【まるごと記者会見】ノバク・ジョコビッチ 全豪OP決勝後(後編)

【まるごと記者会見】ノバク・ジョコビッチ 全豪OP決勝後(後編)

  • TENNIS DAILY
  • 更新日:2021/02/23
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「全豪オープン」決勝で第4シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を7-5、6-2、6-2のストレートで下し、自身が持つ大会最多優勝記録を9に伸ばしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)。彼の試合後の記者会見の内容は以下の通り。

Q:先程スケジュールのお話がありましたが、家族と離れて過ごしてきたことはどのくらい辛いのでしょう?そのことは原動力になりますか?

「ツアーを回っている時は、当然自分の時間を最大限ツアーに使って、家族から離れている時間を有意義なものにしようと努めている。子どもたちや妻に会わずにこんなに遠くで、こんなに長い時間を過ごす理由として、大きな成功を収めようとしているんだ。

もちろん家族が恋しいよ。子どもたちを見ていて心が引き裂かれる時だってある。テクノロジーのおかげで、FaceTimeとかそういうものを使えば顔は見ることができる。でも彼らの近くにはいなくて、長い間離れ離れでいるのは…。

でも世界にはずっと苦しんでいる人がたくさんいるから、ここに座って不平を言うことはできないね。もちろん僕はとても幸運な人生を送ってきた。家族を恋しく思うのは本当だよ。会えるのが待ち遠しい。

あと、シャンパンは嫌いだよ。誰かがシャンパンについて質問していたよね(笑)」

Q:目標やスケジュールについてのお話がありました。昨年「全豪オープン」で優勝した時は、シーズン末まで無敗でいたいと仰っていましたね。それは今でもあなたの目標ですか?長期的にはラファは間違いなく「全仏オープン」であと1、2回は優勝するだろうと先程イバニセビッチコーチが話していましたが、そうなるとあなたが彼の記録を超えるためにはグランドスラム23度優勝が必要になります。となると、マーガレット・コート(24回)やセレナ・ウイリアムズ(23回)の記録も意識し始めるのでしょうか?

「まず、年間を通して無敗でいるつもりはないよ。それについては考えていない。でも、出場する試合の全てで勝ちたいのは確かだ。これでその質問の答えになっているかな。

僕のスケジュールは、去年ともこれまでのどのシーズンとも違うものに見直す必要がある。理由はさっき説明した通りさ。家族と離れて過ごす時間が僕に影響を及ぼすのは明らかだ。世界中、それにヨーロッパの規定や規則、規制を確認しなければいけない。ツアーに家族を連れていけないというのは僕にとっては大問題なんだ。

グランドスラムの優勝回数については、ラファが“全仏オープン”やそれ以外の大会で優勝しそうだとすると、僕が目指すべきはロジャーの記録、ラファの記録、セレナ、マーガレット…。

いいかい、誰もがそれぞれの道を歩んでいて、歴史にどう名を残すかも人それぞれだ。名前の挙がった選手たちはみんなもう歴史に名を刻んでいる。テニスの世界にとてつもなく大きな足跡を残したんだ。僕は、僕にふさわしい、正真正銘僕だけのやり方で、記録を重ねて更新していこうとしているだけだよ。

グランドスラムでもっと優勝して記録を破ることについて考えているかどうかという話なら、もちろん考えている。当然さ。今日からテニスを引退するまで、僕の関心とエネルギーのほとんどはグランドスラムに向けられることになるだろう。より多くのグランドスラムのトロフィーを獲得するためにね」

Q:3回戦の試合で負傷した後、ここで再び優勝することはどれくらい現実的だと思っていましたか?怪我についてどのくらい心配していたのでしょうか。

「かなり心配だったよ。現実的に考えて、プレーできるようには思えなかった。4回戦の試合が始まる2時間前までわからなかったね。3回戦の試合の後、初めてコートに立ってプレーしたのがその時だったんだ。

その時は大丈夫そうに思えた。痛みは耐えられる程度だった。単に、痛みを感じながらプレーしなければいけないということを受け入れたんだ。もちろん、プロスポーツの世界では選手たちはいつだって痛みを抱えながらプレーする。それはプロスポーツの一部で、スポーツ選手の一部だ。でも、今回のは違った種類の痛みだった。筋肉痛とかそういうものではなく、怪我から来る痛みだ。

この怪我を悪化させてしまう危険があるかもしれないということを認識していたかと聞かれれば、それは認識していたよ。さっきも話した通り、大会で勝ち進むチャンスを得るために怪我や損傷を悪化させる危険をあえて冒す大会があるとすれば、それはグランドスラムの大会だ。

もちろん、自分で(怪我に)対処したわけじゃない。医療班や理学療法士が途方もない仕事をしてくれた。神のご加護のおかげでこの成果を手にすることができて、とても感謝しているよ」

Q:先程のメドベージェフの会見で、長年の間にビッグ3が成し遂げてきたことを受けて、3人をいい意味でサイボーグだと考えているという話がありました。あなたはビッグ3をどのように表現されますか?過去15年以上に渡って達成してきたことや、若い挑戦者たちを撃退し続けるための進化についてはいかがでしょうか?

「テニスの3騎士だね(笑)。

まずダニールのことだけど、彼が閉会式で親切な言葉をかけてくれたことには、本当にいい意味で驚かされたことを言っておかなくちゃならない。あのことについて彼には感謝している。素晴らしい人物で、彼はその理由も示してみせた。とても謙虚で、多くの謙遜と敬意を示していた。彼のことは、コート上でもコート外でも素晴らしいと思っているんだ。コート上では、今日は彼の日ではなかったというだけで、決勝までのプレーは目を見張るものがあった。これから先、彼の更なる活躍を見ることになるのは間違いない。

僕たち3人を他にどう言い表せばいいかはわからないな。たぶん、あまりそういう風に考えていないのかな。ロジャーとラファは僕に刺激を与えてくれる。これは前にも言ったことだけど、もう一度言っておくよ。つまり、彼らがプレーを続ける限り、僕も続ける。(笑顔)

ある意味、これは競争みたいなものなんじゃないかな。誰がより多くプレーするか、そしてたぶん、誰がより多く勝利を挙げるかの競争さ。僕たちはあらゆる面で競争している。でも、これこそが僕たちを僕たちたらしめている理由なんだと思うよ。だって僕たちはお互いを突き動かし、お互いにモチベーションを与え、お互いを限界まで高め合っているんだからね」

Q:あなたの過去12ヶ月を振り返ると、新型コロナウイルスの影響を受け、後々は怪我に苦しみましたが、最終的にはそうしたことを乗り越えて一つの節目を達成しました。このような困難な1年を経て、今の率直な気持ちはどのようなものでしょう?

「1年は始まったばかりだよ、新しいシーズンが始まったところだ。

昨シーズンはあの通り、シーズンの真ん中で6ヶ月間テニスが中断した。幸運なことに、僕はキャリアを通していつもとてもいい形でシーズンを始められていると思う。つまり、9年は“全豪オープン”での優勝でシーズンを始められたわけだからね。それがある意味、そのシーズンの残り期間の僕の調子を左右するんだ。

だからこそ僕はオーストラリアに来るのが大好きで、オーストラリアの夏の大会ではいつも、いいパフォーマンスをするためにいつも以上にモチベーションを感じる。特に“全豪オープン”でね。ここで優勝できたら、その年の僕の航海にとって大きな追い風になるとわかっているから。

今はとても奇妙な時期だ。観客がいたりいなかったりするし、規制があって、隔離もしなければならない。どの国も、どの大会もそれぞれ違う。そのために調整したり、気持ちの面で適応したりするのには、かなりの努力が必要だ。選手にとって簡単なことではない。怪我をする選手がたくさんいたけど、だいたい腹部の怪我だっただろう。(マッテオ・)ベレッティーニ、(グリゴール・)ディミトロフ、それにドミニク・ティームまでも。多くの選手が、最も身体が丈夫と思われているトップ選手も含めて怪我をした。彼らはとても丈夫でいつでも試合に出られるからこそ、他の選手たちと一線を画していると言ってもいい。でも、今回の隔離期間とそれに伴う環境が、間違いなく僕たちの肉体に負担をかけていたんだ。

これから先のシーズンがどんなものになるかはわからない。理想的なものでないのは確かだ。でもそれはどうしようもない。全然プレーしないよりはプレーする方がいいだろうね。特にグランドスラムでは」

Q:あなたに今以上のモチベーションは不要だとは思いますが、あなたは世代間の闘争を楽しんでいるように思います。若い選手を寄せつけないことは、あなたの原動力のようなものなのでしょうか?

「正直に言うと、そんなことはないよ。そこからモチベーションを得てはいない。僕は誰に対しても多くの敬意を抱いているよ、本当に。若い選手でも、年長の選手でも、誰であってもね。最高のレベルでテニスをプレーするために、誰もが困難を経験し、コート内外で厳しい時間を過ごしている。だから、テニスシューズを履いてこのレベルで競い合っている選手なら誰にだって、途方もない敬意を抱いているよ。

でも、もちろん、台頭してきている若い選手たちのテニスは多くの面で素晴らしい。グランドスラムで安定して優勝するようになるのも間もなくだろうというのは、さっきも言った通りだ。

とはいえ、ロジャーとラファと僕は、理由があってまだテニスを続けている。若い選手に譲りたくはないし、若い選手にグランドスラムで優勝させたくない。これはとても明らかなことじゃないかな。そのメッセージを言葉にして伝えるかどうかにかかわらず、僕たちは間違いなくそういう空気を発している。僕は今後もそれは変えないよ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Matt King/Getty Images)

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