アイドル、アニソン、シティポップ...“昭和”で踊る若者たち TikTokでバズる昭和歌謡の系統を徹底分析

アイドル、アニソン、シティポップ...“昭和”で踊る若者たち TikTokでバズる昭和歌謡の系統を徹底分析

  • ラジオ関西
  • 更新日:2022/06/24

2022年2月22日の「猫の日」前後、TikTokでは、あのねのねの往年のヒット曲「ネコニャンニャンニャン」で踊る若者が続出して話題になりました……。若者に支持されるSNS上で今、何がおこっているのでしょうか? TikTokでバズっている昭和歌謡の系統について、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が紹介します。

【音声】TikTokでバズっている昭和歌謡の名曲たち

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TikTokでバズってる昭和歌謡の系統とは?(橋本菜津美がボーカルを務める半熟BLOODでもTikTokで昭和歌謡をカバーしてます)

【中将タカノリ(以下「中将」)】 菜津美ちゃんと言えば、橋本兄妹(兄・橋本大祐と結成しているコントユニット)として話題のTikTokerですが、今、TikTokでは昭和歌謡がすごくバズってますよね。

【橋本菜津美(以下「橋本」)】 たしかにめちゃくちゃバズってます! 原曲がそのままバズってるパターンもあれば、誰かがカバーしたり踊ったりしてバズってるパターンも……。今の歌手は音楽番組で口パクだったり、写真も加工されていたりが普通なので、昔の歌手を見るとクオリティーの高さに感動するんだと思います。

【中将】 たしかにそういうコメントは多いですよね。音楽的にも今の音楽番組はほとんどカラオケだから、昔の豪華な生演奏を聴くと新鮮に感じるのかもしれません。

【中将】 今回はそんな感じでTikTokでウケる昭和歌謡の傾向について分析していきたいと思うんですが、そういえば2月22日の「猫の日」前後、あのねのねの往年のヒット曲「ネコニャンニャンニャン」(1979)がバズってましたね。

【橋本】 「ネコニャンニャンニャン イヌワンワンワン カエルもアヒルもガーガーガー」……バズりましたね! 学生っぽい若い子たちから、ちょっとエッチな感じのお姉さんまで、みんなやってました(笑)。

【中将】 テレビのニュースで話題になっていて、半信半疑でTikTokを見てみたら、ほんとにみんなやってるんですよね。カップルがお揃いの服着て「ネコニャンニャンニャン……」ってやってるのは、正直ちょっと気持ち悪かった……(笑)。

【橋本】 そんなん言ったら、また『5ちゃんねる』で叩かれますよ(笑)。今の10代の子たちにとってはカップルで動画とか投稿するのが普通なんです。別れて”消したい過去”になったらどうするんやろと心配はしちゃいますけど(笑)。

【中将】 愛の墓標ですね(笑)。まぁこの曲はネタ要素のあるコミックソングだから、若者に受け入れられやすかったんでしょうか。

【中将】 さて、“TikTokで人気の昭和歌謡”と言っても、”昭和だからなんでもウケる”わけじゃなく、実際はアイドル、アニメソング、シティポップなど今でも魅力あるジャンルがそれぞれの支持層にウケている感じだと思っています。中でも、世界的な再評価とリンクしてるなって思うのが、泰葉さんの「フライディ・チャイナタウン」(1981)をはじめとするシティポップ人気です。以前、この番組(ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』)でシティポップ特集をしたとき、菜津美ちゃんが「シティポップは”チル”な雰囲気があるから今の若い人にウケる」って言っていたけど、個人的にもまさにその通りなんだと思います。

【橋本】 この曲はTikTokでは踊る系のバズり方じゃなくて、歌う系のバズり方でしたね。最近は男性でも高音域で歌う人が増えているので、泰葉さんのきれいな高音にどこまで近づけるかチャレンジしたいのかな。他のシティポップもサビの高音のロングトーンが決まればかっこいい曲が多いですし。

【中将】 無闇に高音で歌いたがる風潮もどうかと思うんですけどね(笑)。

【橋本】 こらこら、叩かれるって(笑)! まぁ高音はともかく、それ以外にもマネして歌いたくなる要素が多いと思うんですよ。

【中将】 歌詞やサウンド的にもあんまり古びて聴こえないしね。松原みきさんの「真夜中のドア」(1979)も、「フライディ・チャイナタウン」に負けず劣らず流行ってるようですし、大貫妙子さん、吉田美奈子さんも人気ありますね。

【中将】 次はアイドルについて分析したいと思います。ちょっと調べるとピンク・レディー「ペッパー警部」(1976)の振りマネ動画がめちゃくちゃ投稿されていて驚いたんですが、他にもキャンディーズや山口百恵さん、松田聖子さん、中森明菜さんなど1970年代、1980年代のアイドルは幅広く人気あるみたいですね。

【橋本】 ピンク・レディーはTikTokに限らず今でも一定層は歌ったり踊ったりしてますからね。お母さんとかの影響もあるかもしれませんが、お二人のパフォーマンスが今でも新鮮で素晴らしいので自然とマネしたくなる人が多いんじゃないでしょうか。聖子さんや明菜さんも同じ理由だと思います。

【中将】 髪型とか衣装をそっくりそのまま再現してる女の子も多いですよね。

【橋本】 そうなんですよ。聖子ちゃんカットとかにしてなりきる動画はけっこう前から流行ってますね。

【中将】 僕の世代(※現在38歳)以上の人だと「80年代ファッション=ダサい」って思いこんじゃってる人が多いんだけど、若い人たちは先入観がないから全然アリなんですよね。あの頃のファッションが2周、3周まわってようやく再評価されつつあるのかと思うと感慨深いです(笑)。

【橋本】 私の世代(※現在28歳)にとっても80年代ファッションは普通にアリですね。世代にとって受け止め方っていろいろですよね。

【中将】 次はアニソンについて分析しましょう。アニソンでは『うる星やつら』の主題歌で松谷祐子さんが歌った「ラムのラブソング」(1981)が最近バズってたみたいですね。

【橋本】 これはみんなめちゃくちゃ踊ってますね! かわいい曲だし人気も出やすいだろうなと思います。

【中将】 ローカルカンピオーネっていう男性ダンスグループが公開した自作の振り付けがかわいくてバズったみたいですね。若い人たちにとっては『うる星やつら』とか関係なくウケてるのがすごいなと思います。

【橋本】 ローカルカンピオーネさんは私もたまに動画見ますよ。TikTokでバズりそうな振り付けを考えるのがすごくお上手なグループで、タレントから一般の方たちまでみんなマネしてます。

【中将】 かわいい振り付けをして大勢に見てほしいって思う人が多いのかなぁ。

【橋本】 TikTokはアプリの機能で簡単に盛れますからね。ちょっと前だと動き方によっては加工が外れたりしたんですけど、最近は進化がすごくて、すっぴんでもまるでフルメイクかのような修正ができちゃうんです。

そう言えば中将さんは、Twitterとかに写真を投稿する時でも絶対修正しませんよね……。ポリシーなんでしょうか?

【中将】 いや、若い子たちがするのは別にいいと思うんですよ。僕はあんまりしたくないというだけで……。よくおじさんやおばさんで加工しすぎて顔の周りの時空が歪んじゃってる人いるじゃないですか。ああゆうのにはなりたくないな……と。

【橋本】 めちゃくちゃ足長くなってる人とかもいますね(笑)。

【中将】 そうそう(笑)。ああいうのを見てると人様に見せれないような写真なら出さなかったらいいのにと思っちゃうんです。

【中将】 ちょっと脱線しちゃいましたが、「め組のひと」(1983)もTikTokでウケてるみたいですね。原曲はラッツ&スターだけど、どちらかと言うと倖田來未さんが2010年にカバーしたバージョンがウケてる感じです。楽曲としては全然違うけど「ネコ・ニャンニャンニャン」的なネタ的なノリの使われ方なのかなぁ。

【橋本】 私もこの番組を始めるまでは倖田さんの曲だと思っていました。みんな自分の好きなアイドルやアニメのキャラクターの動画と組み合わせて投稿してるんですよ。「私の推しを見て~!」みたいなノリです。TikTokは他のSNSにくらべてまだ著作権の取り締まりが緩いので成立している文化かなと。これはこれで良い面もあるので、いつか法的な整備ができたらいいんですけどね。

【中将】 若い人たちにとっては音楽や動画で自由に遊んで共有できるというのがTikTokの魅力なんですね。法的な整合性を取るのはなかなか難しいかもしれないけど、これによって新旧を問わず数多くの魅力的なコンテンツが発掘されているのは事実なので、なにか解決の道があればいいですよね。

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「中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス」周ロ億風景

(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2022年6月18日放送回より)

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