【選手権予選】勝因はPK戦での”ある”儀式...高橋大悟を擁する神村学園が4年ぶりの選手権へ

【選手権予選】勝因はPK戦での”ある”儀式...高橋大悟を擁する神村学園が4年ぶりの選手権へ

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  • 更新日:2017/11/13
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キャプテンとしてチームを牽引する高橋。技術だけなく、リーダーシップも兼ね備えている。写真:安藤隆人

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富吉にキャプテンマークを託す高橋。これがPK戦での驚異的な強さの秘訣だ。写真:安藤隆人

今年から始めたふたりだけの『儀式』があった。

神村学園のキャプテン・高橋大悟(3年/清水入団内定)とGK冨吉優斗(3年)は、ふたりとも1年生からレギュラーを掴み、神村学園を3年間支えて来た攻守の柱。普段も仲の良いふたりが、PK戦になると必ず行なう儀式がある。高橋がPKを蹴って決めた後、左腕に巻かれたキャプテンマークを高橋自らが冨吉の左腕に引き渡すというものだ。

「気合いがみなぎるんです。みんなのために止めようという気持ちになる。身体が勝手に動いてくれるんです」と、キャプテンマークを託された冨吉は、高橋の想い、仲間の想いをしっかりと受け止めてゴールマウスに立つことで、信じられない力を発揮する。

選手権予選まで新人戦、インターハイ予選、九州大会と実に3度PK戦の機会があったが、そのすべてでキャプテンマークを巻いた冨吉は相手のシュートをストップし、勝利を収めている。

迎えた今予選でもそれは変わらず、さらに神懸かっていた。過去3度のPK戦は高橋が1人目のキッカーだったため、すぐにキャプテンマークが冨吉の手に渡るのが慣例。しかし、今予選から「やっぱり大悟には勝負を決める重要な時に蹴ってもらいたいとみんなで話し合って、順番をラストキッカーに変えた」(冨吉)ため、高橋の順番を5人目に移し、『これを決めたら勝ち』、『これを決めないと負け』の状況で蹴ることになった。

準決勝の鹿児島戦。新興勢力に大苦戦を強いられた神村学園は1−1のまま、今予選初のPK戦にもつれ込んだ。後攻となった神村学園だったが、2人目と3人目が立て続けに失敗。鹿児島5人目のキックが決まれば、神村学園が敗退となる絶体絶命のピンチに陥ってしまう。しかし、冨吉がスーパーセーブを見せて窮地を救った。その後、高橋がきっちりと決めて振り出しに戻してから、キャプテンマークはこれまで同様に冨吉へ。これでさらに『神』が宿った冨吉は、鹿児島7人目のキックをセーブ。チームを決勝に導いた。

そして、鹿児島城西との決勝でもPK戦を戦うことになった。先攻の神村学園は1人目のMF田畑拓武(3年)がいきなりのセーブに合うが、「ここで止めるか、止めないかで流れが大きく変わる」と集中力を高めた冨吉が、鹿児島城西1人目の生駒仁(3年/横浜入団内定)のキックをストップ。すると鹿児島城西2人目のキックもストップし、流れを自分たちのものにした。それでも全国屈指の鹿児島城西GK泉森涼太(3年)が神村学園4人目のキックを止め、再び振り出しに戻すと、あの儀式が行われた。

5人目・高橋がきっちりと決めると、真っ先に冨吉に駆け寄ってキャプテンマークを渡す。「最後はお前がチームを助けるんだ。こんなところで負けていられないだろ?絶対にぶれずに自分を信じて」と高橋に声をかけられた冨吉は笑顔で答え、熱い抱擁を交わした後に、『神』のスイッチが入った。

【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編迎えた8人目。神村学園は1年生のMF濵屋悠哉が冷静に決めると、鹿児島城西のMF山田駿(3年)が放ったキックは、冨吉の両手に吸い込まれた。

ボールをはじき出した冨吉はスタンドに向かって歓喜のダッシュ。ここ一番でまたしても輝きを放った『守護神』は、チームを4年ぶりの選手権に導いた。

「1、2年の時は公式戦でPK戦が1回しかなかった。その時も相手が外してくれたから勝てた。なので、PKは自信があるかどうかと聞かれたら、良く分からないんです。とにかくチームのために止めることに必死なので(笑)。でも、大悟からもらったキャプテンマークを巻くと、よりエネルギーがみなぎる。絶対に勝たせるという気持ちになるし、本当に不思議なんです」(冨吉)

3年間苦楽をともにしたキャプテンとの絆、神村学園中を含めたら6年間一緒に戦っている仲間との絆。すべてがキャプテンマークに込められ、人から人に伝達されていく。神村学園の『儀式』は今のチームの団結力を示す、重要なものであるのは間違いない。

取材・文 安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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