKゴールは、その貯金の賜物である。

(紫熊倶楽部・中野和也)

◆森島司(もりしま・つかさ)1997年4月25日生まれ。三重県出身。ポジションはMF。背番号10。16年に四日市中央工から広島入団。17年の開幕戦でJリーグ初出場を果たす。19年は24試合に出場し3得点。同年12月には東アジアE-1選手権で日本代表デビュー。東京五輪を目指すU-23日本代表にも名を連ねる。175センチ、66キロ。

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