【ACL決勝】0-8恥辱を忘れぬアル・ヒラル。打倒浦和へ徹底したロビー活動、AFC会長への圧力

【ACL決勝】0-8恥辱を忘れぬアル・ヒラル。打倒浦和へ徹底したロビー活動、AFC会長への圧力

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  • 更新日:2017/11/18
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サウジアラビアの現地紙sharq awsat【写真:森本高史】

ドイツ戦0-8。サウジアラビア大敗の知られざる背景

いよいよ佳境を迎えたAFCチャンピオンズリーグ。今年は浦和レッズが決勝進出を果たし、その1stレグは11月18日に開催される。対戦相手はサウジアラビアのアル・ヒラル。中東では名の知れた名門クラブだが、どのような展開が待っているだろうか。サウジアラビアサッカー界には、このACL決勝の行方に影響を与えるかもしれないオフザピッチでのエピソードがあるという。ここでその2つの逸話を紹介したい。(取材・文:森本高史)

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アジア王者を賭けて浦和レッズとAFCチャンピオンズリーグファイナル(ACL)を戦うサウジアラビアの名門アル・ヒラル。勝敗に影響を与えるかもしれない2つのオフザピッチでのエピソードを紹介したい。

サウジアラビアサッカー界にとって日本で戦うビッグゲームというのは鬼門である。ある関係者はこう語る。

「あれは忘れもしない2002年日韓ワールドカップ、ドイツ戦の0-8の大敗。理由はシンプル。サウジアラビアの選手が試合前日札幌の夜の街に繰り出し、遊んでいたから」

サウジアラビアは、94年アメリカワールドカップではアジア勢28年ぶりとなる決勝トーナメントを達成したように決して弱小国ではない。もしフルパワーで臨んでいれば、0-8という屈辱は味わうことはなかったはずだ。

2007年AFCアジアカップ予選最終戦、日本対サウジアラビアの試合が06年11月という時期に札幌開催だったのは、サウジアラビアが02年の再現で弱体化してくれるのを期待していたと真っ先に考えてしまうほど。

札幌での屈辱から、サウジアラビアサッカー界が選手のディシプリンを徹底。国外遠征時には、プライベートでの外出はおろか、ホテル周辺を散歩したり、ロビーでお茶をすることも全面禁止し(通常、他国のチームは許可)、選手は常時部屋に待機。24時間体制で関係者がホテルのロビーにて監視、違反者には深刻なペナルティーが課される。

サウジアラビアが2000年代弱体化したのはプロ意識の欠如だったが、元々強大なポテンシャルを秘めており、年月をかけてディシプリンが浸透しチームに一体感が生まれたことで代表チームが12年ぶりのワールドカップ本大会出場を果たし、アル・ヒラルもACLファイナルまで駒を進めることになった。

アル・ヒラルの選手が、今回六本木や銀座で遊ぶことを期待する浦和サポーターには断言したい。アル・ヒラルの選手は、羽目を外すことは絶対にないし、ハニートラップは通用しない。

中東全体から注目されている「場外戦」

もう一つは、母国サウジアラビアのみならず中東全体から注目されている「場外戦」。

「アジアVSサウジアラビア」

と浦和レッズVSアル・ヒラルのファイナルをこう位置付けているのは、サウジアラビアスポーツオーソリティのチェアマンを務めるトゥルキ・アル・シェイフ氏。サウジアラビアのみならず中東全体でアル・シェイフ氏の刺激的なコメントが連日大々的に報道されており、アル・ヒラル以上に人々の関心を集めている。

「サウジアラビアサッカー界は、アジアにおける国際大会で様々なビッグトラブルや嫌がらせに見舞われて来た。私は、サウジアラビアスポーツ界のトップとして、アル・ヒラルの選手団を守るべく、AFC(アジアサッカー連盟)と徹底的に戦わなければならない」

今まで受けた最大の被害として、アル・ヒラルが優勝を逃した2014年ACLファイナル、アル・ヒラルVSウエスタン・シドニーの第2レグにおける西村雄一氏のレフェリングを挙げている。

「我々のホームゲームにもかかわらず、最低3回の明らかなPKが見逃されている。サッカーを始めて観戦する子供が見ても、『なんでPKじゃないの?』と指摘するほどの深刻なファウルであり、2試合合計0-1で敗れた。ミスター・ニシムラのジャッジ、誤審のせいでアジア王者の座を失ってしまったといっても過言ではない」

実際にアル・ヒラルは、西村氏のレフェリングに対してAFCに調査を要求しており、3年前は「フェアで公正」とされていた日本の一般的なイメージが崩れ、「アンチ中東」と激変する要因となってしまった。

サウジアラビアの新聞、テレビはこぞって当時の西村氏のレフェリングを批判する報道を展開しており、まさしく「Remember Nishimura」。

「とはいえ、今回のアル・ヒラルの対戦相手が浦和レッズということでミスター・ニシムラは笛を吹くことはないし、人間は誰でもミスを犯すものだ。ミスター・ニシムラ個人を恨んだりはしないし、我々サウジアラビアとの友情関係は今でも続いている。ミスター・ニシムラは、レフェリーとしてサッカー人として、そして1人の人間としてリスペクトしている」

「諸悪の根源はAFCにある」

そして「諸悪の根源はAFCにある」とアル・シェイフ氏は指摘する。

「熱狂的なサポーターでスタジアムがぎっしりと埋まり、アジア最高の試合が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグファイナルを裁くにふさわしい審判団を、AFCは選出しなければならない。誤審やどちらかのチームに偏ったジャッジは絶対に許せない。2014年ファイナルに関して、AFCは審判の人選のミスを我々に深く謝罪しなければならない」

アル・シェイフ氏のAFCへの痛烈な批判は続く。

「AFC現会長のシェイフ・サルマン氏は、以前から手厚くサポートをしてきたし、会長選挙出馬を決めてから、数多くの国に投票するように呼びかけた。恩着せがましいことは言いたくないが、我々サウジアラビアのおかげでAFC会長に就任できたのだ。

にもかかわらず、3年前のACLファイナルを筆頭に、サウジアラビアに多大なダメージを与えてきてばかり。今後ともサルマン氏を支持していきたいが、こういう状況では考えざるをえない」

アル・シェイフ氏のコメントは、サルマン氏やAFC幹部も目にしている。辛辣なコメントばかりで気分は良くないのは事実だろう。アル・ヒラルは、「リベンジ」されるのか、それとも「3年前のお詫び」がされるのか。

イスラム教の言葉を借りれば、インシャッラー。まさしく、神ののみぞ知る。

(取材・文:森本高史)

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