元ヤクルト投手の安田猛氏死去、73歳 球団史上初V&日本一に貢献

元ヤクルト投手の安田猛氏死去、73歳 球団史上初V&日本一に貢献

  • SANSPO.COM
  • 更新日:2021/02/21

1970年代にヤクルトで左腕エースとして活躍し、通算93勝を挙げた安田猛(やすだ・たけし)氏が死去したことが20日、関係者の話で分かった。73歳。福岡県出身。身長173センチと小柄ながら抜群のコントロールを武器に、78年の球団初となったセ・リーグ優勝、日本一に貢献した。遺族の意向で詳細は公表されていないが、2017年にスキルス胃がんで余命約1年と診断され、闘病していた。

技巧派左腕として1970年代のヤクルト投手陣を支え、人気漫画のキャラクターとしても親しまれた安田さんが、天国へ旅立った。

2019年7月に行われた球団設立50周年を記念した初のOB戦。一回2死から登板して2球を投げ「いかにタイミングを外すかということを考えていた。右脚を上げないで投げたりした」と現役時代を振り返ったのが、公の場での最後の雄姿となった。コロナ禍もあり、遺族の意向でこの日までに死因など詳細は公表されていない。

福岡・小倉高から早大に進み、小坂敏彦(元巨人)、谷沢健一(元中日)、小田義人(故人、元ヤクルト)らと68年秋の東京六大学リーグ優勝に貢献した。大昭和製紙を経て72年にドラフト6位でヤクルトに入団。大学まで速球派だったが、プロでは社会人時代に覚えたスローボールを駆使し主に救援で活躍した。

1年目はリーグ最多の50試合に登板。7勝5敗、防御率2・08の好成績で最優秀防御率に輝き、新人王に選ばれた。73年はリーグ最多の53試合に登板し、再び2・02で最優秀防御率のタイトルを獲得。プロ入りから2年連続で同タイトルを獲得したのは稲尾和久(西鉄)と2人だけだった。同年には7月17日の阪神戦から9月9日の阪神戦まで81イニング連続無四死球のプロ野球記録も樹立した。

先発が増えた75年からは4年連続で2桁勝利をマークし、右腕の松岡弘と左右の両輪として活躍。78年に15勝を挙げ、球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。右膝を痛めた79年以降は低迷し、81年に左膝も痛めて現役を引退。通算成績は358試合に登板して93勝80敗17セーブ、防御率3・26だった。

「ペンギン投法」と呼ばれた回転運動で遠心力を加えた独特のサイドスローを武器に“王貞治キラー”としても名をはせた。直球は平均134、5キロながら、切れのあるボールで全盛期の王貞治(巨人)を通算対戦打率・254(126打数32安打)に抑えた。

いしいひさいちの人気漫画『がんばれ!! タブチくん!!』では、安田さんをモデルにしたヤスダ投手が登場。超スローボールなど「新魔球」の使い手として描かれた。

引退後はヤクルトで投手コーチ、スカウト、スコアラー、編成部長を歴任。09年の退団後、10年から夕刊フジで評論活動を行いながらJR東日本の臨時投手コーチを務め、17年からは母校の小倉高でも指導していた。同秋に監督就任の予定だったが、ステージ4のスキルス胃がんが判明。余命約1年と宣告されながら、東京で抗がん剤治療を受ける合間を縫って同高での指導に尽力した。

闘病を告白した際には、王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)から「安田猛さん 気力で乗り切ってください」と記された激励の色紙を贈られ「気力で絶対に負けない、相手に。そういう気持ちでこれからも頑張ります」と誓っていたが、力尽きた。それでも、名投手の雄姿は人々の心の中で永遠に生き続ける。

1983年のヤクルト入団1年目から計9年間、安田投手コーチに指導を受けた荒木大輔・日本ハム投手コーチ「普段は優しいが練習は厳しく、理論で分からせてくれるコーチだった。教わったのはスライダーとフォークの投げ方、変化球の使い方など投球術の全て。投球以外の技術も持っている人で、打撃やバントなども教えていただいた。私が右肘の手術から復帰した後は、野村克也監督に節目の試合で私の起用を進言してくれたと聞いたことがある。残念でならない」

安田 猛(やすだ・たけし)

1947(昭和22)年4月25日生まれ。福岡県出身。小倉高、早大、大昭和製紙を経て72年ドラフト6位でヤクルト入団。同年に新人王。最優秀防御率2度、75年から4年連続で2桁勝利。通算成績は358試合登板、93勝80敗17セーブ、防御率3・26。81年に引退後はヤクルトの投手コーチ、スコアラー、編成部長などを歴任。現役時代のサイズは173センチ、72キロ。左投げ左打ち。

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リーグ最多の53試合に登板した1973年の雄姿。安田さん(奥)は王貞治との対戦で水を得た魚のように輝いた

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