英国メディアが見た日本。「大迫、半端ない」は少なく...コロンビアに勝利も実力には懐疑的【ロシアW杯】

英国メディアが見た日本。「大迫、半端ない」は少なく...コロンビアに勝利も実力には懐疑的【ロシアW杯】

  • フットボールチャンネル
  • 更新日:2018/06/21
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イギリスで大迫勇也の活躍は「半端ない」と伝えられていないが…【写真:Getty Images】

強調されたのは「コロンビアの自滅」

日本代表は19日、ロシアワールドカップ・グループH第1節においてコロンビア代表を2-1で下し、白星発進を飾った。日本中を歓喜に包んだこの一戦を、イギリスメディアはどのように報じたのか。(文:松澤浩三【イングランド】)

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試合前の下馬評では日本が圧倒的に不利とされていたロシアワールドカップのグループリーグ初戦・コロンビア戦。

例えば『ESPN』英国版では、元プロサッカー選手や記者などの識者10人を対象とした結果予想を行い、8人が日本の負けを主張し、残りの2人も「コロンビアが圧倒的に支配しながらの0-0」としていた。

他の各メディアに目を向けても、総じて日本に対してネガティブな内容のものばかりだった。しかし結果的には、日本代表がワールドカップの舞台では初となる欧州大陸での勝利を飾った。前回大会で1-4といいところなく敗れた相手に2-1、しかも南米の国を相手としては初勝利となる大金星を奪って見せたのである。

それでも、英国メディアの目は現実的だ。「コロンビアが早い段階で退場者を出したため」というのが大半を占めていて、実力で負かしたとは考えられていない。ラジオ番組に登場した、戦術的な記事を得意分野とするフリーランサー、マイケル・コックス記者もその1人で、「こうなるとは思わなかったが、序盤のレッドカードに大きく影響された試合だった」と語った。

そして試合内容の焦点はあくまでコロンビアであり、「10人にしては、特にエースのハメス(ロドリゲス)がいないのに、コロンビアは悪くなかったし、前半は特に試合を支配していた。しかし後半に入って、疲れもあったせいで勢いが落ちた。ただコロンビアのセンターバック2人は試合を通して酷かった。特にダビンドソン・サンチェス。彼はアベレージレベルの日本代表のFWに簡単にやられていた」としている。

大衆紙の『サン』も、試合後に日本人サポーターが観客席を掃除する精神を褒めたたえた一方、試合内容については、実力に勝るはずのコロンビアの自滅を強調。開始3分でのカルロス・サンチェスのハンドによる退場について、多くのサッカーファンが軽率だったと考えているとして、一部のツイッターの投稿を紹介している。

「カルロス・サンチェスはクレイジーだ。試合開始から3分で、馬鹿げたことをした。もし失点したとしても、まだ残りは87分もあって逆転可能だったはずだ。#WorldCupRussia2018 #COLJPN」(@AcuteLuther)

英国で「大迫、半端ない」は…

プレー内容について最も詳しく、好意的だったのは『BBC Sport』のウェブサイトだろう。端的に言えば、「コロンビアは開始直後に退場者を出したうえ、ハメス・ロドリゲスが万全ではなく途中出場にとどまった。前半の日本は10人を相手にしているようには見えなかったが、後半はボール占有率も高く多くのチャンスを作り、最後にはその1つをモノにした」という内容だ。

さらに同サイトの別の記事では、今大会出場全チームからファン投票によるグループリーグ第1戦終了時点のベストイレブンを発表。その中には香川真司が3-4-3の中盤右サイドの選手として選出されている。またサプライズとして、乾貴士の名前も挙げられている。この2人については高級紙『インディペンデント』でも「リンクアッププレー(直接的な連係プレー)が良かった」と評価されている。

決勝点を決めた大迫勇也については、日本ほど「大迫、半端ない」といった内容は出ていないが、殊勲のゴールを挙げたために見出しに使われることが多く、『ガーディアン』紙や『イブニング・スタンダード』紙では「大迫のヘディングがコロンビアを沈めた」と評している。

彼ら攻撃的な3選手が高い評価を受けているのに対して、GK川島永嗣への評価は辛らつなものが少なくない。

前述のラジオ番組に登場した、英国を中心に活躍するロシア人ジャーナリストのサシャ・ゴリュノフ記者は、「川島のゴールキーピングは酷かった。余裕で押さえるべきフリーキックだったが、なんで判定に不服を言っているのか分からない。自分のミスをかばうためにしか見えなかった」とばっさり切った。

確かに好フリーキックだったとはいえ、英国でよく使われる「ソフトゴール」の典型ともいえる “防げた”ゴールという見方が一般的だった。

元イングランド女子代表を「ギャフン」と言わせたい

ちなみに、話は逸れるが、ゴリュノフ記者はこの試合で最も素晴らしかったこととして、高円宮妃久子さまの訪露、そして現地観戦を挙げている。

「日本の皇族が公式にロシアを訪れたのは102年前が最後のこと。1916年に条約を結びにきたときやってきた以来のことで、歴史的な瞬間だった」と、感動した様子で語っていた。

話を戻そう。何はともあれ、日本は勝ち点3をモノにしてグループリーグ突破に向けて前進した。

「もともとこのグループは最もオープンな組だったが、日本とセネガルが勝ったことにより、さらにオープンになっている。誰が通過してもおかしくない、最も興味深いグループだ」と、前出のコックス記者が話したとおり、2試合目、3試合目が非常に楽しみになっている。

そして決勝トーナメントの1回戦では、イングランドの属するグループGから抜けた国が日本の属するグループHの国と対戦するため、互いのグループ通過順位によっては両国が対戦する可能性も十分にある。もし叶えば、どちらの国にもなじみの深い筆者にとってはとても嬉しいこと。

しかしコロンビア戦の解説を務めた、元女子サッカーイングランド代表のアレックス・スコットは、次のようなコメントを残している。

「イングランド代表がチュニジア戦の前半30分のようなプレーができれば、(グループHの初戦で勝利した)日本だろうがセネガルだろうが関係ない。勝てるはずよ」

“ギャフン”と言っている人を生まれてこの方見たことはないのだが、スコット氏にはサムライブルーの活躍でギャフンと言ってもらいたい……。大人げなく、そう切に思ってしまった。

(文:松澤浩三【イングランド】)

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