ソフトウェア開発者の最大の資産は"集中力"、実現するには?

ソフトウェア開発者の最大の資産は"集中力"、実現するには?

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/11/20
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生産性を高める、より良いプロダクトを作る、いいアイディアを探すーーこれらのタスクに不可欠な集中力。しかし、最近では我々を取り巻く環境が"集中"とは逆方向に進んでいるように思える。スマートフォンやデスクトップに向かえばソーシャルの通知が届き、オープンな職場ではパーティションが取り除かれ、在宅勤務では仕事以外のものに囲まれる。集中することがこれまでになく難しくなっている。

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ある個人開発者が個人ブログに掲載した"集中こそ資産"という記事がRedditやHacker Newsなどで話題になっていた。コードの読み書きを幾度となく繰り返すことが仕事の本質であるプログラマーはもちろん、文字や文書の読み書きを重ねることでレポートや企画書を丁寧に作成しなければならないビジネスパースンにも参考になるテーマだ。

「Attention Is My Most Valuable Asset for Productivity as a Software Developer」というブログを投稿したZachary Wade Betz氏("zwbetz")は、米ルイジアナ州のエンジニア企業Geocentでソフトウェア開発者として勤務したあと、現在はフリーランスのエンジニアとして活動している。zwbetz氏は、集中力を「タスクに集中できる最小のメンタルキャパ」とし、突発的ではなく持続性のある生産性を目指していると前置きする。理想とする姿は、解決すべき問題を特定し、その問題について考え、アイデアが自由に出るようにし、出てきたアイデアについて調べたり議論したり、試してみる。

そしてソリューションとして実装してテストし、それをデリバーして保守することだという。多くの場合でこのサイクルを何度も回さなければならないし、そもそもはじめのサイクルで行き詰まって数日かかることもある。ソフトウェア開発に携わったことがある人なら、大いに頷けるのではないか。"集中の濃度"が濃くなれば成果もよくなる。だが問題は、集中してやれない状況にあること。「ごく一部の人は自然に集中できる。だが、そんな人はまれだ。集中力は一種のスキルだ。抱えている問題の種類に関係なく、練習により改善できる」とzwbetz氏。

zwbetz氏は次の7つを心がけているという。

1)体を鍛える(Build physical strength.)
一日8時間以上座っていることは体に良くない。しかも、一時的なものではなくソフトウェア開発者としてキャリアを積んでいこうと考えているのなら、長期的なダメージを考えるべきだ。zwebetz氏はウエイトトレーニングの一種で背中の筋肉を鍛えると言われるデッドリフトをやっているそうだ。

2)作業場所を退屈に、整理整頓する(Make my place of work tidy.)
誰も使っていない寝室で仕事をしているというzwbetz氏、「壁は何も飾っていないし、TVもない。机、椅子、ノートPC、ノートPCスタンド、キーボード、マウス、マウスパッドがあるだけ」という。

3)"スマート"フォンをスマートではなくバカに(Make my smart phone dumb.)
スマートフォンの通知は全て無効にし、電話とテキストメッセージのみを受け取ることができるようにしているそうだ。zwebetz氏はソーシャルメディアのアカウントも無効にしたというが、アカウントがあっても通知をオフにするだけでチェックしなければという義務感から解放されるとアドバイスしている。

4)デスクトップをシンプルに(Be an OS minimalist.)
自身を"OSミニマリスト"と形容するzwebetz氏、PCのドックには日常使うファイルシステム管理、ブラウザ、ターミナル、フロントエンドのコードとノートに使うテキストエディタ、バックエンドのコードのためのIDE、データベース向けIDE、バージョン管理、メールクライアント、IMクライアントだけだという。作業中のファイルをデスクトップに置き、作業が終了すると機密フォルダに移行させるそうだ。

5)ブラウザブックマークの管理(Organize my browser bookmarks.)
後でもう一度読みたいようなWebコンテンツはアーカイブフォルダにファイルする。特定の分野ごとに分類できるものは分類するのがzwbetz氏のやり方だという。

6)ミーティングは最小限に(Minimize meetings.)
対面で、あるいは直接話をする必要がある時もある。だが、そうではないときはわざわざミーティングをする必要はないとzwbetz氏は記している。

7)アイゼンハワー・マトリクス(use the The Eisenhower Method to categorize my tasks.)
元米国大統領のアイゼンハワー氏が考案した優先順位付の手法をzwbetz氏は活用している。この手法は緊急度と重要度をそれぞれ高・低に分け、4つのマトリクスを作る。

身体を鍛える以外はいずれもSimpe is Best(単純が最良)を地で行く方法だ。アイゼンハワー・マトリクスも氾濫する無数の業務をシンプルに区分する方法。優先順位が最も高いものは、緊急度と重要度の両方が「高」と分類。重要だが緊急度は低いものは時間がかかる作業で、バグの修正や機能の実装、コードの管理性改善などがこれにあたる。重要度は低いが緊急度が高いものは、「やっかい」とzwbetz氏。リターンはそれほどではないが、すぐに対応しなければならないもので、例として「おしゃべりが多すぎるミーティング」「しっかり調べずに送ってくる質問」などを挙げている。

この投稿に対し、Hacker Newsのスレッドでは「楽器を弾いて静かな時間を使っている」「紙で読むようにしている」など、集中力アップのための独自のやり方を伝授するもの、エクササイズとしてファーマーズウォークがいいなどという助言も出ている。

長岡弥太郎

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