羽生結弦、五輪連覇へ...“不屈の精神力”を見くびるな!

羽生結弦、五輪連覇へ...“不屈の精神力”を見くびるな!

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  • 更新日:2018/02/15
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66年ぶりの五輪連覇を狙う羽生結弦(写真・Getty images)

平昌五輪のフィギュアスケート・男子シングルで、日本のみならず世界で一番注目されているスケーターは羽生結弦だろう。66年ぶりとなるフィギュアスケート・男子シングルの五輪連覇をかけて平昌五輪に臨むソチ五輪王者にとって、平昌五輪はケガからの復帰戦となる。羽生はNHK杯(昨年11月)開幕前日の公式練習で、今季から取り入れた大技・4回転ルッツを跳んだ際に転倒し、右足首を痛めた。それ以降試合には出ず、治療と五輪の個人戦への準備に集中してきた。

【写真】まるで王子様?蜷川実花が撮った羽生結弦

普通に考えれば、ロシア杯以来およそ4カ月ぶりの実戦が平昌五輪本番となることには不安もある。ただし忘れてはならないことは、羽生は普通の選手ではないことだ。東日本大震災で練習拠点を失い、アイスショーに出演することで練習場所を見いだした羽生は、ソチ五輪で金メダリストとなってからも、さまざまな困難を乗り越えてきた。2014―15シーズンには、中国杯で他の選手と衝突し負傷するもGPファイナルで優勝。その後も尿膜管遺残症、右足首捻挫を乗り越え世界選手権で銀メダルを獲得している。さらに、2015―16シーズンは、右足甲を痛めた状態で臨んだ世界選手権で2位になった。

「たくさんの人々に自分のスケートを見てもらえるんだな、という気持ちでいっぱいです。それがプレッシャーという言葉にもなるのかもしれないですけれども、僕にとってはやっぱり久しぶりに試合で滑ることができるので、むしろその力を精いっぱい受け止めたい」

ショートプログラムを3日後に控えた2月13日。本番で滑るリンクでの練習を終えた後、会見に臨んだ羽生は、重圧よりも試合に出られる喜びを感じている様子だった。練習で2種類の4回転(トゥループ・サルコウ)も跳んでおり、総合力で優れる羽生は2種類の4回転を確実に跳べば頂点に立つこともできるはずだ。課題があるとすればスタミナ面かもしれないが、ブライアン・オーサーコーチがメディアに語ったところによれば、スタミナに集中したトレーニングも積んできている。羽生は会見で「もうこれ以上ないことをしてきたので、何も不安要素はない」と言い切った。ディフェンディングチャンピオン・羽生の華麗な復活劇を期待したい。

昨季世界選手権で羽生に続く2位となった宇野昌磨は、団体戦のショートプログラムで好スタートを切っている。金メダル候補であるネイサン・チェン(アメリカ)ら有力選手が次々と転倒するなか、着氷が乱れた冒頭の4回転フリップ以外のジャンプすべて(後半に跳ぶ4回転トゥループ―3回転トゥループ・トリプルアクセル)を加点がつく出来栄えで決めた。唯一100点台の得点だった。練習では安定している4回転トゥループの試合での不調に悩んできた宇野にとって、五輪のリンクで練習通りの演技ができたのは、個人戦に向けて収穫だといえる。

一方、団体戦では不調だったチェン、ミハイル・コリヤダ(ロシア)らも個人戦に向けて調整し直してくることが予想される。また、団体戦には出場していないハビエル・フェルナンデス(スペイン)、ボーヤン・ジン(中国)も高得点を出す力を持つ。4回転ジャンプを多数投入する過酷な闘いが予想されるが、その中でミスをせず、演技全体の質をどれだけ高められるかが勝敗の決め手となるだろう。スケーターがそれぞれの持ち味を出し切る、五輪の舞台にふさわしい戦いが期待される。(文・沢田聡子)

●プロフィール

沢田聡子

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

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