
地価 インバウンド増加で土地需要高まる野沢温泉村 古い物件を購入し宿泊施設に【長野】
県は19日、土地取引価格の目安となる基準地価を公表しました。下高井郡野沢温泉村では新型コロナの落ち着きによるインバウンドの増加を見越した取引が活発になっています。
7月1日時点の県内の基準地価は平均で、住宅地が-0.5パーセントと27年連続の下落。商業地は-0.4パーセントで31年連続の下落になりました。市街地と山間部でばらつきはあるものの、下落の幅は前の年に比べて縮小しました。
調査した鑑定士は…。
不動産鑑定士 大井邦弘さん
「商業地に関してはこれからインバウンドが増えることを想定しての投資目的というのが見られます。おととし5月のウッドショック以来(建築費が)ものすごく高騰していますよね。先行き建築費が下がることは見通しづらいので今のうちにという感じで買われているんじゃないか」
商業地のうち、野沢温泉村で最も高かった地点は8.5%上昇しました。スキー場と温泉がコンパクトにまとまっていて外国人観光客の人気を引きつけていることから、古い物件を購入し宿泊施設に生まれ変わらせる傾向が多くなっています。
野沢温泉村の外国人宿泊者数はコロナ禍前の数年間、年間10万人を超えていました。2020年から減少したものの、入国制限が緩和され少しずつ戻ってきています。
この人気を踏まえ、不動産購入者は日本人だけでなく、外国人にも広がっています。
野沢温泉村総務課 江尻丈さん
「活発な取引があるということは、野沢温泉村にそれだけの経済価値があるという目安にもなると思うので、その点は我々も期待したいなとは思っているんですけど、新たな事業者を迎え入れるっていうのは、地域にとっては活性化につながるし、新たな雇用も生まれるメリットはあると思います」
また、住宅地で最も上昇率が高かったのは北佐久郡軽井沢町の別荘地で、首都圏の人による高額取引が増えているということです。