AWS re:Inventが開幕 - チップからクラウドまで開発するメリットとパワーをアピール

AWS re:Inventが開幕 - チップからクラウドまで開発するメリットとパワーをアピール

  • マイナビニュース
  • 更新日:2016/12/01

Amazon Web Servicesは11月28日より、年次イベント「AWS: re:Invent 2016」をスタートした。ナイトライブ基調講演に登壇したAmazon Web ServicesアーキテクトのJames Hamilton氏は、集積回路から、ネットワークデバイス、サーバ、ストレージデバイス、各種クラウドサービスまで開発する同社の姿勢とそのメリットをアピールした。

世界がAWSを使う - 実際の形で毎日起こっていること

世界最大規模のホスティングカンパニーとなったAmazon Web Services。大規模なデータセンターを世界中の主要な地域に配置し、それぞれを高速ネットワークで相互接続し、サービスに必要になるプロセッサパワー、ストレージパワー、コネクションパワー、リライアビリティをリアルタイムで提供する。クラウドプラットフォームの利用を検討する際、AWSが検討候補から外れることはまずない。

成長を続けるAWSが提供するサービスは世界中の企業が必要とするパワーリソースをすべてまかなうかのように成長を続けている。Hamilton氏はAmazon Web Servicesの提供するサービスについて、「実際の形で、毎日起こっていることだ」と語った。

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「世界がAWSを使う。それは、実際の形で毎日起こっていることだ」と語るAmazon Web ServicesアーキテクトのJames Hamilton氏

世界中のハードウェアに投資

続いて、Hamilton氏は同社がハードウェアに投資していることをアピールした。クラウドサービスはオンデマンドでサービスを提供するため、ハードウェアの故障でサービスを停止するといったことが許されない。また、世界中のネットワークに対して遅延なくサービスを提供する必要がある。

Amazon Web Servicesは世界中の主要な地域にデータセンターを持っている。同社は、機材の性能を図るなど、データセンターへの投資を続けている。つまり、高いパワーリソースを持ったハードウェアをバックエンドに持つことで、クライアントが求めるパワーに対応しているわけだ。また、同社のデータセンターは、中国を除いてそれぞれのポイントが重複した100GbEのネットワークリンクが確立されている。

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世界中の主要地域に設置されているAWSのデータセンター

開発はシリコンチップから、サーバ、ストレージ、クラウドまで縦統合

さらに、同社はハードウェアの開発まで独自で行っている。ラックサイズのまま高いキャパシティを実現するストレージシステム、熱効率が高く故障率の低いラックマウントサーバの開発が行われている。

最近は、プロセッサやメモリ、ストレージといったデバイスのコストとネットワークのコストの比率が変わりつつあり、ネットワーク側のデバイスにかかるコストが高くなっている。そこで、同社はより効率の高いネットワークデバイスを開発することで、このコストを抑えているのだ。

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AWSが独自で開発したネットワークスイッチデバイス

プロトコルデベロップメントチームが開発したネットワークスイッチには、Broadcomの高密度128ポート25GbE Tomahawkイーサネットスイッチチップが搭載されている。同社がカスタムネットワークスイッチの開発を始めた時、業界では40GbEのほうがメジャーだったが、同社のエンジニアは25GbEのほうが同社の要求を高いレベルで満たすことができると判断し、Broadcom Tomahawkを採用したデバイスを開発したとしている。このBCMチップはほかのメーカーも利用しており、そこからのエコシステム効果も期待できるとのことだ。

そして、もう1つ注目すべきは、Annapurna ASICベースのカスタムチップに言及があったことだろう。同社は2015年に集積回路メーカーであるAnnapurna Labsを買収しており、Annapurnaチップの採用を進め、ネットワークデバイスのコストメリットを高めていくと思われる。

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AWSが独自で開発したシリコンチップ

すべてを開発することが大切

Hamilton氏は発表の中で、「すべてを開発することが重要」といった旨の発言を繰り返した。同社は集積回路に始まり、ネットワークデバイス、ラックマウントサーバ、ストレージデバイス、クラウドサービスまで開発している。このように縦に統合された開発を行うことがコストメリットを生み出すとともに、クライアントの求めるリソースを提供できると考えているようだ。

競合のベンダーと比較すると、この取り組みは興味深い。どのベンダーも得意とする分野を持っており、その分野を中心にほかの分野を補完する形で大規模なクラウドサービスを提供している。対するAWSはハードウェアからサービスまで投資を行い、開発を進めているように見える。このように、特定の分野に特化することなく、ハードウェアも含めて全体で効率化を図る取り組みは、他のベンダーも行っているが、AWSが一歩進んでいるかもしれない。

クラウドサービスは銀の弾丸ではない。初期投資と準備期間を最小限に抑えた形で、迅速にサービスの提供を開始できるという強みがある反面、リソースやコスト管理を怠れば必要経費は膨れ上がる。また、クラウドサービスは万能ではない。ベアメタルで実現できる性能がクラウドサービスでは実現できないなど、できないことも把握しておくことが、クラウドサービスを利用する場合に重要となる。

AWSはクライアントの要求に対し、クラウドサービスに求められる多くを提供しているように見える。特に、高いスケーラビリティは注目に値する。今年のAWS re:Invent 2016の会場は昨年よりも多くの参加者で埋まってしまった。そろそろこの巨大な会場も、スケールさせる時かもしれない。

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