14歳のあなたへ贈る「世界と繋がれること」を知るための5冊【ミモレ選書】

14歳のあなたへ贈る「世界と繋がれること」を知るための5冊【ミモレ選書】

  • mi-mollet(ミモレ)
  • 更新日:2022/11/25

読書の秋、本屋さんでおなじみの「選書フェア」をミモレ誌上で展開! 編集部員が1つのテーマに絞って厳選、推薦コメントとともに紹介します。

トップバッターは川良編集長。2人の娘さんの母親としての視点から、これからを生きる世代にすすめたい5冊を選んでもらいました。

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私の父と母は無類の本好きで、「娘に読ませたい本」がそれぞれありました。中学生になると、自分の本棚に両親が薦める本が溜まっていって。プレッシャーだった記憶があるので、私はあまり自分の娘に本を薦めないんです。

ただ、本でも漫画でもシナリオでも「何でもいいから読んでほしい」とは思っています。

物語の世界に没入すること、美しい言葉に心震えたり、揺さぶられたりする体験をしてほしいし、何かを読むことで、世界が拓かれ、世界と繋がれることを知っていてほしい。

14歳といえば、心身ともに調子が崩れやすい時期ですし、部活や課題で忙しくて、あるいはおしゃれやメイクなど、他に興味関心が向いていて、以前に比べて本を読まなくなったという子も少なくないのではないでしょうか。

もちろん「読書が大好きな14歳」もいるでしょうし、いてほしいですが、今回はどちらかというと「読書から遠ざかっている14歳」を想像しながら、広い世界と繋がれるようにという想いを込めて選書してみました。

社会の矛盾を乗り越える、そのための言葉を獲得する 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ・著 新潮文庫

14歳の頃の自分は、世界の対立や社会の矛盾を目にしても、それを自分なりに咀嚼し、思いや意見を言語化するのは難しくていつも苛立っていたように思います。

こちらは人種や貧富の差とそれを乗り越えようとする「エンパシー」の今について語る言葉を得られる本。平易な言葉で綴られた同世代の男の子の話なので読みやすいのでは。この記事のために文庫版を新たに購入したら、ときわ書房の書店員さんの「解説」がまた素晴らしかったんです。14歳には、この文庫版をぜひおすすめしたいですね。

気に入ったら、ミモレでも著者インタビューを掲載した『両手にトカレフ』も読んでほしいです。

生きづらいのは、きっと自分だけじゃない 『光の海のガレオン/オルタ』

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『光の海のガレオン/オルタ』木地雅映子・著 ピュアフル文庫

自分が人と違っていて生きづらいと思ったときに、世界にたった一人、私だけ生きづらいと思うのと、そうじゃないと思うのとでは全く意味合いが違いますよね。「ひょっとして親や周りの大人もそうなのかも?」と思えたらラクになることもあります。

この作品に出てくる風変わりな大人たち、子どもたちを見守る庭のナツメの木に心地良く許される、生まれてきたことを肯定してもらえる一冊です。

戦争の悲惨さを伝える名著は、コミック版を 『戦争は女の顔をしていない1〜3』

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『戦争は女の顔をしていない1〜3』小梅けいと・漫画 KADOKAWA

S・アレクシェーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』のコミック版です。第二次世界大戦のときのソ連の従軍女性の証言は、その戦争の是非や敵か味方かも関係なく、戦争の本当の悲惨さを教えてくれます。ウクライナ戦争についての報道を見るときにも、兵士一人一人に生活や夢や家族があることを知っていてほしいし、子どもたちにはそれが奪われる残酷さを想像できる人であってほしいと思います。

生者と死者の出会いが伝える、明日への希望 『ツナグ』

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『ツナグ』辻村深月・著 新潮文庫

10代の頃、身近な同世代を亡くしたことがありました。人の死に直面したのが初めてで、到底受け止められないのに、日常は残酷なくらい変わらずに進んでいくことに、大きく傷ついたのを今でも覚えています。

この小説は「使者(ツナグ)」を通じて、生者と死者が出会う物語。そこはキレイごとだけではないやり取りが含まれているけれど、明日へ進める希望も描かれているのが良いなと思った記憶があります。

記者歴20年の著者による、やさしく学ぶ地政学 『13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海』

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『13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海』田中孝幸・著 東洋経済新報社

ウクライナ戦争を機にさらに注目を浴びるようになった地政学を、小学校高学年〜中学生にも分かる平易な言葉で学べる本です。古い地球儀を挟んだ、謎の「カイゾク」と高校生の兄、中学生の妹との対話を通じて、知っておきたい国際情勢の真実に無理なく触れることができます。

新聞記者として世界40カ国以上で20年間にわたって取材した経験を持つ著者が綴る物語は、大人が読んでも読み応えあり。「経済成長って何?」「なんで戦争は起きるの」借りてきた言葉や表面的な議論でなく、親子ともに自身の言葉で語り合えるきっかけになるかも? そう期待したくなる一冊です。

構成/山崎 恵

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川良 咲子

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