オリックス・T-岡田が得た12年目の確信「自分が動けばチームが動く」

オリックス・T-岡田が得た12年目の確信「自分が動けばチームが動く」

  • ベースボールキング
  • 更新日:2017/10/12
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9月5日のソフトバンク戦8回1死一、二塁、右越えに同点3ランを放ちガッツポーズのT―岡田=京セラドーム

◆ どら増田のオリ熱魂!第19回・T-岡田

7日に京セラドーム大阪で行われたオリックスの本拠地最終戦では、試合後に本拠地最終戦恒例のファンクラブ会員を対象としたハイタッチ会が企画されていた。このハイタッチ会は当日のベンチ入りメンバーはもちろん、その年に一軍昇格を果たした全選手が対象となっており、ファームとの兼ね合いもあるが、可能な限り選手が参加するとあって、楽しみにしているファンも多い。

しかし、今年の最終戦はナイター開催だったため、試合時間が21時30分を超えた場合は中止になることが予め告知されていた。結果は楽天相手に0-7で惨敗を喫し、試合が終了したのは21時46分。9回表終了時には中止のアナウンスが流れたが、ほとんどのファンが席を立たなかった。

ここでイベント中止に異を唱えたのが選手会長のT-岡田だった。T-岡田は「最終戦でこんな試合を見せてしまって、僕らから何もないというのは申し訳ない」という気持ちから球団側にイベント開催を打診したという。

残念ながら終電や周辺住民への配慮から開催は見送られたが、岡田は選手会長の務めとして選手とともにライトスタンドの前まで行くと、真っ先に帽子を取って深々と頭を下げた。この瞬間、それまで声援と罵声が拮抗していた球場内の雰囲気が一変。ライトスタンドからは選手たちに「ガンバレ!ガンバレ!バファローズ」という大きなエールが送られた。

◆ 7年ぶりの30本越えも……

自身としては7年振りに30本越えを達成したが、今季の成績に関しては「目指していたのはそこじゃない。順位のこともありますし、全然納得のできる年じゃなかった」と振り返る。

【T-岡田の最終打撃成績】
試合数:143試合(123試合)
本塁打:31本(20本)
打 点:68点(76点)
打 率:率.266(率.284)
出塁率:率.374(率.357)
得点圏:率.250(率.269)
※()内は2016年の数字

昨年に比べると打率と打点は落ちたものの、なかなか実現できなかった全試合出場は称賛されるべきだし、本塁打も『本塁打王』のタイトルを獲得した2010年(33本)以来の30本越えを達成。今季の31本は、ソフトバンクの柳田と並んでパ・リーグの日本人選手ではトップの成績だ。3・4月はパ・リーグ野手部門の月間MVPを獲得し、ひさびさにオールスターにも選出された。

昨年の春先にT-岡田が調子を落とした際、本塁打王を獲得した2010年の映像などを一緒に見ながらマンツーマンで再生に乗り出し、見事復活に導いた下山真二打撃コーチは、今季のT-岡田について「自分のスイングをする確率が上がっている。しっくりするイメージに近い感覚を維持できているから、思い切ってバットを振れている」と分析する。

今季は1番や2番で起用される場面も多く見られたが、これに関しては「本来はしっかり打ち込めばクリーンナップを打つバッターなんだけど、今年は相手が嫌がる打順を組んだ結果、あのような形になった」と説明してくれた。

◆ 確信の先に……

9月5日に行われたソフトバンク戦(京セラD大阪)の8回には、打った瞬間にバットを片手で掲げるほど会心の3ランをライトスタンド5階席に放り込み、一時は試合を振り出しに戻す貴重な一発を放った。最終的に敗れはしたが、実にT-岡田らしい印象に残るホームランで、今季を振り返る映像のエンディングにもその場面が使用された。

「あのホームランは手応えがありました。負けてしまったのであまり喜べないんですけど(苦笑)。今年は打点に重点を置いていたので、悔しいし不甲斐ない。ロメロがいなくなったとき、チームを救える存在になりたかった。チームの雰囲気は、昨年に比べたら変わったと思いますけど、順位が4位ということはまだ足りないんでしょう。チームとしてまだまだ成長していかなきゃいけないし、変わらなきゃいけない」

今季の自身のことやチームのことを振り返りつつ、反省しきりのT-岡田だったが、気がついたことがあったという。

「自分が動けばチームを動かせるということを確信したので、それを来年は生かしていきたい」

これこそファンが待ち望んでいた言葉ではないだろうか。「自分は気が利いたことを言えるタイプじゃない」というのがT-岡田の口癖だったが、今季は選手会長になったことで、チームを自分が動かしていこうという気持ちになれたのは大きな収穫といえるだろう。

冒頭の話題ではないが、T-岡田が動けばチームだけではなく、ファンも動く。千葉での最終戦に大阪や神戸からたくさんの遠征組が駆けつけていることを伝えると、「それは嬉しい。本当に力になります」と語り、表情を緩ませてロッカールームに入っていった。来年こそは、本拠地最終戦でファンと“歓喜のハイタッチ”をかわす姿を、私たちに見せてもらいたい。

取材・文=どら増田

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