
山陰中央テレビ
牛舎で飼育されている牛に、ストレスを与える厄介者の「カラス」を、レーザー光線を使って撃退する装置が開発され、浜田市の牧場で公開されました。
牛舎の柱に設置された監視カメラのような装置。
レーザー光線を照射し、牛舎に飛来するカラスを追い払う「カラス撃退レーザー」です。
出雲市の山陰パナソニックが開発し、実証実験が行われた浜田市の牧場で見学会が開かれました。
この牧場では、乳牛約800頭を飼育。
年間約1万トンの牛乳を出荷していますが、牛舎に侵入したカラスが牛の乳房や首などをついばんだことで、牛が傷つき、死に至る被害もあったということです。
そこで、カラスから牛を守り、牛のストレスを軽減するため「カラス撃退レーザー」の実験に協力しました。
松永牧場・松永和平代表取締役:
「出産時とか、牛が動けないので、血まみれになった牛もいますからね」
これまでにも牧場では、カラスを撃退するため、CDのディスクで光を反射させ威嚇したり、カラスが嫌がる音を出したりする対策を取ってきましたが、次第にカラスが慣れ、効果が上がらなくなっていました。
新しい撃退装置はカラスが嫌がる緑色のレーザー光線を5分おきに照射し、カラスを追い払います。
2023年5月から3か月間行われた実証実験では、レーザーを照射しないときにもカラスの飛来が減少し、撃退の効果が持続していることを確認できたということです。
島根県西部農林振興センター・角 華苗獣医師:
「カラスの対策には苦慮されていたので、新技術が開発されて、すばらしいなと思いました」
レーザーによる撃退装置は、この牧場に10月、15台が導入されるほか、島根・鳥取など6つの県の牛舎でも導入が進んでいるということです。