エンタメ界を席巻する『Fate』、ソシャゲの常識覆す“100万字超”の物語

エンタメ界を席巻する『Fate』、ソシャゲの常識覆す“100万字超”の物語

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  • 更新日:2017/11/13
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『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower』動員・興行収入ともに初登場1位を獲得(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

『Fate』シリーズの劇場版アニメ『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』が10月14日の公開時、土日2日間で動員24万7509人、興収4億1303万840円をあげ興行収入ランキングで初登場1位に。さらに公開から25日で観客動員77万人、興行収入11.7億円を突破した。だが『Fate』の快進撃はこれだけではない。8月には『Fate』のスマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order(以下、FGO)』が月間売り上げランキングで世界1位&日本1位を獲得。さらに、歌手・安室奈美恵が引退を発表した9月20日、日本中が「安室引退」の話題一色になるなか、Twitterのトレンド1位を死守し続けたのもFGOに関連する「マーリン」というワードだった。この、エンタメ界を席巻する『Fate』シリーズの魅力とは一体何なのか? 株式会社アニプレックスでFGOの宣伝を担当する金沢利幸氏と、FGOの企画・開発・運営をおこなうディライトワークス株式会社でFGOマーケティングディレクターをつとめる石倉正啓氏に話を聞いた。

【写真】安室に勝った!? Fateの人気キャラ・マーリンの正体

■「ゲーム」「アニメ」垣根を越えたキャンペーンでSNSの“拡散”に貢献

そもそも『Fate』とは一体どんな内容なのか。石倉氏は「『Fate』シリーズは『Fate/stay night』を原作として広がっていて作品数も多いのですが、コアとなる物語は『聖杯戦争』」と強調する。その内容はというと、七人の魔術師がマスターとなって“英霊”(サーヴァント)を使役し、最後の1人になるまで戦う。そして、最後に残った者は“聖杯”を手にし、自らの願いを叶えることができるというもの。10月に公開された映画『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』も、聖杯を巡る戦いを描いている。

同映画が好調の要因について金沢氏は「発表から3年越しで公開に至った経緯があり、それをファンの皆さんが待ち望んでいてくれたこと。何より、作品自体のクオリティの高さに尽きると思います」と解説。加えて「『Fate』の世界観を元にしたスマートフォン向けゲームFGOと、映画という垣根を越えた形でのキャンペーンを実施した点もポイント」と語る。映画館に行くと映画の中に登場するキャラクターのアイテムがゲームの中で手に入るなど、実際に映画館に足を運んでもらう“動機付け”をプラスしたことで、映画の盛り上げに繋がったようだ。

『Fate』の魅力の1つである重厚なストーリーと、それを忠実に再現する映像美。それによって何度も映画へ足を運ぶコアユーザーも多く、さらに、その評判が口コミで広まっている。そうしたSNSでの“拡散”について、「FGOの公式Twitterのフォロワーは100万人以上います。ファンの方たちの拡散力によって、作品自体の面白さが口コミで広がっている効果もある」と石倉氏は説明する。

■「安室引退」報道後、Twitterトレンド1位に君臨した「マーリン」とは?

まさに、情報の“拡散力”はFGOを語るうえで欠かせないキーワード。実際、FGOはイベントの度に関連する様々なキーワードがTwitterのトレンド入りするほど。特に、SNSの強みを印象付けたのが9月20日、歌手・安室奈美恵の引退報道が日本中を駆け巡るなか、「安室引退」のパワーワードを押さえて1位に君臨し続けたのが『マーリン』。SNS上では、FGOを知らない人たちから「マーリンって誰だよ」とツッコまれていたのも印象的だった。

「『マーリン』はFGOに登場する人気サーヴァントの名前です。FGOの1000万ダウンロードを記念し、事前告知なしで9月20日にピックアップ召喚に登場させたところ、たまたまそれが安室さんの引退日に重なってしまいました」と恐縮する石倉氏。ちなみに、このFGOの“拡散力”の正体について石倉氏は次のように説明する。「FGOは、まずシナリオに対する面白さがあり、その中で新たに登場するサーヴァントにそれぞれ魅力があります。『Fate』シリーズは世界観が広いので、過去作品やFGOのストーリーの中で登場していた魅力的なサーヴァントが登場したりするとファンの皆さんが盛り上がります」と石倉氏。そうした『Fate』というコミュニティ内で発生する“共感”の力が重要で、マーリンの際も『おー、やっとマーリンが来た!』という想いが共感に繋がり、これほどの拡散になったのだという。

また、マーリンの件以外でもFGOの拡散力を示すエピソードがあると石倉氏。「京都国際マンガ・アニメフェア 2017(通称:京まふ 2017)で、1000人位の規模のステージで、1000万ダウンロード突破キャンペーンとして“好きな☆4サーヴァントが貰える”という情報を発表しました。10万リツイートが目標だったところ、最終的に32万リツイートまで伸びた」とのこと。金沢氏もSNSのあり方について「ユーザーの方には、SNSでのコミュニケーションを含めて楽しんでもらえるよう考えている」と語る。そして、“FGOのある日常”を目指しているとも。「その点で言えば、11月1日からは全国にお店があるコンビニのローソンさんでFGOのキャンペーンを開始したりと、より日々の生活と密着した展開に取り組んでいます」(金沢氏)

“日々の生活と密着”とのことだが、まさに、日本人にとってスマートフォンで遊ぶゲームは欠かせない娯楽の1つ。多種多様なゲーム会社が新作を出して競いあっているが、そんな中、8月にFGOが全カテゴリーのアプリの月間売り上げランキングで世界1位&日本1位を獲得。石倉氏はこの点について、「これについては、どうやらそういう発表があったらしいぞと聞いています。ただ、FGOは日本のほかに北米と中国語圏だけで展開しているだけですので、それで世界1位だったとすると、日本をはじめとしたファンの皆さまに支えられている点が大きい」と強調する。

■“若者の活字離れ”はウソ!? 時代と逆行する“100万字超”の骨太ストーリー

映画、ゲーム、SNSと、数字という明確な結果を出し続ける『Fate』シリーズ。この人気を支えている世代について石倉氏に聞くと「実は20代の割合が一番多いんです」と意外な回答。そもそも、『Fate』がPCゲームとして誕生したのが2004年。その頃にPCゲームを親しんだ人たちがコア層であるなら、世代的に30代後半から40代がメインターゲットと考えがち。しかし、実際に調べてみると20代と30代前半がコア層だったと石倉氏は言う。若者が『Fate』シリーズに親しんでくれている状況について金沢氏は、「『Fate』シリーズのライトノベルが入り口になっているのでは」と分析。石倉氏はさらに踏み込んで、FGOの“若者ウケ”について解説してくれた。
「今の“若い子達は本を読まない”なんて声もありますが、僕はそうは思いません。ここ最近はずっとライトノベルの人気が高いですし、文字を読むことがメインのスマートフォン向けゲーム『FGO』が人気という時点で、若者たちが文字を読むことから離れたと決めつけるのは、現実に即していないと思います」

事実、石倉氏の言う通りFGOは活字量が多い。そもそも“ソシャゲ”が流行ったのは、シンプルで気軽にプレイできるから。しかし、FGOは芯となるストーリーが骨太のため、時代と逆行した“活字量が多い”ゲーム内容なのだ。金沢氏によれば、スタート時には100万字以上を告知しており、そこから2年以上経った現在、活字量はより増えていると説明する。

膨大な活字量が主軸のFGOを楽しむ若者たち。「ラノベ人気や、ネットへの接続時間の長さを考えると、若者が活字と接する時間はむしろ増えているのでは。やっぱり、日本人は読むのも書くのも好きなんですよね。“活字文化”は今も根強く若者達の中にあり、『FGO』はもとより『Fate』シリーズ全体が支持されている理由だと思います」(石倉氏)

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