肌の再生医療専門医が教える「捨てる」スキンケア

肌の再生医療専門医が教える「捨てる」スキンケア

  • 週刊女性PRIME
  • 更新日:2019/02/21
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北條元治医師 撮影/山田智絵

巷(ちまた)にはスキンケアに関する情報があふれ、新しい美容法や新商品が雨後の筍(たけのこ)のごとく次々と発表・発売される現在。大量の情報、商品の中で右往左往しながらも、少しでも美肌によいものをと彷徨(さまよ)い探し続ける化粧品難民も多いはず。本書の著者・北條元治医師は、「スキンケア情報はたくさんありますし、魅力的なフレーズに引き寄せられることもあるでしょう。でも、まずは肌に関する正しい知識を知ったうえで、美肌にとって本当に必要なことを見極めることが大切です」と語る。

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化粧品で肌質は変えられない!?

形成外科医として大学病院で熱傷治療の皮膚再生医療である培養皮膚の研究開発に力を注いできた経緯を持つ北條医師。さらに現在は、その人自身の細胞を使った最先端のアンチエイジング法である肌の再生医療に取り組む、まさに皮膚の専門家といえる人物だ。そんな北條医師から、「高価な化粧水やクリームなどの化粧品をいくら使っても肌質は変わりません」という、ショッキングなひと言が! 化粧品である限り効果がおよぶのは、表皮のいちばん外側にある角質層までで、これは薬事法で決められているものだという。

「身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なものが化粧品。生体が反応する、肌質が変わるなどの変化を起こすものは化粧品としての販売は認められていません」

とキッパリ! そもそもスキンケアに対して、“ダメージを受けた肌に栄養や水分を送り込み、傷ついた細胞を活性化させたり、回復させる”といったイメージを持つ人は多い。ところが、北條医師いわく、「生きている肌の細胞に外側から栄養分を送り届けて、活性化させることはできません」と、にべもないお言葉! それでは、じわーっと肌に浸透するあの感じ、あれは何!?

「化粧品の成分である水分や油分が浸透しているのは角質層まで。それが肌の奥まで浸透したと勘違いしているだけで、真皮までは残念ながら到達していないのです。水分や栄養分の補給というものは、化粧品でのスキンケアの目的ではありません」

また、化粧品は生体を変化させることはないということは、ヒリヒリしたり、何らかの違和感がある場合はすぐに使用をやめるべき。軽い刺激や違和感を一種の好転反応ととらえるのは危険だと北條医師は注意喚起する。

肌を守るのは保湿とUVカット

それでは、私たちが日々せっせと行っているスキンケアは何の意味があるのか!?

「スキンケアの目的は肌の健康維持にあります。肌は常に外部からの刺激を受け続けているため、その刺激から肌(肌の細胞)を守る必要があるのです。そのために最も有効なのが保湿です。水分補給ではなく、あくまでも肌から水分の蒸発を防ぐための保湿ということです」

肌の表面は敷き詰められた角質の隙間に水分を保持し、外部からの細菌などの侵入を防ぐバリア機能を持っている。このバリア機能が壊れるのを防ぐのに必要なのが保湿なのだ。そしてもうひとつ大切なのが、紫外線対策のためのUVカットだという。

「紫外線は肌細胞を破壊し、遺伝子に傷をつけ老化を加速させるため、UVカットはスキンケアに欠かせません。つまり、化粧品は保湿と紫外線防止を考えてシンプルに選べばいいということです」

北條医師によると高価な化粧品でなくても保湿やUVカット効果は期待できるという。

「私の知り合いの皮膚科の女医さんは、美容液やクリームではなくワセリン派が圧倒的多数。高級化粧品を否定するつもりはありませんが、化粧品はその効果と金額が必ずしも比例するものではない、ということは知っておくといいでしょう」

またメイクを落とすためのクレンジングや洗顔選びも正しいスキンケアには重要だ。特に強力な洗浄力のあるクレンジング剤には界面活性剤が多く含まれる。界面活性剤はメイク汚れと一緒に肌の脂分まで洗い流すため、できるだけ界面活性剤の少ないものを選ぶのがポイントになる。

「大部分の成分表示は『界面活性剤』と記載せず、PEG(ポリエチレングリコール)、PG(プロビレングリコール)、TEA(トリエタノールアミン)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)などと表示されているのでチェックしてみてください」

美肌や若さの維持を人生の目的にしない

40代、50代の美肌は、高価な美容液ではなく、保湿、紫外線対策、全身の健康によって維持される。「スキンケアにとどまらず、全身の若さを保つ健康的な食生活や適度な運動などの生活実践が肝心です。女性にとってキレイでいることは重要なことだと思います。でも、それはあくまでも人生を豊かにするための道具です」

美肌や若さの維持が人生の目的になってしまうと、あふれる美容情報に踊らされ、本当は必要のないものまで手にすることになりかねない。スキンケアは保湿とUVカットで十分だという「捨てる」スキンケアを基本に、自分の肌の状態や財布と相談しながら上手に付き合うのが賢い選択といえるだろう。

ライターは見た!著者の素顔

北條医師のオフィスでは、肌細胞を保存、抽出、培養し、移植をする最先端の肌の再生医療を行う。「50代がいちばん多く保存されていて、40代、60代と続きます」とのこと。完全オーダーメードの医療のため、費用は1回で40万円以上。もちろん細胞の保存にも保管料が別途必要だ。お金持ち相手のお仕事なので、さぞかし北條医師も……と思いきや、寸胴鍋を持参して手作りカレーを社員に振る舞うのが恒例だという、気さくで親しみやすい一面を教えてくれた。

PROFILE●ほうじょう・もとはる● 株式会社セルバンク代表取締役、RDクリニック顧問、東海大学医学部非常勤講師、形成外科医、医学博士。弘前大学医学部卒業。信州大学医学部附属病院勤務を経て、ペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。帰国後、東海大学医学部にて同研究と熱傷治療に従事。2004年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンク設立。著書に『妻の化粧品はなぜ効果がないのか』(角川SSC新書)などがある。

(取材・文/アリス美々絵)

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