73歳ジャンボ尾崎、今年は戦意喪失 「何のために練習するのか、回答が見えなくなった」

73歳ジャンボ尾崎、今年は戦意喪失 「何のために練習するのか、回答が見えなくなった」

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  • 更新日:2020/09/16
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今の状況について語るジャンボ尾崎|撮影:ALBA

ジャンボ尾崎は、当初出場するものと思われていた2日間大会「ISPS HANDA 医療従事者応援 ジャンボ尾崎記念 チャリティトーナメント」を背筋痛で欠場。それでも、ISPSアンバサダー、そして大会副会長として、14、15日の2日間ともに会場のゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)を訪れ、選手たちのプレーを精力的に見て回った。15日にメディア向けに行われた取材では、今シーズンは試合に出場しない意思を明言。しかもその口から語られた理由は体調面ではなかった。

ジャンボ尾崎はジュニアにも手加減なしの熱血指導【写真】

ジャンボ尾崎は、言わずと知れた前人未踏のツアー通算94勝を挙げた日本ゴルフ界のレジェンド中のレジェンド。ツアー勝利数ランキング2位の青木功は通算51勝、現役最多勝利を挙げている片山晋呉が通算31勝であることからも、いかに飛び抜けた存在だったかが分かる。現在73歳となったが、通算25勝以上の選手に与えられる『永久シード』の権利を持つため、国内男子ツアーのほとんどの試合に出場することができる。

近年は自分の思い入れのある試合を選び、10試合前後でファンにプレーする姿を見せていた。だが持病の座骨神経痛もあって、2013年の「つるやオープン」を最後に予選通過はない。昨年は7試合に出場して、予選2日間を完走したのは2試合。5試合は腰痛を理由に途中棄権していた。

19年シーズンの最後に出場した11月のダンロップフェニックスでは、「スポーツ選手としての体力がないからな。トーナメントを戦うための準備がまったくできていない状態だよ」と弱気が飛び出し、「来年は中日クラウンズ、ANAオープン、ダンロップフェニックスの3試合に絞り、そのための準備を1カ月ぐらいかけて行いたい」と発言。今年の2月1日に行われたジャンボジュニアレッスン会でも「それは確か」と語っていた。

ジャンボは昔から「ゴルフは心技体ではなく、体技心の順なのだ」と言い続けてきた。体力がなければ技術は身に付かないし、技術が充実して初めて勝つための精神が整うという意味だが、シニアツアーには出場せず、レギュラーツアーにこだわってきた背景には、心が締める割合も大きかったはずだ。

新型コロナ感染拡大の影響で出場を予定していた5月の「中日クラウンズ」と9月の「ANAオープン」は中止となった。残すは11月の「ダンロップフェニックス」のみ。ところがジャンボはこの日、「おそらく出場しないだろうね。それなりに1月、2月はトレーニングしたりしていた。気持ちはまだあった。いまはトレーニングも練習も何にもしていない。する気力が沸いてこない。だからこういう状態であと2カ月、おそらく難しい」と吐き出したのだ。

理由は『体』よりも『心』の問題だった。「体調はあまり良くない。良くないといっても普通だけど。こういう状況下のなかで、トレーニングしたり練習したりする意欲が沸かない。ここのところ、運動不足で。運動っていうのは(自宅練習場の)雑草を刈ることだけが運動だね。本当。難しいよな。みんなどうやって体調を維持していっているのか」。出場を予定していた試合が新型コロナで中止となり、現役続行へのモチベーションが低下している。

「昔は試合をやりたくてやりたくて仕方がなかった。少々痛くても、ケガをしていても、試合だけは出ようとする気持ちはあった」というジャンボだったが、これで今年はプロになって初めて試合に出場しないシーズンとなる見通しだ。

来年について聞かれると、「来年といってもな。なんぼになる?」と逆質問。1月で74歳になると聞くと、はぁ〜と深いため息をついてしばらく沈黙。「今回の新型コロナでちょっと…。やろうとする気持ちがどんどんどんどんなくなっている。来年もどうなるかわからない。元通りになるというのは来年では難しいだろ? どうなっていくのか。雑草取りに専念かな」と苦しげに笑う。

練習は「5月からしていない」、ラウンドは「今年は一回もラウンドしていない。ゼロ」だという。自宅の練習場には顔を出すが「(若い選手を)見ているだけ。パターもやってない。アプローチもしない。本当に何のためにアプローチしたりパターをするのか、回答が見えなくなっちゃった」と状況はかなり深刻だ。

それでも、「若い子が一生懸命練習している姿が一番好き。うちにも40数名の生徒がいるんだけど、一生懸命やっている人間が大好き。ちょっと緩んだりしたらカミナリを落とすこともある。そういうことも非常に楽しみな1つだね」と選手の育成には意欲がある。最近ではジャンボ邸の練習場に通う原英莉花、笹生優花、西郷真央が女子ツアーで活躍。自身が試合に出なくても、ジャンボの存在はたびたび話題となっている。

「自分の自慢になることは練習する場所があること。日本にはなかなかない環境がある。それを若い子にぜひ使ってもらいたい。使ってもらって良い練習をして自分が悔いのないように過ごしてもらいたい。それが一番の自分の正直な気持ち」。今後は試合の表舞台ではなく、完全に裏方に回っていくのか。もうプレーする姿を見ることはできないのか。レジェンドの今後の去就に注目が集まる。

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