2018年、世界に先駆け実用放送開始予定!8Kテレビの普及に向けた期待と課題

2018年、世界に先駆け実用放送開始予定!8Kテレビの普及に向けた期待と課題

  • @DIME
  • 更新日:2017/10/13

■連載/折原一也のAudio&Visual最前線

次世代のテレビ、8Kテレビが2020年の東京五輪に向けて着々と準備が進められている。4Kテレビも普及途上にあるなか、8Kテレビのハードウェアだけでなく、放送・コンテンツ制作体制の準備と、8K普及の見通しはどうなっているのだろうか?

●シャープが送り出す世界初の8Kテレビ「AQUOS 8K LC-70X500」

シャープが8月31日、世界初の8K解像度パネルを搭載した8K液晶テレビとして「AQUOS 8K LC-70X500」を発表、12月1日よりオープンプライス(約100万円)で発売される。今、薄型テレビの4K化が進むなかで、日本のシャープが8Kの民生向け製品で一歩先行した形となった。

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シャープの世界初の8K解像度パネルを搭載した8K液晶テレビとして「AQUOS 8K LC-70X500」を発表

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トークショーに登壇したアスキーの末岡氏、SKE48の松村香織さん、シャープで8Kを担当する高吉氏、高倉氏

なぜ、シャープの8Kテレビ「AQUOS 8K LC-70X500」が今、登場することになったのだろうか。

家電、放送、そしてハリウッド映画までを見渡しても4Kの撮影・放送システムの普及が始まった段階だが、その一歩先とも呼べる「8K」が早くも語られ始めているのは、NHKの進めていたスーパーハイビジョンの高精細・高度化の枠組み、そして2020年の東京五輪を8Kで放送という具体的なスケジュールがすでに決定しているためだ。

目下、2018年12月に既存の衛星と新たな衛星による新電波それぞれで8K/4K放送が開局するなかで、NHKによる「NHK SHV 8K」のみが実用8K放送として放送がスタート。8Kは遠い未来と思いがちだが、来年にはお茶の間のテレビに8K実用放送が届けられることになる。

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2018年より8K実用放送が開始予定

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シャープの8Kテレビ「AQUOS 8K LC-70X500」の登場は、来年に迫った8K実用開始を受けた形になるが、8K放送が本当に普及するのかは、現実味を持って語られていない段階というのが実際だ。

4Kの開始については海外でも衛星放送や導入が始まり、また規格の制約がなく足の速いIP放送では普及も始まった。だが、8Kとなるとハードルは相当高い。海外の家電ショー、放送機器展を見ても「8K」という言葉が踊るのは、シャープやプロフェッショナル用機材を開発する日本の一部出展のみで、海外では追随の動きはない。

シャープが業務用8Kモニターを販売できたのも、8K推進の当事者であるNHKが番組制作で利用したり、全国NHK放送局のパブリックビューイングで利用する需要があったためだ。

それを一気に「AQUOS 8K LC-70X500」という形で、一般のユーザーでも購入できる民生品として落とし込むことができたのだから、シャープの8Kへの本気度は並々ならぬものがある。

●NHK以外も8K番組制作をトライアル。放送に求められるフィクションの世界へ

シャープが今回、8K対応液晶テレビ「LC-70X500」の発売を記念したトークショーで上映したのは、映像制作会社のロボットにより2016年に8Kで制作された実写ドラマ『LUNA』だ。

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ロボットの諸石氏と『LUNA』監督の池田氏

現在制作が行われているコンテンツはNHKが試験的に制作している自然の美しい映像、お祭りのように躍動感といったスーパーリアルな世界で、8K放送が普及していくなかでは、通常のテレビ番組も8Kで制作される時代が訪れるのは当然のこと。映像制作のポストプロダクションを担当するイマジカが、渋谷に8K編集が可能なスタジオを開設したことも制作に繋がった。

制作はソニーの8Kカメラ「F65」と、ハイスピード撮影が可能な4Kカメラ「Phantom Flex」の組み合わせで、CG合成といった処理も8K解像度で行わている。

実際に「AQUOS 8K LC-70X500」で視聴した『LUNA』の映像は、天文に憧れる男子高校生と不思議な少女との出逢いから始まる幻想的なストーリー。映画のようなソフトフォーカスの撮影と共に、リアルな作りを越えた空気感と映像美を持った作品だった。8K解像度制作となると画面の臨場感と共に、物語の世界へグッと引き込まれる映像表現でも、もはや高みに到達していることを確認できよう。

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8K映像で上映されたドラマ『LUNA』

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最後に改めてシャープの「AQUOS 8K LC-70X500」の仕様を見ていくと、8Kパネルを搭載しているが実は2018年にスタートする8K実用放送のチューナーは搭載していないため、現時点では現行の地デジや外部入力の映像のみしか視聴できない。8K放送チューナーは放送開始には登場する予定だが、さまざまな面で8Kは途上段階の段階。

世界で最も早く始まる2018年の8K実用放送開始、そして2020年の東京五輪に向けて、急ピッチで8Kへの準備が進められているのだ。

取材・文/折原 一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。オーディオ・ビジュアルをメインフィールドとし、デジタル機器全般の製品記事を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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