戦国武将は「華道」をやっていた!? 女性初の次期家元が語る

戦国武将は「華道」をやっていた!? 女性初の次期家元が語る

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  • 更新日:2017/09/15
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池坊専好(いけのぼう・せんこう)/1965年、京都府生まれ。四十五世家元専永氏の長女由紀として生まれる。89年に得度し、華道家元次期四十六世に指名される。2015年に「由紀」から名を改め、「四代目専好」として活動をスタート。国内外で積極的に生け花振興に力を注ぐ。紫雲山頂法寺(六角堂)副住職、日本いけばな芸術協会副会長、アイスランド共和国名誉領事なども務める。著書に『花の季』、『いけばなときもの』(共著)などがある。(撮影/写真部・岸本絢)

華道家の四代目池坊専好さんの登場です。今年公開された映画「花戦さ」では、千利休らと親交があった初代専好の役を野村萬斎さんが演じ、話題になったばかり。戦国時代は豊臣秀吉などの武将が華道をたしなんでいたそう。作家・林真理子さんとの対談で語ってくださいました。

*  *  *

林:秀吉が咲き誇る朝顔を見に利休の庵に行ったら、全部刈り取られていて、お茶室に一輪だけ飾られていたという有名な話がありますよね。映画では専好さんが初めて千利休のところに行くと朝顔が咲いていて、そのうえで一輪生けてあるじゃないですか。お花のおうちの方としては、全部取っちゃうのはちょっと忍び難くてああなったのですか。

池坊:いや、取っちゃうこともありますよ。たくさんのものじゃなくて、いかに取捨選択して必要な一輪だけにしていくか、ほかの余分なものは切り捨てて、究極の一輪、究極の一枝にすることがとっても重要で、足し算の美ではなくて、引き算の美を考えています。だから、朝顔の一輪という話はとても相通ずるところがあるなと思います。

林:あの時代は男性がたしなみとして花を生けてたんですね。

池坊:そうなんです。明治期に女子教育に取り入れられる以前は、生け花をするのはほとんど男性で、むしろそれがあたりまえだったんです。

林:そうなんですか。

池坊 実は去年池坊では、若手男性陣による生け花ユニット「IKENOBOYS」を発足しました。男性が生け花をするのは珍しいことじゃないんだよということを、皆さんに知っていただこうと思っています。

林:男の人たちが必修教養で花を生けるって、なんだかいいですよね。

池坊:生ける花も、カラフルな花ばっかりじゃなくて、松とかヒバとか緑の太い木を生けてる姿は凛々しい感じがしますね。

林:萬斎さんはおばあさまが池坊をやってらしたので、はさみの使い方も知っていたそうですね。

池坊:読経の指導もうちのお寺(京都・頂法寺=六角堂)の者がさせていただいたんですが、萬斎さんは狂言というきちっと型がある世界で生きてこられたから、読経の姿がとっても板についていて、昔からされてたのかなと思うぐらいでした。型をパッととらえて自分のものにする力がすごくあるんだと思いますね。

林:脚本は森下佳子さんで、今、「おんな城主 直虎」を書いてる実力派の方ですね。

池坊:まじめなテーマを森下さんが鋭い感性で料理されて、セリフや表現はコミカルなところもあるので、ところどころで笑っていただけたら。映画の最初と最後は、専好が石を積んで亡くなった方に花を手向けるのですが、ああいう場面に生け花の原点、本質が出ているなと思います。

林:出演者はすごく豪華ですね。野村萬斎さん、市川猿之助さん、佐藤浩市さん、中井貴一さん……。

池坊:ねえ。本当にすごい(笑)。

林:池坊さんのリクエストですか。

池坊:いえいえ、篠原(哲雄)監督、小滝(祥平)プロデューサーと東映さんのお力で、こちらは何も言ってないです。映画化に関しては全面的におまかせしました。生け花の作品協力はしましたけれども。

林:今、池坊さんは全国で門人の方は何人いらっしゃるんですか。

池坊:支部は日本で約400、海外で約100あります。

林:池坊が全国的に大きくなったのは江戸時代ですか。

池坊:そうですね。江戸のころに門弟さんが薩摩や琉球まで広がったということが、『永代門弟帳』に書いてあります。

林:薩摩のお侍がお花をやってたんですか。

池坊:けっこう武将が華道をやってたんです。心を整えるとか修練のためにね。そして明治期になると、女子教育の中に生け花が取り入れられるようになるわけです。

林:昭和40年代から50年代は、企業が女子教育に力を入れて、お茶とお花の教室をやってましたよね。会社でお花をやって、それを紙に包んで持ち帰る若い女性をよく見ました。

池坊:あのころは生け花がいちばんよかった時代で、花嫁修業的な要素もあって、会社の福利厚生の一環で、皆さんがお花を生けて持って帰るのが一般的な風景でしたね。

林:女性のたしなみとして、お花は池坊、お茶は裏千家が常識でした。

池坊:当時に比べると、会社にもそんな余裕はありませんし、様変わりしました。今は、会社の帰りにお稽古ができて、何回やればこれぐらいのお免状がとれますよという、とてもわかりやすいシステムを導入してるんです。それに若い方がけっこう来てくださって。生け花人口そのものは減ったんですけど、やりたい人が自発的にやる形に変わってきたのかなと思います。

※週刊朝日  2017年9月22日号

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