
中国の検索大手百度(Baidu)の研究者が、画像認識でネコを把握してドアを開け閉めできるキャットハウスを開発しました。スマートキャットハウスのおかげで多くのネコが冬の寒さをしのいで生き延びられるそうです。
百度
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Baiduの女性エンジニアのワン・シーさんは大のネコ好きで、野良猫を見つけてはポケットに常備しているエサを与えていましたが、冬の寒さをしのげない多くのネコが餓死している事実を知りました。中国では4000万匹のネコが飼い主のいない野良猫ですが、氷点下を下回る厳しい冬を迎える地方も多く、冬を越して生き延びるネコは全体の40%だという統計もあるそうです。

そこでシーさんは、画像認識によってネコを判断でき、ネコの侵入だけを許すスマートキャットハウスを開発することにしました。画像認識などに必要なAI技術については、Baiduが開発するディープラーニングモデル「Easyid」を活用しているとのこと。

スマートキャットハウスは入口のカメラでネコだと確認するとドアが開く仕組みです。すでに174種類のネコを見分けることが可能で、野良犬などの外敵の侵入を防ぎます。さらに首輪などのタグを認識することで、去勢されているかどうかまで判断できるとのこと。

室内はネコが快適に過ごせるように27℃に保たれており、空気清浄機能も搭載します。

スマートフォンによってネコがスマートキャットハウスに入ったことは通知され、ネコを保護するボランティアの人がエサを与えられるようになります。さらに、画像認識を駆使することでネコが病気を患っているかどうかも自動判別できるため、ボランティアがネコを保護するのに必要な処置を適切に採れるようにサポートするのだとのこと。

すでにスマートキャットハウスは試験的に設置されており、野良猫が冬の寒さをしのぐ手伝いをしているそうです。
