次期Windows 10では領域確保でストレージ32GB機でも確実にアップデート

次期Windows 10では領域確保でストレージ32GB機でも確実にアップデート

  • ASCII.jp
  • 更新日:2019/01/13

スティックPCやWindowsタブレットなどに多い32GBストレージ機 インストール直後に半分以上の領域が消費される

今年登場予定のWindows 10 Ver.1903は、現在19H1としてプレビュー版が公開されている。この19H1には「予約済み記憶域」(Reserved Storage)と呼ばれる機能が搭載される予定だ。これはWindows Updateなどによるシステムのアップデートに必要な作業領域を確保するための仕組みだ。

Windows 10の1年に2度の機能アップデートでは、ある程度の空き容量が必要になる。これまでマイクロソフトは10GBの空き容量が必要であるとしていた。しかし最近では、この容量が確保できないケースが増えてきた。

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現在のWindows Updateでは、ストレージ容量が不足した場合に外部記憶装置の利用を要求される

たとえば、ストレージが32GBなどのマシンでは、Windows関連で半分ほどの領域を占有してしまい。USBメモリなどを併用しない限り、アップデートは困難だ。

そもそもWindows 10 Ver.1809(October 2018 Update)を新規インストールすると、Windows自体で10GB、仮想メモリ用に2GB程度、休止ファイル用に400MB弱が使われてしまうため、これだけで約13GB程度が消費されてしまう。

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Windows 10 Ver.1809をインストールした直後。アップデート前に最低限必要なファイルのみにしているため、システム側は最低容量(ほぼ初期状態)になっている

しかも実際のストレージ容量は一般に10進数表現となるため、32GBストレージは、コンピューター内で一般的な2進数表現では29GBに相当する。

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一般にストレージ容量は10進数で計算するため、32GBのストレージは、2進数表現では29.11GBに相当する

さらに標準搭載アプリケーションなどが2GB程度だとすると、合計は15GB程度になる。そうなると空き容量は、14GB以下だ。

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最低限の状態でも、空き領域は12.7GBしかない。しかも、この機種は回復パーティションを削除してあるため、これでもまだ普通のPCよりは残り容量に余裕がある状態だ

またメーカー製品によっては、4GB程度の回復パーティションが存在している場合もある(これについてプリインストールされるWindowsのバージョンによっても違いがある)。というわけで、10GBを確保することはなかなか困難と言える。

ただし、10GBという必要容量は、計算して求められた値というよりも目安に過ぎない。というのも、現在のWindows Updateの仕組みでは、正確に必要な容量を算定することが困難だからである。もちろん、ストレージがもっと大きくても、問題は空き容量なので、残りが10GBを切るようなマシンでもアップデート作業が困難になる。

アップデート用にあらかじめ7GB程度の領域を確保 普段は一時ファイルの保存用などに利用する

「予約済み記憶域」はこうした状況に対応するため、7GB程度の容量をあらかじめ確保しておく仕組みのようだ。ただし、この領域は普段は何も使われないのではなく、一時ファイル用に利用される。Windowsに含まれる多くのプログラムが作業用に一時ファイルを利用する。また、Windows Updateによる品質アップデート、セキュリティアップデートなどでも一時的なファイル領域を利用する。たとえば、インターネットからダウンロードしたファイルの保存先などだ。

19H1は、こうした一時的なファイルに関しては「予約済み領域」から先に利用し、これが一杯になったときのみ、通常の空き領域を利用する。一時ファイルのみを置くのは、機能アップデートなどでまとまった領域が必要になった場合にいつでも削除できるからだ。逆に言えば、ここにはユーザーのファイルを置くことはできない。「予約済み記憶域」とは、Windowsが一時ファイル用とユーザーファイルを完全に分離し、別々の領域として管理するということだ。

Windows Updateのアップデータはなぜ先に容量を調べない?

Windows Updateでは、多くの場合にダウンロードやインストールが始まってから、エラーで中止になることが多い。なぜ事前に環境を調べないのだろうか? これはWindows Updateの仕組みと関係がある。

現在の機能アップデートでは、インストール用のイメージがまとまったファイルとして送られてくるのではなく、アップデートに必要なファイルのみを受け取って、PC側ですでにあるシステムファイルと合わせて、インストールイメージを構築するようになっている。

こうすることで、転送されるデータ量を削減し、ダウンロード時間を短縮できる。半面、ダウンロードに必要な容量などを事前に見積もることは困難である。もちろん、ザックリと32GB以下といった見積もりにすることも不可能ではないが、それではアップデートできないPCを大量発生させてしまう。

機能アップデートともなるとダウンロードは短時間では終了しないため、開始時には十分な空き容量があったとしても、ダウンロード中に他のアプリなどがファイル領域を大きく占有する可能性もある。

逆にこの時点で安全を見込んで大きな領域を確保してしまえば、今度はアプリケーションが利用できなくなるなどの問題が発生する。結局のところ実用を考えると、とにかくダウンロードしてみるしかないわけだ。もちろん、この時点で空き領域がまったくないのであれば、Windows Updateはエラーになる。

もう1つの要因としては、Windows 10 RS3でアップデートの方法が変わり、Windowsが利用できない時間を最短にするよう変更されている。

RS2までは、Windowsのインストールイメージの作成やユーザーデータの退避といった作業は、一旦Windowsから抜けて、WinREが動作している「オフライン」状態で行なわれていた。オフライン状態は、インストールや修復作業用のもので、必要なプログラムしか動作しない。

このため、こうした作業の途中で他のプログラムが一時ファイルを作ったり、ファイルを追加するといったことは起こらず、作業開始時点で測定した残り容量をフルにインストール作業に利用できる。

Windows 10 RS3以降では普通にPCが使える状態の裏で アップデート用のイメージを作成する

これに対してRS3では、Windowsが動作している状態でインストールイメージ作成などを実行している。この間、ユーザーはPCを普通に利用できる。しかし、Windows自体やユーザーの起動したアプリケーションなどがイメージ作成中にファイル操作をし、空き領域はこれに応じて変化していく。残り容量に余裕がなければ、Windows Updateの作業ができなくなる可能性がある。しかし、あくまでも可能性である。どんなプログラムもシステムや他のプログラムの挙動を予測することはできないため、容量が十分なのかどうかは判断できない。

つまり、実際に処理してみないと、容量が足りるのかどうか、そもそも作業が完了できるのか、できないのかもわからない。結局、Windows Updateは、「始めてみて、ダメならあきらめる」しか選択肢がない。

予約済み記憶域は、初期状態で7GBほど確保されるという。実際に19H1のプレビュー版となるプレビュー版、Build 14312で、「予約済み記憶域」を利用できるようにしてみた。予約済み記憶域は、プレビュー版のBuild 14298以上であれば、レジストリ値の設定で次回のフルアップデート後に予約済み記憶域を利用できるようになる。

確かにレジストリの設定後にプレビュー版をBuild 14305から14312にアップデートした場合、「設定」→「システム」→「ストレージ」→「表示するカテゴリを増やす」→「システムと予約済み」で表示されるページに「予約済み記憶域」という項目が表示される。

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予約済み記憶域をプレビュー版のBuild 14312でためしてみた。アップデート直後は2.5GBが確保されていた

レジストリ設定をせずに同じBuild 14312にアップデートした場合には、「予約済み記憶域」は表示されない。

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同じBuild 14312でも、事前にレジストリ設定をしていない場合には、予約済み記憶域は確保されない

ただし、Build 14312では、初期状態で2.5GB(ギガバイト)しか確保されていなかった。繁体中国語の言語パックをインストールすると4.13GBと容量が増加するため、機能としては動作しているようだ。もしかしたら次のプレビュー版のアップデート時などにさらに多くの容量を予約済み記憶域として使うのかもしれない。

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中国語(繁体)の言語を追加インストールしてみた。これにより予約済み記憶域が4.13GBと増加した

結局のところ予約済み記憶域はムダなのか?

年2回の機能アップデートを提供し、その時期の延期ができないHomeエディションなどがあることを考えると、空き容量を確保し、機能アップデートが失敗しないようにするのは必要なことだろう。

実際、筆者の手元にあるストレージ容量が32GBのPCは機能アップデートで毎回何らかのエラーが発生する(しかもすべてHomeエディションである)。そしてそのたびに、トラブルシューティング(「設定」→「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」→「Windows Update」)や、手作業によるストレージセンス動作などを必要とし、数回はアップデートのインストールを繰り返す。

もし、これがすんなりとインストールできるようになるのであれば、ストレージの一定量を確保することはやむを得ないと考える。ユーザーファイルに関しては、たとえばメモリカードスロットを使って拡張は可能なのであり、まったく対策がないわけではないからだ。

現在では、32GBストレージのマシンでは、機能アップデート時に容量が足りなくなり、外部ドライブの利用を要求される。7~8インチ程度のAtomプロセッサを使ったWindowsタブレットなどでは、1つしかないmicroUSBコネクタが充電兼用で、同時には充電か外部デバイス接続のどちらかしかできない。こうしたマシンでは、アップデート作業は長時間におよぶため、できれば充電したまま実施したいが、USBメモリを接続してしまうと充電ができないというジレンマに陥る。予約済み記憶域は、単純にユーザーファイルの保存先として利用できず、無駄だという議論ではないことに注意したい。

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