安全運転支援システム「Honda sensing」を標準装備したホンダ『N-BOX』はお買い得?

安全運転支援システム「Honda sensing」を標準装備したホンダ『N-BOX』はお買い得?

  • @DIME
  • 更新日:2017/09/16

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

モデルチェンジしたホンダの軽自動車『N-BOX』に乗ってきた。この『N-BOX』には画期的かつ非常に重要なデバイスが軽自動車で初めて標準装備されているのである。「Honda sensing」と呼ばれる同社の安全装備の中のACC(アクティブクルーズコントロール)とLKAS(レーンキープアシスト)は、昨年のこのコラムでも高く評価した同社の「フリード」を始めとする各ホンダ車にすでに装備されている。

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■機械として優れているか? ★★★★★(★5つが最高点)

ACCは、任意に設定した前車との車間距離を自動的に保ちながら、一定のスピードで走り続けることができる。LKASは、車線の中央をつねに走るようにクルマがハンドルに修正を加える。どちらも、目新しいものではない。しかし、新技術採用のつねで、高級車から順に採用されていっているのが現状だ。軽自動車はおろか、コンパクトカーなどで採用されている例は少ない。

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日本車よりもヨーロッパ車の方が普及が進んでいるが、先日、大々的に発表を行った日産『リーフ』や日産『セレナ』、スバル『レヴォーグ』などに採用されているのは先駆的な例だろう。つまり、先進的な装備であるがゆえに、それだけまだまだ限られたクルマにしか組み込まれていないのである。

だから、軽自動車の『N-BOX』に2つが標準装着されたと聞いて驚いたのである。他のメーカーでも同種のデバイスを装備することはあってもオプションだったり、車種が限られていたりする。その仕上がり具合だが、昨年の『フリード』と変わらない完成度を持っていることを確認できた。カメラとミリ波レーダーで周囲の状況をつねに監視し、カーブに沿って曲がり、先行車との車間距離を保ちながら追随して走り続けることができた。

これら2つの装備は、起こしていたかもしれない事故を防ぎ、省エネを推進し、疲労を軽減してくれる。現在、最も強くクルマに装着が求められる装備だと思う。繰り返しになるけれども、運転ビギナーや高齢者のユーザーが多い軽自動車にこそ一刻も早い装着が必要だ。その点で、これは今回のモデルチェンジで全モデル標準装着に踏み切ったホンダの開発陣の英断で大いに称えられるべきだと考える。

開発陣の英断はもう一つあって、それは全モデルヘッドライトのLED化だ。明るく、エッジがしっかりとしていて、寿命も長いLEDはいいこと尽くめで、採用しない理由がない。価格下落も進んできているから、ベストなタイミングでの採用だろう。

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■商品として魅力的か? ★★★(★5つが最高点)

『N-BOX』は優れた機械であるのに商品としての魅力に欠けるところがあるのが惜しい。具体的には、ACCとLKASのインジケーターがとても小さくて見にくい点だ。ACCもLKASも、条件が整わないと働き始めない。左右の白線を、あるいは先行車などを認識できているのかどうか。

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そして、2つの装備が待機状態にあるのかどうかなどがメーターパネルの中に表示されるのだが、それが小さくて見にくい。もっと大きくすれば解決するのに、小さ過ぎるままに放置されている。ボルボ『V90』や『XC90』並みの大きさにしてくれないと見にくい。

その一方で、針を持ったオーソドックスなデザインのタコメーターとスピードメーターはとても立派だ。オートマチックトランスミッションなのでタコメーターは不要だし、スピードの表示だって、針で示す必要はない。デジタルで済ませられる。現に『フリード』はそうしていて、メーター周辺をシンプルで見やすく、スッキリとさせている。どちらもデジタル表示にして、空いたスペースをインジケーターに用いれば済むことなのに放置されてしまっている。

せっかくのACCとLKASなのに使いにくく、もったいない。画竜点睛を欠くとはこのことで、せっかくの軽自動車初採用を生かしていない。開発陣は、誰も途中で指摘しなかったのだろうか。機械としては優れているのだが、リアルライフでどのように使われるのか、ユーザーの立場になって考えられていないところで商品としての魅力を減じている。

「毎日が忙しいママの暮らしをサポートするクルマ」というコンセプトもとても素晴らしく、570mmものシートの前後スライドもママのためによく考えられている。だが、そのコンセプトが貫徹されていないのが残念だ。『フリード』を参考にしたマイナーチェンジを期待している。

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■関連情報
http://www.honda.co.jp/Nbox/

文/金子浩久

モータリングライター。1961年東京生まれ。新車試乗にモーターショー、クルマ紀行にと地球狭しと駆け巡っている。取材モットーは“説明よりも解釈を”。最新刊に『ユーラシア横断1万5000キロ』。

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