本田圭佑がカギ? 武藤嘉紀がハリルJで生き残るには...

本田圭佑がカギ? 武藤嘉紀がハリルJで生き残るには...

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  • 更新日:2018/02/14
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自らの特徴を生かして代表入りを狙う武藤(写真・Getty images)

ブンデスリーガ1部のマインツに所属する武藤嘉紀はリーグ戦18試合に出場して、ここまで6得点を記録している。4カ月後に待つロシアW杯のメンバー入りを目指す武藤は“ゴールにこだわる”明確な目標をかかげて奮闘している。ここ3試合は結果が出ていないが、ゴール前の怖さという意味では日本でもトップレベルの選手であることは間違いない。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本代表は主に4-3-3と4-2-3-1のフォーメーションを使い分けているが、後者の場合でもトップ下に井手口陽介が入る場合は4-2-1-3に近くなり、森岡亮太なら4-2-3-1に近くなる。前者は中盤のインテンシティーを高める効果が、後者は高い位置に攻撃の起点を作る効果が期待できる。

見た目のフォーメーションは同じでも、選手起用や個々の要求で戦術のメカニズムがは違ってくるものであり、対戦相手の特徴や試合展開に応じてそれらを使い分けられるのがハリルホジッチの強みだ。4年前のW杯でアルジェリア代表を率いた時も4-2-3-1をベースに、選手起用でメカニズムに変化を起こしていた。

マインツでは日本代表と同じ4-2-3-1の1トップに加え3-1-4-2の2トップでも起用される日本人FWは、青年監督のサンドロ・シュバルツが掲げる“ゲーゲンプレス”の急先鋒として前線からハードワークして高い位置からのボール奪取を助け、速攻主体の攻撃でシンプルなポストプレーと鋭い飛び出しを精力的に繰り返している。

ゴールにこだわることを宣言してはいるが、そうしたディフェンスやポストプレーが自らのゴールチャンスにつながることは武藤もよく理解しているだろう。そうした仕事を当たり前にこなしながら、チャンスと見れば貪欲にゴールを目指す姿勢を打ち出しているわけだ。そのスタイルを考えればハリルホジッチ監督の下でも機能できそうだが、今のところ居場所を見いだせていない。

中央のFWは大迫勇也がファーストチョイスであり、欧州遠征で招集された国内組の杉本健勇と興梠慎三、さらに経験豊富な岡崎慎司も控えている。国内組で挑んだ昨年末のE-1選手権(旧東アジア選手権)では韓国に大敗したものの、小林悠や川又堅碁が存在をアピールした。左サイドは原口元気と乾貴士がポジションを争っており、未招集の選手としてはポルトガルでゴールを量産している中島翔哉が4年前にハリルホジッチ監督が率いたアルジェリア代表のリヤド・マフレズよろしく“ラストピース”として滑り込んでもおかしくない活躍を見せている。

そうした現状では、武藤がレギュラーの座に入り込むのは簡単ではないが、カギを握るかもしれないのが本田圭佑の代表復帰だ。最終予選の後は代表から遠ざかっている本田だが、メキシコで好調をアピールしている。最近はパチューカで4-2-3-1のトップ下で起用されていたが、直近のベラクルス戦で再び右サイドを務めた。その本田の代表復帰がなぜ武藤の招集に影響するかというと、彼のプレースタイルに起因する。

基本的に縦に速い攻撃を志向するハリルホジッチ監督だが、それでも攻撃陣の構成バランスを意識しながら布陣を組んでいる。浅野拓磨や久保裕也などFWタイプの選手が右サイドを担う場合、左にはある程度ボールを持って起点を作れる選手が必要になる。しかし、本田が右サイドの主力に戻れば、左は飛び出しや斜め方向の仕掛けがより有効になるのだ。もちろん原口や乾もそうしたプレーはできるものの、フィニッシュワークのスペシャリストである武藤が強力なオプションとして再浮上する。

もう一つ、武藤にとって明るい材料がE-1で試された布陣だ。ハリルホジッチ監督は試合の途中からではあるが、4-2-3-1のトップ下にFWの小林悠を置く実質的な“縦の2トップ”をテストした。中盤にスペースが生じることを嫌がる指揮官は完全な4-4-2を使いたがらないが、前線の中央にFWを2枚置く布陣の採用は高い位置で起点になれ、飛び出しもできる武藤には大きなアドバンテージになる。

大迫を前線、武藤をその後ろに置く形も考えられるが、相手のDFラインとの駆け引きに優れる武藤を前に置き、その後ろにキープ力のある大迫という並びの方がはまる可能性もある。もし杉本がパートナーであれば、武藤が後ろの方がフィットするだろうが、そうしたオプションの可能性も広がるわけだ。もちろん、E-1でこの形をテストされた小林や、武藤と同じく縦の2トップでより生きる可能性のある岡崎などもライバルになるが、純粋な1トップの座を大迫らと争うよりははるかに勝算がある。

また、ハリルホジッチ監督が4-3-3、4-2-3-1に続く“第3のオーガナイズ”として採用を示唆する4-3-1-2を3月のマリ戦か、ウクライナ戦でテストするのであれば、本格的な2トップを想定したメンバー構成になるかもしれない。

「本田の代表復帰による左サイドの役割の変化」

「縦の2トップという新オプション」

「第三のオーガナイズ(4-3-1-2)」

この3つは今のところ、可能性に過ぎないが、武藤としては現在のプレースタイルのまま次のメンバー発表に向けてゴールという結果を出し続ければ、道が開かれる可能性は十分にある。(文・河治良幸)

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