全米メディアにまで波紋を広げた大谷の165km。「日米最大の衝撃だ」

全米メディアにまで波紋を広げた大谷の165km。「日米最大の衝撃だ」

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  • 更新日:2016/10/19
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大谷の165キロは全米にまで衝撃を与えた!写真・黒田史夫

米スポーツ専門テレビ局のESPNの元キャスターが立ち上げた新興のスポーツウェブサイト、ザ・リンガーが、日本ハムの大谷翔平選手の特集記事を掲載した。

ザ・リンガーではメジャーリーグのプレーオフを伝えるカテゴリーで大谷の活躍を取り上げた。

特集記事を書いたのはベン・リンドバーグ記者で、「ハビア・バエズとアンドリュー・ミラーには謝らなければいけないが、2016年のポストシーズンで最も衝撃を与えたのは、メジャーリーグの球場から4300マイル(約6900キロ)離れた場所で起こった」という書き出しだった。

ナショナルリーグ優勝決定シリーズ第1戦でホームスチールを決めたカブスのバエズよりも、ア・リーグ優勝シリーズで2日続けて救援し、奪三振の山を築いたインディアンスのミラーよりも、日本のクライマックスシリーズファイナルステージ第5戦の大谷のほうが印象深いとしているのだ。

記事では、「大谷が日本で最良の先発投手である」と紹介し、「クライマックスシリーズと呼ばれるプレーオフのソフトバンク戦で救援し、三者凡退に抑えた。165キロの速球、103マイルのボールを投げて。その165キロは彼が記録した9月に記録した164キロ、6月に記録した163キロを破るものだった」と詳しく伝えている。

さらに「89マイル(143キロ)のスライダー、94マイル(151キロ)のフォークボールも投げる」とし、SNSで大谷のピッチングにインスピレーションを得て大谷をポケモンマスターとみなしたイラストが投稿されたことも付け加えた。

ザ・リンガーは前のめりになるかのような読者に「拍手をするのはまだ早いのです」と返す。

「大谷は第1戦で7回を無失点に抑えている。メジャーリーグのエースがプレーオフで先発もし、クローザーとして活躍するのは、私たちも見た。私がそれらと区別したいのは大谷は打者でもあるということ」だと、ドジャースのカーショーが先発と抑えでナ。リーグ地区シリーズで大貢献したことを引き合いに出したうえで、大谷は、二刀流であり、カーショーとさえ区別するという絶賛ぶり。

さらに記事はメジャーのスーパースターたちをなぞりながら、大谷を非常に高く評価している。
「大谷はノア・シンダーガード(メッツ)のような球を持っており、防御率と奪三振率はクレイトン・カーショー(ドジャース)であり、出塁率と超打率を足し合わせたOPSはデービッド・オルティス(レッドソックス)のようである。彼には穴がない。盗塁は9個試みて7回盗塁している。ありがたいことに彼はシルバースラッガー賞にあたるベストナイン賞の資格さえある」と表現した。

統計記事を得意とするベン・リンドバーグ記者は、大谷の詳しい記録にも踏み込んでいる。日本のデルタグラフを紹介し、「はWAR(そのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利を上乗せしたか)が10.4であり、打者としては4.6、投手として5.8であると伝えた。投手と打者を合わせたWARはマイク・トラウト(エンゼルス)の最高のシーズンと大まかにいって同じではないだろうか」と述べた。

数字から大谷の力を図ろうとする試みは続く。

米国には日本の選手をメジャーリーグの成績に換算しようという試みがあり、Zipsプロジェクションと呼ばれる換算法が考案されている。これによるとNPBはメジャーリーグの85-90%の難易度だという。

「これを考慮すれば、大谷の成績はメジャーリーグよりもややレベルの低い選手との対戦で少し上積みされているだろう。また、WARの数字が驚くほどよいのは日本の試合数がメジャーに比べて少ないことと、マメをつぶして登板数が少なかったこととも関係しているだろう」と冷静に分析もしている。

また、球速から大谷とメジャーリーグのトップ投手を比較。「メジャーリーグでは大谷よりも平均球速が速い先発投手は5人しかいない。大谷は必要なときには100マイル(160キロ)を投げることのできる投手だろう。彼はそうしなければいけない打者と対戦すれば、より速い球を投げることが増える。世界で2番目にレベルの高い日本のプロ野球で相手選手をリトルリーグにしてしまうようなプレーをしている」と伝えた。

投手としての大谷の特徴を「NPBで90イニング以上投げている投手のなかでは、2番目に引っ張った打球を打たれていない投手でもある。また、ストライクゾーンの外の球を振らせる率は、4番目で、打者にコンタクトされる率は最も低い。大谷のカーブは日本で最もよく、フォーシームは3番目、スライダーも3番目。彼の投げるすべての球はやっかいだ」と日本のデータを悔しく分析して説明。

打者としての特徴は「打者としても、パ・リーグの平均的な打者よりも良い。バットを振り回す選手ではなく、四球率もランキング8番目である」と紹介した。

そして大谷の二刀流がメジャーリーグでも可能かということについてはこのような見解を披露した。

「大谷は7月で22歳になった。もし、彼が日本より難易度の高いメジャーに来て、二刀流を続けるのならば、健康と心身が成熟していなければいけないだろう」と書いた。

そして「最大の関心は日本からのストリーム放送ではなく、私たちが近くで彼を見ることができる日はいつか? ということである」と、まだ海外FA権を持っていない大谷へ熱いラブコールを送った上で、ア・リーグのスカウトの大谷二刀流が可能かどうかの見解を紹介した。

「ア・リーグのあるスカウトは、『それは素晴らしいストーリーだろうけど、過去にイチローと松井秀喜以外の日本から来た打者はそれほど素晴らしい成績は残していない。ただし、不可能と言っているわけではない。彼は、かなりレベルの高いリーグで圧倒的であるのだから』と話していた」

記事では、「大谷がメジャーでなく、日本ハムと契約した理由のひとつに、日本ハムが二刀流への道を閉ざさなかったことがある」と、日ヘムへの入団事情を明かした上で、もう一人のスカウト評を紹介した。

「インディアンスやヤンキースのスカウトをしていたデーブ・デフレイタスは、『大谷が打者より投手としてのほうが優れている』としている。『しかし、将来、メジャーでライトを守ることができるともできるのではないか』としているそうだ。肩がよく、打球を読むことにも長けていると評価。走者としては20-80まで評価すると、70だという」

メジャーでは、野手のバッティングのミートとパワー、走塁技術とスピード、守備力、送球能力の5項目がすべて水準の60以上である選手を「5ツールプレーヤー」として表現するが、「もし、我々が10ツールプレーヤーとして誰かを表現するのならば、それは大谷だろう」とまで断言。二刀流の大谷は、5ツールの倍の「10ツールプレーヤー」とまで表現した。

本当に大谷は、メジャーに来ても通用するのかという疑問については、「(ホワイトソックスの)ホセ・アブレイユ(キューバ)のときは、彼の欠点を知る方法はなかったし、私たちも彼の強みにばかり注目していた。大谷の才能は、アブレイユのようにミステリーではない。私たちは見ようとすれば、いつでも大谷を見ることができる。ミステリーは、メジャーのなかに難しいことをやってみようとする球団があるかどうかだ。私たちがもう二度と見ることがないかもしれないスポーツスーパー兵器を追いかけて、リスクを冒すということをやるかどうかだ」と表現した。

リンドバーグ記者は、大谷がメジャーでどのくらいのパフォーマンスを発揮するかよりも、メジャーの球団が二刀流の大谷をどのように起用するかに不安があるようだが、海を越えて、早くも二刀流議論を巻き起こさせるほど、大谷の能力はワールドクラスで見てもズバス抜けているのだ。全米メディアは、メジャーのポストシーズンだけでなく、大谷が投げて、打つ、日本シリーズにまで注目している。

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