アース製薬研究所のマル秘エリアで繰り広げられるGとの仁義なき戦い

アース製薬研究所のマル秘エリアで繰り広げられるGとの仁義なき戦い

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/15

ひと昔前は、丸めた新聞を片手に部屋中を走り回ったもの。しかし、近頃の殺虫剤は、シュッとひと吹きで見事に相手を倒せたり、丸い容器を置くだけだったりと、かなりスマートになった。そんな殺虫剤たちはどうやって開発されているのか。アース製薬研究所のスタッフに開発の裏話を聞いた。

No image

第1回はこちら

■基礎研究だけで終わらない!

『ごきぶりホイホイ』や『アースレッド』で知られるアース製薬の研究所では、変化するライフスタイルや虫の生態系、利用者のニーズに合わせた製品開発のための研究が日夜行われている。

「研究所の役割として、虫の生態や殺虫剤の効果を調べる研究を行なっており、商品開発から生産、営業活動、そしてお客様の手に届くまでを考えた、わかりやすく、しかも使いやすい商品開発をしています」と話すのは、入社歴9年の浅井一秀研究員だ。

No image

浅井一秀研究員。殺虫剤以にも園芸向けなど、幅広い商品を手掛ける。

生物研究棟の3階にある様々な商品の効き目を実験するのも仕事のひとつ。「当社は生活用品を開発する会社として、安心、安全、快適な商品であることを心がけています」

商品開発本部の浅井一秀研究員は、とにかくゴキブリが嫌い。撃退方法を調べるうちにアース製薬の『ブラックキャップ』という商品の存在を知り、それをきっかけに入社したという。

No image

同じ系統の殺虫剤の効果を試験する様子。

■相乗効果を引き出すための実験を繰り返す

同じ殺虫剤でも使われる環境によっては効果が変わる。そのため効力試験エリアは、空間の大きさを変えたり、用途に合わせた使い方ができるようになっている。「試験を行なえば飼育室に、同じ服で入らないようにするなど、虫に対して細心の注意を払っています」

No image

開発の要である効力試験エリアは残念ながら撮影禁止。

No image

殺虫効果だけでなく、容器の形状や使い方のシチュエーションも調べるなど幅広い。

既存商品と比較するなど、試験の目的も様々である。「有効成分以外の部分、たとえば容器のサイズや形、色などが影響するかを調べることもありますし、時には屋外など場所を変えて調べることもあります」

『ブラックキャップ』という据置きタイプの殺虫剤だけでもいろいろな形状があり、ゴキブリは腹面と背面がぴたりと合う隙間が好きなので、入口の大きさもそれこそミリ単位で変えている。もちろん、それらも実験結果に基づくもので、どのように行っているかを再現してもらった。

No image

『ブラックキャップ』。巣に潜むゴキブリにも効くなど、7つの効果で人気。

大小のゴキブリが入ったケースの中に『ブラックキャップ』を置いた途端、隠れていたゴキブリたちが次々とエサを食べに寄ってきた。聞くと、数時間後には、ほとんどが死骸になるという。

見せてもらった餌にはくっきりとかじられた後があり、いかに効き目があるかがわかる。「さらに効果を高めるためにいろいろな試験を繰り返しています」

No image

『ブラックキャップ』は3種用意。右から時計まわりで、丸型が標準タイプ、屋外タイプ、スキマ用。

No image

『ブラックキャップ』を置くと、あっという間にゴキブリが集まった。

No image

■天然成分でも効果絶大!

最近の殺虫剤販売コーナーには、同じゴキブリ用殺虫剤だけでも種類がたくさんあり、違いがわからなくなってきた。その背景には、ニーズが細分化しているからと、浅井研究員は説明する。

「ゴキブリは長い間研究され続けてある程度データが揃っています。最近は密閉した住空間で小さな子どもやペットがいる家でも安心して使えるよう、殺虫成分を使わない製品の開発も進んでいます。当社製品としては、日本初の化学合成成分を含まない殺虫剤『ナチュラス 凍らすジェット』や、アロマ成分を使った『ハーブのゴキブリよけ』があります」

天然成分でも効果は絶大で、こちらも実験を再現してもらった。冷却剤を使った凍らすジェットは、➖85℃の冷気をシュッとひと吹きするだけで、あっという間にカチコチのGができあがり。そのあと、氷が溶けてももちろんGは身動きひとつしない。もうひとつの『ハーブのゴキブリよけ』の製品の実験では、天然成分の、ハッカ油を数滴Gにかけるだけ。それだけでもがきはじめ、数分もかからず動かなくなってしまった。

No image

『ナチュラス 凍らすジェット』。ほんのひと吹きでGが氷の塊と化した。

No image
No image

『ハーブのゴキブリよけ』は、芳香剤のようなケースデザイン。

No image

■研究から意外なコラボ商品が生まれることも

「冷却スプレータイプがそうですが、同じスプレータイプでもトリガー式にしたり、ノズルを長くしたり、使いやすさを工夫するだけでも効果に影響する場合があります。たとえば、洗剤業界では当たり前の計量や詰め替えがしやすい容器など、他の業界も参考にしながらお客様目線での製品開発を行なっています」

こうした研究所に蓄積されたノウハウは、他業界にとっても価値があり、全く異なる業界とのコラボレーションも行なわれている。繊維メーカーの帝人フロンティア(株)と開発した「スコーロン」は不快な虫が逃げる高機能衣料で、洗濯しても効果があることからアウトドアや屋外で働く人の間で人気があるという。他にも、防虫カーペットや建材、台所用品なども共同開発しているそうだ。

No image

Foxfire

『MEN'S SCフルガードフーディ』

1万2800円

「ナメクジなどの不快害虫に効果がある商品も開発しています。対象となる虫の種類も増えていて、越冬のために部屋の中で見かけるようになったカメムシや、ほとんど害はないけれどベランダで見かける赤くて気持ち悪いタカラダニなど、研究は尽きません」

No image

思いつきではなく、ニーズにひとつずつ応えようとする、堅くて真面目な取り組みは製品開発にも現れている。『ごきぶりホイホイ』や『アースレッド』のようなロングセラー商品の誕生にもつながっているのかもしれない。

次回はアース製薬の研究成果の積み重ねがそのまま商品になったともいえる『ごきぶりホイホイ』の開発秘話を、製造工場のレポートと共にお届けする。

取材・文/野々下裕子

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

コラム総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
「あんまり怒らない人」にありがちなこと8つに共感の声 「すごくわかる」「あるある」「当てはまりすぎて怖い」
1日1回のオーガズムで医者いらず!実は、女性の万能薬
「ハンバーガーがおいしいと思うファストフード店」ランキング 1位は断トツで...
【衝撃】リモコンにアルカリ電池を入れてはいけない本当の理由をマンガで解説! 愚か者が陥りがちな“乾電池の落とし穴”とは!?
リアリティーがありすぎる......! 子どもへの「サンタさん」の説明に「ステキ」「これは信じる」の声
  • このエントリーをはてなブックマークに追加