ヤフーとLINE、ここからの大再編で「危なくなる会社」の名前

ヤフーとLINE、ここからの大再編で「危なくなる会社」の名前

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/11/18
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ヤフーとLINEの「1億人経済圏」

日本株の勢いがとどまるところを知らない。

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〔photo〕gettyimages

11月8日には日経平均株価が2万3591円をつけて年初来高値を更新。その後も、2万3000円台を下値に維持しながら、株価は堅調モードが続いている。

東京証券取引所が発表した最新統計によれば、11月第一週の日本株の買い越し額は約5000億円。5週連続の買い越しを牽引しているのは海外マネーであり、日本株にジャブジャブとカネが入ってきていることがよくわかる。

「TOPIXは昨年10月来の高値を更新するなど好調。年末に向けてこの勢いが維持できれば、日経平均株価は2万5000円突破との声も出てきた」(アナリスト)

そんな好調な日本株市場をさらに盛り上げるように、先週話題騒然となったのがヤフーとLINEの経営統合話である。

発端は11月13日、日本経済新聞社が「ヤフーとLINE経営統合へ」と報じたことにある。

「5000万人以上のサービス利用者を抱えるヤフーと、8000万人を超える利用者を抱えるLINEが経営統合に向けた最終調整に入ったとの内容で、関係者たちの度肝を抜いた。単純計算で、両社を合わせて『1億人経済圏』が生まれるということ。これまで日本のIT企業は規模感で海外勢に大きく後れを取っていたが、新たなビッグカンパニーが生まれることへの期待感が高まっている」(前出・アナリスト)

メガバンクや大手証券も戦々恐々

ヤフーとLINEの経営統合をめぐってなにより期待感が高まっているのが、両社がともに力を入れている決済サービスの面だ。

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ヤフーはPayPay、LINEはLINE Payを手掛けていて、ともにキャッシュレス市場で覇権を争っているが、ヤフーとLINEが経営統合すればこの決済サービスが統合する可能性も出てくるからだ。

「キャッシュレス業界では似たようなナントカペイという名称のサービスがあまりにも多く乱立していることで、むしろ消費者の利便性を損なっているという指摘があり、それが日本のキャッシュレス普及の足かせになっていた面は否めない。

そこへきてトップ2のサービスであるPayPayとLINE Payが統合すれば、いよいよ文字通り最大かつ最強のキャッシュレスサービスが生まれることになり、一気に市場を制するポテンシャルを秘めている」(大手金融機関幹部)

世界的にいまIT業界では既存サービスの頭打ち感が高まる中で、「決済をいかに制するか」がキーポイントになってきている。

いまだ既存金融機関が大きな利権を握る業界だけに、新興IT勢もその牙城を崩せないでいるが、日本最大のキャッシュレスプラットフォームが誕生すれば、これまでのメガバンクや大手証券を含めてそのパイを一気に奪う可能性も出てくるのだ。

ネット業界の「大再編」が巻き起こる

もちろんそれだけではない。財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏は「ネット業界の大再編が巻き起こる」と指摘する。

「ヤフーを傘下に抱えるZホールディングスは、ネット広告から、ネット通販にまで領域を拡大していて、今夏にはアスクルを子会社化したり、ZOZOとも資本業務提携をしています。ヤフーとLINEが経営統合すれば、こうしたネットサービス面でも両社の力が増すことが考えられる。ネット業界地図を大きく塗り替えるでしょう」

じつは、そこでもヤフーとLINEが巨大キャッシュレスプラットフォームを握っていることがポイントになってくる。

これからはヤフーショッピングでも、ZOZOでも、LINEスタンプでも、同じようなキャッシュレスサービスで購入できるとなれば、その利便性は計り知れない。その利便性から顧客が増え、顧客が増えることによって各種サービスのユーザーも増えていくという好循環が回っていく可能性が高いのだ。

「ヤフーとLINEの経営統合報道が出てから、すでにZホールディングスの株価は急騰しています。両社の統合の全貌が見えてくるまで、しばらく上値を追う動きが強まりそうです」(前出・藤本氏)

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こうした動きが加速する中にあって、いま注目が高まっているのが楽天である。

ヤフーなどと同じく日本のIT業界を牽引してきた巨大企業だが、もちろん今回のヤフーとLINEの経営統合が実現すれば、影響は避けられない。

巨大な経営リスク

前出・藤本氏が言う。

「楽天はネット通販の最大手企業で、現時点では国内のネット企業で売上高首位です。現時点ではと書いたのは、LINEとヤフーが経営統合すれば、統合新会社に抜かれ、2位に転落することになるからです。実際、このニュースによって、楽天の株価は急落しています」

楽天は「楽天ポイント」という巨大経済圏を抱えており、絶好調。楽天内で証券、旅行などのサービスを抱えて、ポイントとの相乗効果でサービスを拡大しているが、ここでも「ヤフー・LINEグループ」は巨大なライバルとなる。

「IT業界ではより便利がサービスが誕生した途端、オセロの白と黒があっという間にひっくり返ることがあるだけに、心穏やかではないはず」(前出・アナリスト)

最近の楽天は「第4の携帯電話会社」としても期待されていたが、サービス開始時期が遅れるなど失策も目につくようになっている。そんなタイミングでの巨大ライバルの誕生は、余計に楽天にとって大きな経営リスクになりかねないという点にも注意が必要だ。

「携帯電話事業の巨額投資を控えており、しかも通話品質懸念があったところに、またもや悪材料ということになる。楽天の株価は、しばらく上値の重い展開が続きそうです」

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いったいどれだけの会社が勝ち残れるか……

最後に今週の『Phantom株価予報AIエンジン』が注目するもうひとつの銘柄を紹介しよう。

九州フィナンシャルグループ (7180)がそれ。

こちらはZホールディングスと同様、株価上昇が予想されている。

前出・藤本氏が言う。

「九州フィナンシャルグループは、肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合した企業で、総資産は地銀8位企業です。11月12日に、2020年3月期の中間決算を発表、減益ながら事前のアナリスト予想を上回り、自社株買いを発表したことから、株価急伸しています。しばらく、空売りの買い戻しも入りそうで、堅調相場が強まりそうです」

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日本企業の決算ラッシュも落ち着き、ここからは各企業の選別がより鮮明となる業績相場へと入っていく。最近では大企業同士の大再編劇も多く巻き起こるなど、なにが起きてもおかしくない状況の中で、いったいどれだけの企業が勝ち残れるのか――そんな今週の日本株市場では、Zホールディングス、楽天、九州フィナンシャルグループに注目したい。

今週のAI株価予報」とは

財産ネット社(https://zaisan.net/)が独自開発した株価予測AI『Phantom AI』が、トレンド分析し、未来の株価を計算しています●「目標株価」は、翌営業日に80%以上通過すると期待される範囲になります(225銘柄でバックテスト検証済)●「押し目買いゾーン」、「吹き値売りゾーン」は、一般的には上髭下髭エリアです。一時的に値が動いた場合、その後目標株価へ収束する可能性が高いゾーンです。ゾーンを超えて推移した場合は、当エンジンの想定を超えるイベントが発生した可能性が高くなります●この予測をもとに個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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