「昔は良かった」って、とっても無責任な言葉だ #オカマと映画とマイノリティ

「昔は良かった」って、とっても無責任な言葉だ #オカマと映画とマイノリティ

  • Glitty
  • 更新日:2018/02/15
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マイノリティ──。

「社会的少数派」の意。「社会的弱者」として言い換えられることもある。

当連載では、自身もマイノリティの立場であるライター・おつねが、マイノリティを描く映画を通して、見解を語っていきます。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(2001年公開)

平穏に暮らす野原一家。

ある日、彼らが暮らす春日部市に突然「20世紀博」というテーマパークが出現した。 昔のテレビ番組や暮らしなどを再現した懐かしさあふれる遊園地に大人たちは夢中になり、やがて「20世紀博」に行ったきり、帰ってこなくなってしまう。それは、「イエスタディ・ワンスモア」というグループが企てた、恐るべきオトナ帝国化計画の始まりであった。

しんのすけは「かすかべ防衛隊」の級友らとともに、消えてしまった大人たちを取り戻すために、「20世紀博」へ乗り込むことにする──。

小さいころに観たときには、いまいち意味がよくわからなかった本作。

「いつものクレヨンしんちゃんのほうがおもしろい〜」なんて駄々こねたりしていたけど、大学卒業を控えたいま、改めて観てみると、胸にくるものがあった。

昔には昔の、いまにはいまの、良いところや悪いところがある

「昔は良かった」って、嫌になるくらいよく聞く言葉だ。

でもこの言葉って、とっても無責任。だって、その「昔」を知らない人に対して使う人が大半なんだもの。

昔には昔の、いまにはいまの、良いところや悪いところがあるってことから目を背けている。

私ね、昔は自分のジェンダーについて教えてくれる人が周りにいなくて、自分が何者なのかのヒントさえなくて、それでも周りと何かが違う確信はあって、苦しい思いをした。

でも、どんな自分であっても無条件に愛してくれる家族がいて、毎日を不自由なく過ごすことができて、とても恵まれた環境にいたという実感もある。

いまの私は未成年から成人へ、そして学生から社会人になる寸前のところにいて、環境の変化についていけるか毎日そわそわしてる。社会に出ると、いま以上に両親と会えなくなってしまうのかなとか、友人たちとはどのくらいの頻度で会えるのかなとか考えて、ブルーな気持ちになるときがあるんだよね。

でも同時に、どんな環境でも私という人間がブレない自信があるし、もっと多くの人にジェンダー含めいろいろな人がいることを伝えられるって確信してるし、両親に目に見える形で恩返しができるとワクワクするときもある。

たった21年しか生きていない私ですら、昔といまにそれぞれ良いところと悪いところを見つけられるんだから、私よりも大人の人たちにはもっとたくさんあるんだろうな。

過去は変えられないけど、未来は変えられる

作中で、敵のチャコがしんのすけに向かって「未来なんて醜いだけなのに!」と問いかけるシーンがある。

そんなときに、しんのすけは「大人になりたいから! 大人になっておねいさんみたいな人といっぱいお付き合いしたいから!」と返す。

とてもしんちゃんらしい回答。彼は過去ではなく、未来に起こるであろう良いことをイメージして行動しているんだね。

過去はどうがんばっても変えることはできないし、変えられないからこそ、これからやってくる未来を明るくするための努力はできる。

私は、自分のがんばりで周りの環境が変わってどんどん生きやすくなっていくこと、そのおかげでどんどん自分という人間を理解していけることを、いままでの人生で確認できた。

だからこそ、これからの未来を明るくするために、誰かの未来を明るくするために行動していきたいと、本作で奮闘するしんちゃんの姿を見るたびに強く思うんだ。

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