子どもを絶対に私立小に入れたい妻、反対する夫との間にスキマ風が

子どもを絶対に私立小に入れたい妻、反対する夫との間にスキマ風が

  • 女子SPA!
  • 更新日:2021/02/22

結婚前から子どもの教育について語り合うことは、あまりないだろう。実際に,子どもを持ってみて、自分たちの経済状況や環境を鑑みて決めていくのが一般的ではないだろうか。

ところが、教育に関して、どうしても譲れない一線を持っている女性もいる。話を聞いてみた。

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写真はイメージです(以下同じ)

◆子どもは絶対に私立小学校へ

29歳のとき、友だちの紹介で知り合った3歳年上の男性と1年ほどつきあって結婚を決めたアヤナさん(39歳)。夫は安定した職業に就き、同世代の中では高収入だった。

「子どもができるまで仕事を続けましたが、出産後に退職。私、お母さんとして子どもを育てるのが夢だったんです。だから子育てが落ち着くまでは専業主婦でいたかった。

もちろん、夫も了承してくれました。夫の母親は仕事をもっていて子どものころ寂しかったらしいので、私が専業主婦になりたいと言ったときは、むしろうれしそうでしたね」

最初は女の子、そして2年後に男の子が生まれた。そして長女が3歳になったとき、アヤナさんは当然のように名門私立小学校受験の準備を始めた。

「私、子どもが生まれたら小学校から私立に入れるつもりでした。夫は何も言わなかったし、私にとっては当然のことだったんです。私自身、小学校から私立でしたから。塾の費用はうちの親が出してくれました」

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ある日、塾に通っていることを知った夫は、「何をするつもりなの」と驚いていたという。私立小学校に入るためには、幼いときから塾に入れないとダメだと説明すると、「ちょっと待てよ」と夫は気色(けしき)ばんだ。

「うちの夫は、それまで私がすることに反対したことがなかったんです。恋愛中もやさしかったし、私の望むことは全部、通してくれた。だから結婚後も当然、そうだと思いますよね。ところが子どもの塾に関しては、かなり抵抗しましたね」

◆夫が激怒した後はこっそり塾通い

これが子どものためなのに、なぜ抵抗するのか、アヤナさんにはわからなかった。長女が幼稚園に入ると、塾は2つになった。

「家でも塾の復習をさせていましたね。無理強いはしていません。子どもが興味をもったところを教えていく感じ」

アヤナさんはそう言うが、ある日、勉強のテキスト作りに熱中して、長女が熱を出していることに気づかなかった。

「夫は激怒しました。私も反省しましたけど、何もあんなに怒らなくてもと思っていました。しかもそのころは長男も塾に通い始めていたので、私も忙しかったんですよ。だけど夫は『子どもの健康が第一だろ、塾なんてやめさせろ』ってすごい剣幕(けんまく)で……。

ケンカするのは子どもにとってもよくないので、その場ではわかったと言いながら、こっそり通わせていました」

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子どもの将来を見据えて,小さいころから「いい教育」を受けさせたいと思う妻と、小さな子にそんなことをさせる必要はない、本人が受けたいと思うまで待てという夫。どちらも自分が正しいと思えば譲らないだろう。

特にアヤナさんには、自分が受けた教育と同等、もしくはそれ以上を望む気持ちが強かった。

◆夫との間にすきま風が

長女の小学校受験の面接に、夫は来なかった。ちょうど海外出張が重なってしまったのだ。アヤナさんは夫を拝み倒して、出張中だという証明書をもらった。面接にあたっての書類は,アヤナさんの父が代わりに書いてくれたという。

だが、長女は不合格だった。アヤナさんは、それが夫のせいだと思い込んだ。

「夫のせいで、娘の受験がすべて水の泡。その2年後の長男の受験のときも夫は,息子をそそのかして遊びにつれて行ってしまいました。試験をボイコットしたんです。うちの父などは『小学校は地元でいいじゃないか』と言いましたが、私は夫を許せなかった」

アヤナさんは、「あなたは私を愛していないんでしょ、だからこんな嫌がらせをするんでしょ」と詰め寄った。

落ち着けよ、と夫は言ったそうだ。子どもの人生を親が決めるな、だいたいきみがそんなに学校の名前にこだわるようなタイプだと思っていなかった、それなら結婚前に言ってほしかった、と懇々(こんこん)と“説教”された。

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◆「同じような教育環境で育った人のほうがよかった」

「夫はずっと公立学校なんです。大学も県立だったらしくて。でも私は小学校から私立でとても楽しかったし、同じような環境の友だちがたくさんできた。多様性って言うけど、小さいときは同じような環境の友だちがいたほうがいいと思うんです」

私立にこだわるアヤナさんは、自分の母校を娘に中学受験させるつもりだ。だが、夫はそれをも全面阻止しようとしているらしい。

「今どき、子どもをたくましく育てようと思っている夫は遅れてると思うんですよね。私立に入れて、子どもの才能を伸ばしてやるのが親の務めじゃないでしょうか。夫はそれを放棄していると思うんですよね」

彼女も、そして夫も子どもの教育でこれほど揉めるとは思っていなかったようだ。

「夫からは、きみがそんなに見栄っ張りだと思わなかったとひどいことを言われました。私がどんなに子どもたちのことを考えているかわかってない。ずっと話は平行線だし、最近はほとんど会話もなくなりました」

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夫との間のすきま風をどうにかしたいと思いながらも、彼女は折れる気はない。夫のほうは、もう話し合いをするのも面倒(めんどう)そうだという。

「相手も同じような教育環境で育った人のほうがよかったんだと思います。やさしくていい人だと思ったけど、それだけでは幸せな結婚は続かないのかもしれない」

昔から「釣り合わぬは不縁のもと」という。今の時代でもそれは通用してしまうのだろうか。

―シリーズ「結婚の失敗学~コミュニケーションの失敗」―

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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