急成長のスタートアップはなぜ「徹底的な会話」にこだわるのか

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/02/15
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2012年にイスラエルで創業したマーケティング支援企業、「Datorama(デートラマ)」。ラン・サリグが手がける同社は現在ニューヨークに本社を置くなど、全世界16拠点で事業を展開。アルファベットの会長、エリック・シュミットの「INNOVATION ENDEVORS」を筆頭に、これまで累計で5000万ドルの資金調達を行なっている。

彼らの特徴は、創業時(Day1)からグローバル展開を志向したスタートアップであり、それをすでに実現している点だ。なぜ、イスラエル発スタートアップ企業は、グローバルに急拡大する組織を構築できたのか。

──創業時、どのような戦略を描き、どのような組織構築を目指したのか。

ラン・サリグ(以下、サリグ):創業時から、我々の戦略は「Go Global」だった。そもそも、我々が戦う、クラウド経由でサービスを提供する「SaaS」型プラットフォーム領域は、ローカルチューニングの必要性が相対的に少ない。マーケティング支援のSaaS型プラットフォームも、グーグルの検索エンジンのように最も強いプロダクトのみが生き残る市場だ。

だからこそ、プロダクトをローンチして2か月後には、ニューヨーク、ロンドン、シドニーに拠点を開設。いち早く市場における先行者優位性を築き、グローバルでナンバー1の地位を確保しようと考えた。

世界的に見ても、創業時点で「Go Global」を志向したがらない企業は多い。世界に広がる組織をまとめ上げること、組織文化を維持することはとても困難だからだ。我々もその点は理解していたが、グローバルに事業運営をする大企業を顧客にし、その成功例を、顧客とともに全世界的に迅速に展開していくという明確な事業戦略があった。生き残るために、やり抜かねばいけないと思っていた。

──グローバル展開する組織づくりにおいて重要なことは。

サリグ:最も大事なことは、最高のカントリーマネジャーを見つけることだ。私は、デートラマを創業する前に、1社起業をし、残念ながら失敗した。自分よりも優秀な仲間をチームに引き入れることができなかったことが失敗の原因だと思う。その経験からデートラマでは、「最高のカントリーマネジャー」となる人材を見つけることに可能な限り時間を割いている。

求めているのは、現地のマーケット、商習慣を深く知り、起業家精神に富み、孤独であることを厭わない人材だ。さらに、人間として魅力的であること重要。カントリーマネジャーは、人を雇い、チームを形作っていくリーダーなのだから。人を巻き込み、引き入れるだけの魅力を持っていないといけない。

日本のカントリーマネジャーの布施一樹については、前職でともに働き、日本というマーケット、商習慣への深い知見と起業家精神を持つだけではなく、人を魅了できる素晴らしいリーダーだと確信していた。優秀な彼を説得するのにはとても時間がかかったけどね。

──リーダーとなる人物をどのように評価するのか。

サリグ:正直に言って、とても難しく、特効薬はない。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。これまでのキャリアで数千人を面接してきていると思うが、いまだに自信がない。

とはいえ、私が魅力的だと感じ、一緒に働きたいと思った人材に会った時にしていることがある。それは、その人物のビジネスのエコシステムに可能な限り入りこみ、”人となり”を理解することだ。クライアントや上司、同僚がその人物をどのように評価するのか。それを、しっかり聞き取るように努めている。レファレンスチェックをすることで、少しでも判断の精度を高めている。

具体的にいえば、仕事ができることも大事だが、一緒に働く上で心地よい人なのかどうかが重要だ。注意すべきは、エゴが強い人。いかに仕事ができたとしても、会社よりも自分自身のエゴを優先し、潜在的に組織のカルチャーを破壊してしまう可能性があるため、採用を控えるようにしている。

──どのように理想とするカルチャーを維持するのか。

サリグ:率直に言って、チャレンジだ。NYにいるCMO(Chief Maketing Officer)と、東京、シドニーやロンドンなど異なる国にいるマーケティングマネジャーが仕事をすることもざらになる。時差なども加味すると、円滑なコミュニケーションをとること、共有のカルチャーを持つことは容易ではない。だからこそ、いつも上手くいっているわけではないが、地域軸だけではなく、機能軸でも「徹底的に会話すること」は大切にしている。

2、3か月毎に全社でミーティングを開催し、直接対面で会話し、会社で起こっているあらゆることを共有するようにも努めている。対面や電話で、”リアルなコミュニケーション”をとり、お互いで人間関係を作っていく、その上で初めて共有のカルチャーが持てると思う。

デートラマでは会社でカルチャーを維持するために、大切にしている原則がある。「Openness」だ。会社の中で、何かが上手くいっていない時、何か対処が必要なことが起こっている時、気軽に言い合え、質問をしあえるフラットなカルチャーを作りたいと思っている。このオープンなカルチャーに欠かせないのがコミュニケーションの量だ。

忙しくなるとついついメールなど効率的なコミュニケーションを偏重しがちだが、「対面や電話で会話をする」ことの重要性は大きい。従業員には常々、メールではなく、直接電話や対面でコミュニケーションを取るように口を酸っぱくして伝えている。

ちょうど2週間前も、日本オフィスの1人がNYにトレーニングで来た。コスト面だけ考えれば、わざわざ行く必要もないが、対面の人間関係を作ることは、円滑なコミュニケーションのために重要なこと。多くのオフィスでこのことを徹底することで、フラットなカルチャーをグローバルに維持できていると思う。

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