代替タンパク質業界をけん引、4人の「ミートレス・マフィア」たち

代替タンパク質業界をけん引、4人の「ミートレス・マフィア」たち

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/04/08
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現在の食肉の消費が持続不可能であるという事実に、世界はすでに気付き始めている。家畜の飼育は大量の水と土地を必要とするだけでなく、自動車以上に大量の温室効果ガスを排出し、気候変動の大きな要因となっている。

例えば、二酸化炭素の86倍も強力だとされる温室効果ガスのメタンガスは、世界全体の排出量のうち70%が、肉用牛が放出するものだという。専門家の中には、気候を巡る破滅的な状況を回避するには、世界の赤身肉の消費量を90%削減する必要があると指摘する人たちもいる。

新技術で問題に対応
だが、幸いなことに動物性タンパク質に代わる持続可能な食品は、次々と開発されている。「代替タンパク質」には植物由来のものと、食品技術によって新たに生み出されたものがある。

活況を呈するこの代替タンパク質業界への昨年第1四半期の投資額は、世界全体で9億3000万ドル(約1030億円)にのぼり、前年の8億2400万ドルからさらに増加した。投資先の大半は米国の企業で、出資者にはビル・ゲイツをはじめ、ケイティ・ペリー、セリーナ・ウィリアムズといった著名人も含まれている。

「ミートレス・マフィア」たち
彼らを「マフィア」と呼んでは、少々語弊があるかもしれない。以下に紹介する4人は、最も素晴らしく、思慮深い人たちだ。ただ、より持続可能な食料システムの実現に向かって道を切り開く彼らは、真の敵に対しては言葉を選ばず、遠慮なくものを言う人たちだ。

・インポッシブル・フーズ/パトリック・ブラウン

インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)のパトリック・ブラウン最高経営責任者(CEO)は、競争相手として気に掛けるのはずばり、「牛肉産業だけ」だと明言する。食肉と競合する製品を作っている人たちは、すべて協力者だという。

同社は大豆レグヘモグロビンのDNAと、遺伝子を組み換えた酵母を使い、ヘム分子を発酵させることに成功した。すでに広く知られるようになった「インポッシブル・バーガー」を2016年に発売。牛肉に近い見た目と香り、味で肉食の人も菜食の人も同様に驚かせた。

・ライアン・ベセンコート/ワイルドアース

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームが2017年に発表した研究結果によると、米国で飼われているペットの犬や猫が消費する肉のために発生する二酸化炭素は、年間およそ6400万トン。

この結果に触発されたのが、大豆のタンパク質を分解し、しょうゆを作り出す麹菌などをベースに、植物由来のペットフードやおやつを生産するバイオテクノロジー企業、ワイルドアース(Wild Earth)の創業者ライアン・ベセンコートだ。

・エベン・ベイヤー/アトラスト・フード

キノコの「菌糸体」を使用する技術で特許を取得したエコベイティブ・デザイン(Ecovative Design)の創業者、エベン・ベイヤーが新たに立ち上げた食品技術のスタートアップ、アトラスト・フード(Atlast Food)は、多様な代替肉製品を開発する。

従来の塊肉に代わる製品で、畜産が環境に与える影響を大幅に低減させることを目指す同社は今年初め、「ミートレス・ベーコン」を発売した。

・リサ・ダイソン/エアプロテイン

代替タンパク質を開発するキヴァーディ(Kiverdi)のリサ・ダイソンCEOは、米航空宇宙局(NASA)が50年以上前、宇宙飛行士用の食品を開発するために取り組んだ技術を基に、水素細菌を利用して空気中の二酸化炭素からタンパク質を生成することに成功。新たに開発した「エアプロテイン(Air Protein)」で、食肉産業に革命を起こそうとしている。

代替タンパク質を手掛けるその他の企業の多くと同様、生産過程で同社が使用する水と土地は、畜産と比べて相当に少ない。さらに、数カ月から数年ではなく、数日で製品をつくることができる。商品化には至っていないが、完成したエアプロテインは80%がタンパク質で、すべての必須アミノ酸とミネラル、ビタミンを含んでいる。

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