BMW『523d ツーリング』VS ボルボ『V90』ラグジュアリーなステーションワゴン対決

BMW『523d ツーリング』VS ボルボ『V90』ラグジュアリーなステーションワゴン対決

  • @DIME
  • 更新日:2017/09/17
No image

SUV人気全盛の今、ステーションワゴンの影が薄くなっている。だが、今年になって使い勝手と、快適性、安全性を追求したステーションワゴンが注目を集めている。人気復活のきっかけとなりそうな最新モデル2台を比較試乗した。

欧米の自動車メーカーと日本の自動車メーカーの商品ラインアップを比べると、ステーションワゴンの車種の違いが目につく。改めて、おさらいするとステーションワゴンとは4ドアセダンをベースにルーフをリアまで伸ばし、荷室スペースを拡大したクルマを指す。全高は約1.5mぐらいで、立体駐車場に収まるサイズだ。
最近ではほとんど見かけなくなったLサイズの国産ステーションワゴンだが、80年代はトヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダなど各社から発売されていた。それがミニバンやSUVの台頭により、すっかり影が薄くなってしまった。だが、これは日本市場に限った話。北米でもミニバンやSUVがファミリーカーのトレンドではあるが、GM、フォード、クライスラーはステーションワゴンを造り続けている。欧州では依然として、各ブランドがステーションワゴンを開発し、新型車を次々に投入。最近ではそれらが日本市場でも人気を集めているのだ。

◎先進技術がてんこ盛りのヨーロピアンワゴン

BMW『5シリーズ』は今年2月にセダンをフルモデルチェンジし、ステーションワゴンを6月から投入した。部分自動運転を可能とした運転支援や車外からクルマを前後方向にリモコン操作できるなど先進技術を採り入れたことで話題となっている。また、パワーユニットも2Lのディーゼルターボ(『523d』)や直列6気筒3Lガソリンエンジンなど独自技術を注入。走りの楽しさを追求したラインアップを用意している。

ボルボの『90』シリーズは、同社の最上級モデル。今年2月、セダン、ワゴン、クロスカントリーの3モデルがフルモデルチェンジし、同時にデビューした。2Lのガソリンエンジンをベースにターボ、ターボ&スーパーチャージャー、電気モーターハイブリッドを揃え、新しいプラットフォームのボディーは高剛性、高レスポンスがウリ。16以上の先進安全機能や運転支援機能を標準装備し〝安全なステーションワゴンNo1〟を謳っている。

いずれも国産車では味わえない、余裕のある居住性と美しく流麗なスタイリングも魅力のひとつ。大切な家族と長い距離をゆったりと走るのに、ベストな選択肢であることは間違いない。

◎部分自動運転に対応した先進ワゴン
BMW『523d ツーリング』

Specification
■全長×全幅×全高:4950×1870×1500mm
■ホイールベース:2975mm
■車両重量:1800kg
■排気量:1995cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
■最高出力:190PS/4000rpm
■最大トルク:400Nm/1750~2500rpm
■変速機:8速AT
■燃費:19.4km/L
■車両本体価格:813万円
※「ラグジュアリー」

No image

ボンネットからフロントドアまではセダンと共通デザインだが、リアのドアから後ろはワゴン独自のデザイン。ホイールベースもセダンと同じだが、全長はワゴンのほうが5mm長く、全高もルーフレールの分、20mm高い。

No image

テールランプの形状などはセダンと類似。リアサスはセルフレべリング機能付きのエアサスペンションを全モデルに標準装備。乗り心地とハンドリングの向上を図っている。後輪のトレッドもセダンより広めに取っている。

◎北欧の上質を極めたラグジュアリーワゴン
ボルボ『V90』

Specification
■全長×全幅×全高:4935×1890×1475mm
■ホイールベース:2940mm
■車両重量:1840kg
■排気量:1968cc
■エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
■最高出力:320PS/5700rpm
■最大トルク:400Nm/2200~5400rpm
■変速機:8速AT
■燃費:12.7km/L
■車両本体価格:779万円
※「T6 AWD インスクリプション」

No image

ホイールベースはセダンと同じだが全長はセダンより30mm短い。フロントドアまではセダンと同じデザインだが、リアのドアより後ろはワゴンのほうが車高が30mmほど高い。『523d』と違ってルーフレールはない。

No image

テールランプがリアウインドウの両端まで立っているのはボルボのワゴンのアイデンティティー。『V90』のトレッドと全幅はグレードによってセダンと異なる。車重はセダンより約20kg重い。全長は『523d』より長く見えるが短い。

《上質感たっぷりのインテリアと広々とした車内空間》

◎BMW『523d ツーリング』

■エンジンルーム

No image

1500回転からレスポンスがよく、5000回転まで使える2.0Lのディーゼルターボ。エンジン音もアイドリングから抑えられており完成度は最高レベル。

■運転席と各種装備

No image

メーター類やナビ画面など、視界に入るものはすべて高めの位置に配され、視線を動かすことが少ない。走りの楽しさを重視する思想が息づいている。

■シートスペース

No image

前席のサイズは大きめで身体をしっかり支えてくれる。後席の着座位置はやや高め。床面中央のトンネルは大きいが、頭上も足元も余裕あり。

■ラゲージスペース

No image

荷室床面とバンパーの段差はない。サブトランクも広くトノカバーも床下に収納できる。ドッグオーナーにうれしいアニマルネットも装着。

◎ボルボ『V90』

■エンジンルーム

No image

ボルボの最上位モデルは直列4気筒、2Lエンジンが基本。「T6」はこれにターボ+スーパーチャージャーを組み合わせて320PS、400Nmを得ている。

■運転席と各種装備

No image

ナビ画面のデザインが縦長になったことで見やすくなった。ナビのソフトは半年に1回、コンピューター経由で最新の地図データに更新できる。

■シートスペース

No image

やや小ぶりな前席。Aピラーによる斜め前方の死角も少ない。後席の天井は高めで左右、足元の広さは身長175cmでも十分。乗降性もよい。

■ラゲージスペース

No image

奥行き、左右幅とも余裕がある。トノカバーはリアゲートと連動し、上方に動く。後席の背もたれは4:2:4の3分割で使いやすい。

【ココがポイント!】

◎BMW『523d ツーリング』

●リアゲートのウインドウだけの開閉も可能

No image

『5シリーズ』のワゴンは伝統的にリアゲートのウインドウだけを開閉できるので、小さな荷物の出し入れが便利。ただし、開口位置が高いため閉じる時に力が必要。

●リモコン操作で駐車できる「リモート・コントロール・パーキング」

No image

中央にディスプレイがある付属のリモコンキーでクルマを前後に動かせるので、クルマを降りて幅の狭い車庫に駐車することが可能。操作も簡単だ。

◎ボルボ『V90』

●乗員を危険から守る安全装備が充実

No image

世界の自動車メーカーの中でも最も安全性能に力を入れているボルボ。後席のヘッドレストは手前に折りたたむことも、後方に起こすこともできるようになっている。

●使い勝手のいいラゲージスペース

No image

ラゲージスペースの床板は、写真のように一部を立たせて、買い物袋を掛けたり、手前にブリーフケースなどのカバンを置いて動かないようにすることができる。

〈優劣つけがたいほど完成度が高いステーションワゴンのトップモデル〉

◎BMW『523d ツーリング』

[運転性能]4気筒2.0Lのディーゼルターボは低回転からの上昇も軽快。ハンドリングは素直だがやや軟らかい印象。19点

[居住性]前後席とも身長170cm以上の大人が快適に座れる。リアのエアサスは常に安定した乗り心地を提供する。18点

[装備の充実度]安全装備は新しい技術を実用化し、標準化しているBMW。オーディオ系の装備も高性能で満足度は高い。18点

[デザイン]BMWの王道を行くフロントマスクはエアインテークを大きくし、ワイルドなイメージになったが美しさも両立。18点

[爽快感]コンフォートモードも、スポーツモードも走りは軽快だが、どのモードも乗り心地重視のセッティング。17点

[評価点数]90点

◎ボルボ『V90』

[運転性能]直4、2.0Lターボ+スーパーチャージャーは小排気量を感じさせない。20インチのタイヤはオーバーサイズか。17点

[居住性]前席から後席にかけての大きなガラスサンルーフは開放感がある。前後席ともにゆったり感があり快適そのもの。18点

[装備の充実度]早くも2018年モデルが登場するが何か所かアップデートされている。ホイールも19インチに変更される予定。18点

[デザイン]ヘッドライトにT字形のLEDライトを採用。グリルも昔のモデルをモチーフにするなど北欧デザインを踏襲。19点

[爽快感]洗練されたエクステリアとインテリアのデザインはしゃれ心もあって、乗る人すべてを楽しくさせてくれる。18点

[評価点数]90点

【OTHER CHOICE】
ステーションワゴンの開発に積極的な欧州メーカーと対照的な日本メーカー

ステーションワゴンの魅力は、全長が長く、広い荷室を持ちながら、セダンと同じ低重心での走行性能の高さを味わえるところにある。これはミニバンやSUVにはないポイントだ。だからこそ走行性能を重視する欧州のユーザーは、SUVがブームになっても依然としてステーションワゴンを選択する人が多い。ここが日本や北米のユーザーとの違いでもある。

このような背景もあって、欧州のメーカーは次々と様々なカテゴリーのステーションワゴンを投入する。実際に使い勝手のよさに関していうと、後席の居住性はセダンよりむしろ開放感があって、居心地はいい。

日本でもステーションワゴンのファンは多いが、最近は肝心のクルマがないのが実情だ。国産車のLサイズワゴンは、マツダ『アテンザ』か、逆輸入モデルのトヨタ『アヴェンシス』ぐらいしか思い浮かばない。レクサスが『GS』や『IS』をベースにしたワゴンを造るのではという噂もあったが、なかなか登場しない。この状況を見る限り、ステーションワゴン市場は、しばらく欧州車が牽引しそうだ。

No image

◎メルセデス・ベンツ『Eクラス ステーションワゴン』712万円~

No image

◎アウディ『A6アバント』666万円~

No image

◎フォルクスワーゲン『パサート ヴァリアント』349万9000円~

文/石川真禧照

※記事内のデータ等については取材時のものです。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
えっ、これ電動バイクなの!? フランス発・流線形カウルのレトロ調スクーター
9月の月例経済報告 「いざなぎ景気」超えの可能性
アート観賞が楽しめる人気の宿ランキング
日産 シルビア 15年振り復活へ...次世代「VC-T」エンジン搭載、10月公開か
スバル、東京モーターショー2017に「スポーツセダンタイプのコンセプトモデル」を出展 「S208」や「BRZ STI Sport」も発表予定
  • このエントリーをはてなブックマークに追加