松坂桃李主演作『不能犯』をアーティストがガチ観賞して賛否両論!?

松坂桃李主演作『不能犯』をアーティストがガチ観賞して賛否両論!?

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  • 更新日:2018/02/13
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掲載:M-ON! MUSIC

バンド界では一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今回は、無名だったころから小出部長が指示する白石晃士監督の最新作『不能犯』。思うところはいろいろあるようです……。

【写真】屈指の白石晃士監督作品マニアでもある小出祐介氏(右)と、その薫陶を受けてすっかり白石晃士作品好きになってしまったハマ・オカモト氏(左)

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■今回は観ながらノイズに思う部分がちょいちょいあった

──本年一発目の「みんなの映画部」、通算41回目。今回は『不能犯』です。「グランドジャンプ」連載中の人気漫画の映画化。当映画部おなじみのマエストロ、白石晃士監督の新作でございます。

小出 SCU(「白石シネマティック・ユニバース」。映画部独自の呼び名)を取り上げるのはこれで3本目ですよね。『ある優しき殺人者の記憶』(第7回)、『貞子vs伽椰子』(第26回)に続いて。

ハマ 『ある優しき殺人者の記憶』も映画部で観に行ってるんでしたっけ? 実は僕、ひとりで観たんです。

──あれはフェイクドキュメンタリー形式の傑作ですが、“普通の顔をした商業映画”の白石ユニバースとしては『貞子vs伽椰子』に続いて『不能犯』が2作目となります。まずは小出部長、ひと言よろしくお願いします。

小出 面白かったですね。「ウケた」って感じでした。

ハマ 新しい切り口ですね(笑)。

小出 うん、ウケた。

ハマ カタカナで“ウケた”。

小出 ただ正直ね、フェイクドキュメンタリーの白石作品に心酔し、前作『貞子vs伽椰子』も最高に楽しんだ身からすると、今回は観ながらノイズに思う部分がちょいちょいあったんですよ。

すごいうまい俳優さんに交じって、たまに“棒”な人が顔を出すっていう(笑)。これは結構引っかかったなあ。大事な場面に限って棒が出てくるんで、そこで集中力がいちいちパツンと切らされるっていう。

世武 あはははは。言い方が秀逸。

小出 いや、失礼な言い方だとは思いますよ(笑)。だけどさ、どこどこで事件だ! みたいなくだり、ここ緊張感が大事なとこじゃないですか。そこで棒が出てきちゃうとガクッとくるじゃん。

ハマ 完全に棒呼ばわり。

世武 あはははは。棒っていうのがもう染みすぎて(笑)。

──わりと大きめの製作規模になると、おそらく諸事情でキャストの演技レベルにバラつきが出る。これは日本の商業映画におけるネガティブな「あるある」ですよね。

小出 そうそう。もともと、白石さんってうまい役者さんが好きなはずなんですよ。ずっと低予算の作品を作ってきたから、役者さんがしっかりやれないと作品の強度が持たないわけ。

世武 なるほど、逆にね。

──いわゆるネームバリューはないけども、うまい実力者みたいな。あるいは素人っぽいけどリアルな存在感のある人ですね。

世武 その芝居の力で見せてくのね。

小出 ところが、やっぱりこういうメジャー作品になると大人の事情もあるだろうし、すべてが監督の思い通りの座組みにできるわけじゃないんだろうなと。そういうシステムと白石監督はすごい戦ってるんじゃないかっていう気がしました。

あと、白石演出と役者さんとの質的な相性もある。その意味では、僕は沢尻エリカさん(ヒロインの敏腕刑事・多田友子役)の演技もギャップを感じたんですよ。

ハマ 僕も大きな感想としてはそこを感じました。

世武 私もそうだなあ。

小出 沢尻さんの演技のタッチが、尼神インターの誠子さんみたいで。

ハマ お笑いの?

小出 そう、渚さんっていうヤンキーっぽい人の相方さんね。誠子さんはいわゆるブスキャラで売ってる芸人さんですけど、ネタでめっちゃいい女の役をやるのね。そういうわざとらしいいい女を、美女がわざとらしくやってるって見えちゃって。

──美女によるパロディですね。

小出 回りくどい言い方になっちゃったけど、どこかで見た気がする女刑事ではなく、沢尻さんなりの女刑事っていうのがあったんじゃないかなぁと。

■主演の松坂桃李さんのキャラクター造形はすごいステキでした

世武 私は白石監督のことあんまり知らなかったから、映画部のみんなから話聞いていて、ホラーコメディタッチのこととかも聞くじゃん。だから全部わざとやってんのかな? ってちょっと思った。

ハマ たしかに。実際「わざと」系ではあると思います。

──いつもすっごい微妙なラインでひねった笑いを成立させているんですよね。

小出 ここまでの話もそうだけど、そのさじ加減ってやっぱりめちゃくちゃ難しいんだなって今回痛感しました。「わざと」を活かした部分でも、「マジ」と混ざった時に、例え少量でも味濃く感じてしまう。マジであればあるほど、メタに面白く感じてきてしまうんですよね。ただ、主演の松坂桃李さんのキャラクター造形はすごいステキでしたよね。

世武 素晴らしかった。あの顔、すごいよ!

ハマ 本当に徹底している。きちんと漫画を三次元化するというか。ものすごく男前でスタイルのいい喪黒福造じゃないですか? 人間の心の隙間にするっと忍び込んで代理殺人を遂行する……このブラックな味わいは『笑ゥせぇるすまん』だなと。プラス『デスノート』。

小出 僕も思った。依頼を受けて仕事する点では、『必殺仕事人』もあるかもね。

世武 なるほど。

小出 暗がりで映えるキャラクターっていうところも。

世武 タッパがあるのもいいしね。いろいろハマってた。「いるのにいない」みたいな正体不明な感じが松坂さんにぴったりだったなって。

ハマ スタイリッシュでミステリアス。変な話、もしずんぐりむっくりの体型だったら、本当に異様なキャラクターというか。それこそ喪黒福造になってしまう(笑)。

小出 怪しくてカッコ良い、悪魔的な魅力のダークヒーローになりきってました。彼に対峙する刑事側のキャラクターでは、やっぱり新田真剣佑さんが好きだな。

世武 良かったね。真剣佑さん、初めて観たけど。

ハマ 年始(J-WAVEの特番)に話したように、真剣佑さんがやった『ジョジョ』の億泰に僕と部長がやたらハマってしまって。で、今回どうかな? と思ったら、やっぱり良いな! と。安心して観られる良い役者さんなんですね。

──芝居も安定しているし、フィジカルもきれい。走り姿とか。

小出 スタイル良いなあと。顔ちっちゃくて、ガタイめっちゃ良いみたいな。

世武 松坂さんと真剣佑さんがすごいスタイル良いからさ、画面映えめちゃめちゃするよね。立ってるだけで絵になるもん。

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)

★[後編](2018.02.14.18:00公開)へ続く

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活動第41回[前編]『不能犯』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、世武裕子、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)

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