「クールビズ」が浸透しにくい理由とは?

「クールビズ」が浸透しにくい理由とは?

  • ITmedia ビジネスオンライン
  • 更新日:2017/08/11
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本格的に夏がやってきた。暑い日々が続いている。8月9日は都心で37度まで気温が上がった。さて、この時期になると話題になるのがクールビズである。これは定着しているのだろうか。定着していないのであればその理由は何なのか、考えてみたい。

クールビズは浸透しているのか

クールビズが始まったのは2005年。実はもう12年も経つ。クールビズというと、ノーネクタイのワイシャツやポロシャツなどで過ごすスタイルを思い出す人も多いだろう。実際はファッションだけではない。夏期の室温の適正化と、その温度に適した軽装化の取り組みを促す一連のムーブメントを指す。現在では5月1日から始まることが慣例になっている。

私が新人だった20年前は、夏でも客先にはスーツとネクタイで行っていた。移動中だけ営業資料を運ぶ紙袋にスーツをしまうなど、工夫が必要だった。このようなサラリーマンの姿をほとんど見なくなったことを考えると、クールビズは大きな進化である。

では、実際はどれくらい普及しているのだろうか。日本気象協会が17年5月にオフィスで働くビジネスパーソン400人を対象に実施した「クールビズに関するアンケート調査」の結果を見てみよう。

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(出典:日本気象協会)

クールビズの認知度は98.3%だが、実施率は61.5%にとどまっている。クールビズの歴史は長いが、「普及している」とは言えないのが現状のようだ。

クールビズを実施した方が快適であることは間違いないはずだが、なぜこのような結果になっているのか。もしかすると、スーツを着ている方が楽な人もそれなりにいるのかもしれない。

実際、クールビズのスタイルでカッコよく決めるのは難しい。クールビズの男性たちを見ると切なくなる。はっきり言って、似合っていないのである。ビシっと着こなせていないというか、まるで、中学高校の「夏服」のような違和感があるのだ。

「服装選びがめんどくさい」

この「似合わない問題」に加え、「服装選びがめんどくさい」というのもクールビズ浸透における障壁の1つなのかもしれない。

実際、前出の調査においても、デメリットとして挙げられたものが参考になる。上位には「見た目がだらしなくなる」「状況・場面を考慮した服装のチョイスが難しい」などが入っている。

また、クールビズを実施したことがない人に、「クールビズを実施したいと思いますか」と聞いてみると、63.0%の人が「実施したくない」と答えている。上位に挙がった理由は「服装選びの手間がかかる」だった。

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(出典:日本気象協会)

ちなみに、就活生のクールビズを認めている企業の割合は38%(HR総研調べ)。「私服OK」をうたっている企業が増えているのに、昔とあまり変わらずリクルートスーツで就活をする学生がほとんどだ。

私服で行ったら落選するかもしれないという不安もあるだろうが、A社がOKでも同じ日に受けるB社がNGなら意味がないし、相手に好印象を与えるための服選びが難しいという根本的な問題もある。

なお、企業で私服化が進んでいるところといえばIT企業なのだが、彼らがオシャレかというと、そうでもない。Tシャツにデニムという人が目立つが、そのTシャツがどこかダサかったりすることもある。

ということで、ビジネスのあらゆる場面において、適当な服装を選ぶことは意外と難しく、面倒に思っている人も多いということだ。場の空気など、細かいことを気にし過ぎがちな日本の職場では、クールビズは浸透しにくいのかもしれない。

常見陽平のプロフィール:

1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。

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