子どもの金融教育、最高の教材は「親が楽しむ姿」

子どもの金融教育、最高の教材は「親が楽しむ姿」

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/11/08
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親の言葉遣いや何気ないクセを、気がついたら子どもが真似していた……というのは、子を持つ親なら一度は経験したことがあるのではないだろうか。子どもは親が思っている以上に親のことを見ているし、それによって受ける影響は親の想像を遥かに上回る。

自分の人生にとって、何のためにお金が必要なのか。根本的なテーマについて子どもに考えてもらう方法について考えていた時、「本当によい教材」に気付かされる出来事が起きたので共有したい。

親が子供に与える影響は大きい

親が子供に与える影響は、大人が想像する以上のものである。このことはまず、親がしっかりと認識しておかなければいけない。

たとえば、筆者は子どもの頃、虫がとても好きだった。近所の原っぱで虫を捕まえては、家に帰って図鑑を熟読しながら研究をしていた。そのおかげか、幼稚園や小学校では「虫博士」と呼ばれていた。

ある日、家で1人で遊んでいると、母親の叫び声が聞こえた。母親の元へ駆け寄ると、どうやらベランダから取り込んだ布団に蛾がついていたようで、部屋の中を飛び回っていた。それまでは蝶々も蛾もキレイだなと思っていたが、母親の叫び声が衝撃的過ぎて、それ以来、私は蝶や蛾が苦手になってしまった。

これは1つの例に過ぎないが、親のふとした日常の行動が、子どもには将来にわたって影響を与えてしまうということもある。子どもの前だからといって、変に意識をする必要はないが、その言動が子に与える影響については認識は持っておいた方がいい。

「お金のこと」も子どもはよく見ている

日本においては、家庭でお金の話をすることはタブー視されている節がある。タブーとまではいかなくとも、どうも話しにくいという感覚はほとんどの家庭であることだろう。実際、いくつかアンケートを取ってみたところ、性の話題と同等のレベルでお金の話は話しにくいという結果になった。

しかし、親がお金について何も話をしなくても、子どもはお金のこともしっかりと理解しているのだ。シングルマザーの取材をしていた時のことだ。子どもも連れていきたいということだったので、その場に子どもも同席していた。

長い時間付き合わせてしまったため、取材帰りにお菓子売り場に寄り、「好きなものを買っていいよ」と言ったが、その子は100円もしない小さいお菓子を選んだ。不思議に思って、もう一度、好きなものを選んでいいと言っても、それでいいと言う。

その理由を聞くと、普段から高いお菓子は買わないようにしているというのだ。家ではお金の話はしないけれど、学校で友達と話をしたり、友達の家に遊びに行ったりすると、自分の家の経済水準がどれぐらいなのかはだいたい想像がつくという。

何もしなくても、子どもはしっかりと「お金」のことを見ている。そうであればなおさら、親は子供たちに、適切にお金のことを教えていくべきなのではないだろうか。

「親が楽しんでいる姿」を見せるべし

それでは、「適切にお金のことを教える」とはどういうことか。それは、お金を汚いものや、ずるいもの、危ないものというような、間違った認識を持たせないことである。そしてなにより、ある程度のお金を持つことは人生の質の向上につながるということも教えるべきだろう。

筆者は釣りが趣味なのだが、釣りの前日は部屋でその準備をする。子ども達は興味津々で道具を見に来るが、釣りをするわけではないので、釣り具のことは分からない。だが、ルアー(疑似餌)などキラキラしたものなどがあると、宝物に見えるのだろう。

釣り当日、筆者は釣れた魚を持って帰り、調理し、その夜の食卓に並べる。子ども達から見ると、釣りの前日から当日の夜までの筆者はとても楽しそうに見えるそうだ。

その楽しげな姿を見て、自分たちも欲しいものを買って、好きなことに夢中になりたいと思うようなのだが、「そのためにはお金が必要」「親は仕事をしているから、お小遣いだけの自分たちよりも買いたいものが買える」と認識しているようだ。

「なんでお父さんは好きなものを買えるの?」と子ども達が聞いてくるので、「一生懸命お仕事をするから、お金がもらえて、そのお金でみんなのご飯代や学費を払う。それでもお金が余ったら、将来の為に貯めたり、好きなものを買ったりするんだよ」と伝える。こうした何気ない会話の中で、子供たちはエッセンスを理解していくのだ。

お金は人生の質を向上させる。そのために労働する。少なくとも、現時点では子ども達が適切にお金というものを理解しているように感じる。

方法論を学ぶより大事なこと

さて、これまで3つのストーリーを共有した。子どもは想像以上に大人の影響を受けるということ。子どもはお金のことを認識して理解しているということ。そして、大人が楽しむ姿を見せることで、お金を持つことにポジティブな印象をもたせるということ。

これらの要素があれば、何も教えなくても子どもは自然とお金について学んでいく。つまり、誰にでも金融教育は出来る。ただそこで、お金についてネガティブな認識を植え付けないようには注意が必要だ(筆者の蛾の経験のように)。

金融教育において、簡易な言葉で、お金の概念論や経済学、ファイナンスを学ばせる方法論はある。しかし、その前にお金に対する正しい認識を持たせないと、そもそも何のためにお金について学んでいくのか、その目的がぼやけたままになってしまう。

そのお金への正しい認識を持たせるのは、なによりもまず、親が日常生活の中で学ばせていくしかない。今回の話を読んだら、ぜひ、ご家庭で早速子供に声をかけてみて欲しい。

【連載】0歳からの「お金の話」
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